“またトラ”で日本経済どうなる──株価、輸出産業、ビットコインは? 専門家「やりたい放題」「1期目よりもっと派手に」
日テレNEWS NNN / 2024年11月7日 10時10分
アメリカ大統領選でトランプ氏の返り咲きが確実となり、早くも日本経済への影響が出ています。ドル高円安が進み、日経平均株価も急上昇しました。一方で、「アメリカファースト」によって逆風となる面もありそうです。専門家に今後の見通しを聞きました。
■ドル高円安が進み、日経平均も急上昇
佐藤梨那アナウンサー
「トランプ氏が勝利確実の情勢で、日本のSNSでは『またトラ』というワードが飛び交っています。日本経済に早くも影響が出ています」
小栗泉・日本テレビ解説委員長
「円相場は6日朝に1ドル=151円台でしたが、トランプ氏がリードしているという情報が入った午後には一時、1ドル=154円台前半をつけるなど、ドル高円安が進みました」
「この円安に後押しされる形で日経平均株価も急上昇し、上げ幅は一時1100円を超えました」
佐藤アナウンサー
「なぜここまで、一気に株価が上がったのでしょうか?」
小栗委員長
「トランプ氏が掲げる減税政策がアメリカ企業の利益を押し上げ、アメリカの株や景気にプラスになると期待され、結果それに呼応する形で日本の株高につながりました」
「アメリカ経済に詳しいみずほリサーチ&テクノロジーズ調査部長の安井明彦さんに聞きました」
「安井さんは『選挙後に誰が勝ったかなかなか決まらない、暴動が起きるかもしれないなど、不透明なことが起きそうと言われていたのがすっきり決着し、安心感が広がったこともドル買いにつながった』と分析しています」
■「アメリカをビットコイン超大国に」
小栗委員長
「さらに日本のSNS上には『トランプさんありがとう』といった声も上がっていました。これは、暗号資産のビットコインがトランプ氏優勢を受けて過去差高値を更新したことへの反応です」
「(円建てで)9%以上も価格が上昇して、1ビットコイン=1100万円を突破しました。トランプ氏が今年7月、『自身が大統領に返り咲けば、アメリカをビットコイン超大国にする』と発言したことが影響しているとみられます」
■「アメリカファースト」どう影響?
佐藤アナウンサー
「日本にとっていいニュースに見えてきますが…」
小栗委員長
「そうとは限りません。その理由が、トランプ氏の代名詞『アメリカファースト』の考えです。アメリカ政治に詳しい明海大学の小谷哲男教授に聞きました」
「小谷教授は『トランプ氏はアメリカの国外に出て行った産業を取り戻し、アメリカ独り勝ちの状態をつくるために、各国からの輸入品に20%の関税をかけると公約で述べている。これは自動車など日本の輸出産業には大きな逆風だ』と指摘しています」
「実際、日本からの輸出が減るとどうなるか。経済評論家の加谷珪一さんは『日本の工場の規模が縮小し、近くのお店や飲み屋さんなどを含め、工場に付随するすべてのものに影響が出てくる』と心配しています」
「しかもアメリカ議会が上院下院ともに、トランプ氏のお膝元の共和党が多数を占める見通しで、最高裁の判事も保守派が多数を占めています」
「専門家は、トランプ氏は『やりたい放題』(小谷教授)、『1期目よりももっと派手にやってくるリスクがある』(安井さん)と指摘しています」
■「またトラ」で…日本はどう向き合う?
佐藤アナウンサー
「日本としてはどう向き合っていけばいいのでしょうか?」
小栗委員長
「安井さんは『アメリカのことを気にしすぎないことが大切だ。トランプ氏が勝ったら関税をかけてくるのは分かっていたこと。ならば、日本の経済自体を立て直すと腹を決め、しっかりとアメリカの情報も取って対応することが大事だ』と話しています」
佐藤アナウンサー
「今回の大統領選をどう見ていますか?」
篠原ともえさん(デザイナー/アーティスト『news zero』水曜パートナー)
「私としては女性初の大統領に期待していた部分もあったので、今回の結果に大変驚いています。周囲の話でいえば、前回のトランプ政権の時に撮影で入国する手続きが急に厳しくなって大変だったと聞いていたので、そういうことが起きないか少し心配です」
(11月6日『news zero』より)
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