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【解説】今後の政権運営の行方は? 自公で過半数に届かず

日テレNEWS NNN / 2024年10月28日 20時37分

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衆議院選挙の結果、自民・公明合わせた与党の議席は過半数を割ることになりました。今後、石破首相の政権はどうなるのでしょうか。日本テレビ政治部官邸キャップの平本典昭記者に、以下の3つの疑問について聞きました。

1.なぜ?自民党「大敗」の要因

2.自民vs立憲「チーム編成」対決

3.政治は進む?停滞しない?

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──まず、1つ目、自民「大敗」の要因はどうみていますか?

まず、有権者目線で言えば「石破首相の変わり身」があったと思います。石破さんは「古い自民党」でなく「世論」を向いている、だから人気は高かった。それが、首相になった途端「古い自民党に取り込まれた」とみられてしまったことで「期待」が裏切られ「失望」に変わったと言えます。

2つ目は、石破首相の「短期決戦」戦略が裏目に出た点です。自民党内の「総裁選でのご祝儀相場があるうちに」と早く選挙を、という声におされ石破首相は短期決戦の決断をしました。が、結果として新たな争点設定ができず「裏金問題」が最大の争点になってしまい逆風を強めたと言えます。

そして、最後はいわゆる2000万円問題です。裏金議員など非公認候補の政党支部にも公認候補と同じ額を支給した問題です。あるベテラン議員は「逆風が嵐になってトドメを刺された」と嘆いていました。

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──石破首相が掲げた、与党で過半数を達成できませんでした。これを受け、自民党は「ケジメ」をどうつける考えなのでしょうか?

まず問われるのは執行部の責任です。石破首相は掲げた目標が達成できなかったわけです。28日、小泉選対委員長は辞任しましたが、石破首相、そして森山幹事長は続投する考えです。

民間企業なら会社の大きな業績目標を達成できなかった場合、経営陣の責任が問われます。石破首相は28日の会見で「自民党の論理を排除する」と強調しましたが、その整合性はどうなのか。自民党幹部からでさえ「これだけ大敗して総裁、幹事長2人とも責任を取らないのはあり得ない」という声も出ています。

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──2つ目の疑問です。自民vs立憲「チーム編成」対決、つまり過半数をどちらが取るのかという点ですが、どうでしようか?

現状、自民・公明の与党も過半数に足りていない。野党第一党の立憲も仮に他の野党を全てまとめれば過半数を超え「政権交代」も数の上では不可能でない中、その道は見えていません。

今後は「チーム自民」「チーム立憲」どっちのチームがより多くの協力を集められるか、チーム編成の勝負が始まっています。

自民党の戦略はこうです。まずは非公認で当選した議員の追加公認や、無所属でも政策などが合う人たちの協力を得る。さらには、他の野党との連携の模索です。

──他の野党との連携ということでは、どの党との連携が現実的なのでしょうか?

一番、現実的なのは国民民主党です。複数の自民党幹部が「一番やりやすいのは国民民主党だ」「閣僚ポストを提示すれば連立できる」と述べています。ただ、国民民主党側は否定的です。

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──わたしも28日、国民民主党の玉木代表にインタビューしましたが、政策実現に「連立が一番早道では」と聞いたのですが、玉木代表は「連立を組むと自民党の全ての政策を受け入れる必要があり」政策ごとに対応すると否定的でした。

国民民主党の戦略は「手取りを増やす」など自分たちの掲げた政策を実現することです。具体的には「103万の壁」撤廃など自らの政策を自民党に丸のみさせ、投票してくれた有権者に「変化」を実感してもらうことを狙う戦略です。

──では「チーム立憲」のチーム編成戦略はどうなっているのでしょうか?

野田代表は28日、「チームをどう作るか。野党間の連携が先だ」と述べています。ある立憲幹部は「野田総理誕生に向けて国民、維新など野党に協力をよびかける」と表向きは言っています。ただ、現実はどうか。衆院選を通じて野党の間でも、特に外交安保政策など基本政策での違いが明らかになる中、現実的には厳しい、とみられます。

ある立憲幹部も本音では「野党が1つになるドリームチームは夢物語だ」と述べています。

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──3つ目の疑問です。この状況で、わたしたちの生活に直結する物価高対策、賃上げ政策などちゃんと進むのか、心配になってしまいますが?

まさに与党が過半数割れしたことで政治が進まない「政治空白」が懸念されます。与党側がまず政策を進める体制作りを急ぐ必要があります。野党にも責任が生まれます。与党の提案を全て反対すれば、何も政策は前に進まなくなります。対案をだして時には、与党の歩み寄りを引き出し、政策を進める責任があります。

この与党過半数割れは、わたしたち有権者が投票で選んだ結果です。わたしたちの生活がよくなる方向にいくよう、与野党の動きをチェックしていく必要があります。

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