患者数「過去最多」で……“みなしマイコ”も マイコプラズマ肺炎、検査キットが不足 20・30代でも増加 見分け方は?
日テレNEWS NNN / 2024年10月16日 9時44分
マイコプラズマ肺炎の流行が止まらず、全国の医療機関から報告された患者数は2週連続で過去最多となりました。「歩く肺炎」と呼ばれるように、大人も油断は禁物。患者急増で、検査キットが足りない事態も起きています。せきの見分け方や感染対策を考えます。
■報告患者数、1医療機関あたり1.94人
藤井貴彦キャスター
「皆さんの周りで、せきが止まらないという方はいらっしゃいませんでしょうか? いま、マイコプラズマ肺炎の流行が止まりません」
「15日に公表された国立感染症研究所の最新データによると、全国約500の医療機関から報告された患者数は、1つの定点医療機関あたり1.94人(10月6日までの1週間)となり、現在の方法で統計を取り始めてから2週連続で最多となりました」
「グラフで見ると、報告された患者数が最も少なかった新型コロナウイルスの頃はほとんど伸びていませんでしたが、(今年に入ってから)急激に伸びています。子どもがかかる病気というイメージもあります」
■医師に聞く…大人も油断できない理由
小栗泉・日本テレビ解説委員長
「『もちろん子どもは多いが、むしろ20代や30代、それ以上の世代も増えている』と指摘するのは、感染症に詳しい国際医療福祉大学・成田病院の松本哲哉教授です。マイコプラズマは、せきやくしゃみなどに含まれる飛まつによる感染が中心です」
「別名『歩く肺炎』とも言われるほど、職場や学校など人が集まる所で広がるリスクが高いので、大人も油断はできません」
■新型コロナもせき どう見分ける?
藤井キャスター
「せきといっても様々です。どのように見分ければいいのでしょうか?」
小栗委員長
「例えば、新型コロナもせきが出ますが、マイコプラズマの場合は初めは発熱や全身のだるさ、頭痛など風邪のような症状です。その後、こみ上げてくるようなせきがなかなか止まらず、夜も眠れないような時があります」
「そして、たんがあまり絡まない、乾いたせきが続くといいます。また新型コロナの場合はたんの絡む場合が多く、4、5日もすれば軽くなるケースも多いですが、マイコプラズマは1週間以上激しいせきが止まらないこともあるといいます」
■キット不足で「検査できません」
藤井キャスター
「夜中眠れなくなるのはつらいと思いますが、新型コロナかマイコプラズマなのか、検査で分かるものなのでしょうか?」
小栗委員長
「検査で分かりますが、感染者の急増に伴い、検査できない状況も発生しています。15日、zeroのスタッフの子ども(10)が30℃超の発熱とせきが止まらず、有明こどもクリニック豊洲院を受診しました」
医師
「どんなご様子か教えてください」
母
「妹が2週間前にマイコプラズマにかかって学級閉鎖になるくらいまで、結構はやっていますね」
医師
「マイコプラズマの検査キットが本当にどこも品薄で、なかなか卸から入ってこないので、今日は検査できません。ただ状況から考えても、妹さんがマイコプラズマでちょうど2週間前で潜伏期間と合致しています」
「高い熱としつこいせきという症状としても、マイコプラズマ感染症と考えて治療を始めたいと思います。抗生剤を飲んでもらいます」
村上典子院長は「“みなしマイコ”になってしまいますけど、周囲の流行状況や本人の症状の移り変わり(など)、総合的に判断して診断をつけております」と言います。
■基本的な感染対策と免疫力維持を
藤井キャスター
「かなりはやっているということで、感染しないような対策はあるのでしょうか?」
小栗委員長
「松本教授によると、飛まつ感染にはマスクが有効で、手洗い・換気などの基本的な感染対策が大切です。また症状を軽く済ませるためにも免疫力を落とさないことが重要。睡眠やバランスの良い食事、適度な運動といった対策も心掛けてほしいということです」
長濱ねるさん(俳優・『news zero』火曜パートナー)
「20代や30代もかかるということで、気が引き締まる思いです。季節の変わり目で体調も崩しやすいですし、寒くなってくると換気も減ってくるので、意識的に対策したいと思いました」
(10月15日『news zero』より)
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