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歴史的“大接戦”アメリカ大統領選…物価高続く現実 次のリーダー“最大の争点”は【バンキシャ!】

日テレNEWS NNN / 2024年11月4日 9時41分

日テレNEWS NNN

5日に迫る米大統領選挙。所得格差が拡大し続け、大きな問題となっているアメリカの現実を「バンキシャ!」は取材。今回選挙で最大の争点、経済問題をめぐり、トランプ氏支持に変わったという有権者の選択とは…。【バンキシャ!】

選挙戦“最後の週末”。

バンキシャ

「今日(日本時間2日)ノースカロライナで、トランプ氏の集会があるということで取材に行きます」

“激戦州”の1つ、ノースカロライナ州で行われるトランプ氏の集会。バンキシャは、その会場を目指した。

途中、メディア向けのバスに乗り込む。揺られること10分。会場周辺に到着。

バンキシャ

「すごい、まだ始まる4時間前なのに多くのサポーターが集まっています」

支持者が詰めかけ、熱気が高まっていた。集会が始まる約3時間前。厳重な荷物検査を終え、会場の中へ。

バンキシャ

「隣の建物の屋根には、周囲を警戒する警察官の姿が確認できます」

上空からはドローンが警備にあたる。

トランプ氏の支持者

「トランプはアメリカ政府で唯一の正直な政治家だ」

バンキシャ

「トランプ氏にメッセージは?」

トランプ氏の支持者

「国民のために立ち上がってくれ!」

「ファイト、ファイト、ファイト!」

そして、日本時間3日午前2時ごろ。

バンキシャ

「いまトランプ氏が出てきました」

トランプ氏が支持者の前に立った。

共和党 トランプ前大統領

「まずは非常にシンプルなこの質問から始めよう。4年前よりも今の方が良くなっているか?」

聴衆

「Noooooo!」

トランプ前大統領

「そうは思わないよな」

「彼女(ハリス氏)は完全にニセモノだ。彼女は無能だ。3日後、もしカマラが勝てばそれは1929年のような大恐慌の始まりだ」

そして、この“決めゼリフ”。

トランプ前大統領

「カマラ(ハリス)、もう十分だ。もう我慢できないあなたはひどく無能だ。カマラ(ハリス)!クビだここから出て行け!クビだ出て行け!」

対するハリス氏も日本時間の3日、トランプ氏と同じノースカロライナ州で支持者の前へ。

民主党 ハリス副大統領

「ドナルド・トランプがどんな人間だか知ってますね。そう、知ってるでしょう?」

「彼はますます不安定になり、復讐心にとりつかれている。ずっと不平不満を言い、抑制のきかない権力を求めている」

非難の応酬を繰り広げる両候補。

最新の支持率はトランプ氏がじわじわと支持を伸ばし、ハリス氏との差は0.3ポイントとなっている。(トランプ氏48.4% ハリス氏48.1% リアル・クリア・ポリティクスより/午後4時時点)

投開票日が5日に迫る中、トランプ氏“支持拡大”のワケとは。

カリフォルニア州サンフランシスコ。毎年2000万人以上が訪れる、世界でも有数の観光地だ。だが西海岸の日の光を楽しむ人々、その目と鼻の先に、アメリカの“影”があった。

岡田光弘 NNNサンフランシスコ

「ここら辺一角、全て“ホームレス”の方々ですね」

中心部の歩道。そこには多くの路上生活者、いわゆる“ホームレス”の姿が。

記者

「どれくらいここにいますか?」

路上生活者

「1年くらいです。“ホームレス”になる前は運送会社で働いていました」

「でも、いろんなことが重なって…ずっと“ホームレス”です。毎日ドラッグをやっています」

蔓延する薬物の影響なのか…。

記者

「まったく動きませんね。中腰になったまままったく動きません」

うつろな目で立ち尽くす人や、座り込んだまま動かない人。家を失った人々のために市が支援金を配っているビルには、行列ができていた。

記者

「なぜ家を失ったんですか?」

路上生活者

「パンデミックです。たくさんの人が家を失いました。仕事もあったんですが生き残れませんでした」

アメリカで年々増えている“ホームレス”。カリフォルニア州ではこの4年間でおよそ2割増加したという。

11月1日

そして勝敗を左右するともいわれる、“最大の激戦州”ペンシルベニア。アメリカ経済の“影”はここにも…。

バンキシャ

「広場で男性たちがトラックから荷物をおろす作業をしています」

大量の飲み物に、パンや野菜まで。生活に苦しむ人々のため、ボランティアが無料で食料を配っていた。会場には朝から行列ができる。

バンキシャ

「何をもらいましたか?」

食料受給者

「シリアル、バナナ、パン。それにチキンとアイスティーももらいました」

こうした無料でもらえる食べ物が生活の支えだという。

食料受給者

「食べ物にかけるお金を節約したいんです。本当に値段が高いから」

「パンが1つ4ドルもするんです。前は2ドルだったのに」

2022年、物価上昇率が40年ぶりの高水準を記録したアメリカ。“物価高”が人々の生活を圧迫し続けているのだ。

大統領選でも「物価高対策」は大きな争点。両候補ともに、時間を割いて訴えている。

トランプ前大統領

「4年前、私が大統領を辞めた時には“物価高”はなかったんだ」

トランプ氏は自らが返り咲けば“物価高をすぐに終わらせる”と主張。

対するハリス氏は。

ハリス副大統領

「わたしの(ToDo)リストの最優先課題は、国民の生活費を下げることです。大統領として1日も欠かさず取り組みます」

両候補の訴えを人々はどう受け止めているのか?

バンキシャは1日、ペンシルベニア州のあるレストランを訪ねた。

バンキシャ

「ハロー」

「はじめまして。ようこそいらっしゃいました」

ラテン系アメリカ人のペレラ・アントワンさん、30歳。ふるさとであるドミニカ共和国の料理が味わえるレストランを、両親と経営している。

ラテン系アメリカ人 ペレラ・アントワンさん(30)

「私たちのような中流階級の家族にとって、今の経済は壊滅的です。とても苦しい。原因は物価高です」

キッチンを案内してくれた。

ペレラ・アントワンさん

「ドミニカ共和国といえばこれです。“プラタノ”です」

ドミニカ料理に欠かせないというのが“プラタノ”。調理用のバナナだ。

ペレラ・アントワンさん

「朝、昼、晩、それにおやつ。何でも“プラタノ”で作ります」

バンキシャ

「これも値上がりしている?」

ペレラ・アントワンさん

「はい。昔は4つで1ドルでした。それが今は2ドルです」

さらに…

ペレラ・アントワンさん

「これは牛テールです。トランプ政権下では牛テール1箱が45ドルくらいだったのに、今は80ドルもします」

物価高の影響で、店は赤字続き。苦しい経営から抜け出せずにいるという。

長年にわたり、民主党を支持してきたというラテン系アメリカ人のペレラさん。しかし3歳と7歳の子どもを育てるため、そして来年生まれる新たな命を守るため。ペレラさんはこの選挙で共和党のトランプ氏に投票することを決めたという。

ペレラ・アントワンさん

「今はパンやミルクなど、必需品を買うことすらままなりません」

「(民主党の)ハリス氏は『経済を良くするためにこんな対策をします』と言っているけど、なんでそれを今やっていないんでしょう?彼女は今、副大統領ですよ」

「物価上昇率は、トランプ政権では2%台でとどまっていました。私が望んでいるのはそんな経済なんです」

トランプ氏といえば…

トランプ前大統領

「血に飢えた犯罪者を刑務所に入れるか、私たちの国から追い出す。そうしなくちゃいけない」

移民への人種差別的な発言で知られているが、ペレラさんは…

ペレラ・アントワンさん

「(トランプ氏を)私がどう思おうと、家賃は払わなきゃいけません。なので人種差別者であっても、経済を改善してくれる方が重要なんです」

*11月3日放送「真相報道バンキシャ!」より

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