【解説】“最強ハリケーン”「カテゴリー5」に…フロリダ州に上陸へ すでに非常事態宣言も
日テレNEWS NNN / 2024年10月8日 10時6分
メキシコ湾に発生したハリケーン「ミルトン」が、5段階のうち一番強い「カテゴリー5」に急速に発達した。これまでに死者230人以上が確認されているハリケーン「ヘリーン」の被害全容がわからない中、新たなハリケーンの上陸が予想されている。フロリダ州ではすでに非常事態宣言も。気になる今後の進路と影響は?(NNNニューヨーク支局長・気象予報士 末岡寛雄)
■“最強ハリケーン”「カテゴリー5」に発達…最大風速80メートル
国立ハリケーンセンターによると7日午後、ハリケーン「ミルトン」の中心気圧は905ヘクトパスカル、最大風速は80メートルと猛烈な風を記録した。アメリカメディアによると、「ミルトン」はわずか5時間ほどで「カテゴリー2」から「カテゴリー5」へと急速に発達したという。これは史上3番目の早さで、アメリカの気象の専門家は、「ここまで急速に気圧が下がるのは“前代未聞”」、「驚愕だ」と評する。
ハリケーンや台風は、暖かい海水からエネルギーをもらって発達する。「ミルトン」が急速に発達したのは、10月に入ってもメキシコ湾の表面温度が、摂氏およそ30度と平年よりおよそ2度高いことが原因である。CNNがアメリカの非営利研究団体「クライメイト・セントラル」の分析として伝えたところによると、気候変動の影響で記録的なハリケーンが発達する海水温になる可能性が、400倍から800倍に高まった可能性があるとしている。
■すでに非常事態宣言も…現地時間水曜午後から真夜中にかけ上陸予定
現在の進路予想だと、「ミルトン」は現地時間火曜の朝、勢力がピークに達したあと、水曜日の午後から真夜中にかけて勢力を「カテゴリー3」に落とし、アメリカ南部フロリダ州に上陸し半島を縦断する見通しだ。
フロリダ半島西岸はこれまでに何度もハリケーンに襲われていて、2022年9月末のハリケーン「イアン」では100人以上が高潮などの影響で犠牲になっている。西岸の都市タンパは、高潮に脆弱だとされているが、ここ100年間大型ハリケーンの直撃を受けていない。このため地元市長は、これまでにない災害だとして、住民にできるだけ早く避難するように呼びかけている。
バイデン大統領は、「ミルトン」の接近を前に非常事態宣言を出し、連邦レベルの支援を命じた。先月、南部の広い範囲を襲い死者が230人以上出たハリケーン「ヘリーン」への対応が続く中、次の災害に対応できる職員の数も限られているため、“最強ハリケーン”の今後の進路と影響が懸念される。
■末岡寛雄NNNニューヨーク支局長
「news every.」「news zero」のデスクやサイバー取材などを担当し、災害報道にも携わる。気象予報士。趣味は音楽鑑賞。
この記事に関連するニュース
-
米フロリダ最強ハリケーン上陸へ 9月に被害、非常事態宣言
共同通信 / 2024年10月8日 9時59分
-
ハリケーンが猛発達しカテゴリー5に アメリカ・フロリダ州に非常事態宣言
ウェザーニュース / 2024年10月8日 9時30分
-
最強ハリケーンがアメリカ上陸へ 2週間前には別のハリケーンで甚大な被害
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年10月8日 7時34分
-
最強ハリケーン「ミルトン」、9日にもフロリダ上陸 非常事態宣言
ロイター / 2024年10月8日 5時53分
-
【解説】死者200人超 ハリケーン被害拡大のワケ…災害対応が“大統領選”を左右か
日テレNEWS NNN / 2024年10月4日 9時48分
ランキング
-
1ローマ教皇、国際社会の「恥ずべき無力さ」批判 ガザ戦闘1年で
ロイター / 2024年10月8日 9時6分
-
2ヒズボラ指導者後継候補の死亡まだ確認できず=イスラエル政府報道官
ロイター / 2024年10月7日 23時11分
-
3プーチン大統領が72歳の誕生日、5千人の若者らで「おめでとう」人文字…個人崇拝強まる
読売新聞 / 2024年10月8日 9時51分
-
4災害対応で激しい批判合戦 トランプ氏「不法移民支援のため遅れた」ハリス氏「偽情報だ」
産経ニュース / 2024年10月8日 10時3分
-
5核実験で健康被害出たカザフスタン、原発建設の国民投票に7割賛成…石炭火力発電から転換か
読売新聞 / 2024年10月8日 10時47分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください