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関係築ける? 対“トランプ外交”の行方 どうなる日米関係 見えてきた“秘策”【バンキシャ!】

日テレNEWS NNN / 2024年11月11日 10時2分

日テレNEWS NNN

石破首相と、アメリカ大統領選挙を制したトランプ氏。石破首相は早速、トランプ氏との会談の場を模索しています。今後の日米関係のため距離をどう縮めるのか、ある“秘策”がありました。(真相報道バンキシャ!)

   ◇◇◇

9日、バンキシャ!が案内してもらったのは…。

「一番向こうの河原で、ひたすら素振りだった」と話す男性。ここはある人物との思い出の場所だという。

田中廣さん

「私は石破茂さんと同期なんです。慶應義塾高校のゴルフ部で、3年間一緒に練習と合宿に行っていました」

高校時代、石破首相と同じゴルフ部だったという田中廣さん。卒業アルバムには──。

石破首相と同じゴルフ部・田中廣さん

「ここにいます」

──どこですか?

石破首相と同じゴルフ部・田中廣さん

「彼、これですよね」

石破首相は当時、ゴルフの練習に没頭していたという。

石破首相と同じゴルフ部・田中廣さん

「(部活は)ほぼ毎日ですね、学校行っている時は」

──石破首相も?

石破首相と同じゴルフ部・田中廣さん

「毎日一緒ですよ。合宿も春夏2回ありました。その合宿も全部参加していました」

「懐かしい。面影はすごいありますよね」

それから半世紀、国のトップとなった石破首相。一方、アメリカでは大のゴルフ好き、トランプ氏が大統領の座に返り咲く。

──ゴルフ外交、石破首相はゴルフ外交をトランプ氏とした方がいいと思う?

石破首相と同じゴルフ部・田中廣さん

「私はいいと思います」

   ◇

強気な外交姿勢で譲歩を迫るトランプ氏と、渡り合えるのか。そこで日本政府は、ある人物を切り札として投入した。

日本時間6日、次のアメリカ大統領への就任が確実となったトランプ氏。

トランプ次期大統領

「まさにアメリカの黄金時代になるだろう。そのために努力していこう」

アメリカの利益を最優先するトランプ氏を相手に、石破首相はどんな関係を築いていくのか。

かつてトランプ氏と良好な関係を築いていたのが、安倍晋三元首相。「ドナルド」「シンゾー」と、お互いをファーストネームで呼び合うほどの関係だった2人。会見で日本のメディアが質問をすると…。

日本メディア

「経済についてですが…」

トランプ氏

「どこから来たの?」

日本メディア

「日本です」

トランプ氏

「シンゾーによろしく」

トランプ氏の口から名前が出ることも。

2人の距離を縮めたのは、ゴルフだった。安倍元首相は初めてトランプ氏に会った際、金色のゴルフクラブをプレゼント。トランプ氏から日米同盟を強固にする上で、「シンゾーはスペシャルだ」と言われたことも。

トランプ氏と安倍元首相がゴルフ外交をしていた当時、石破氏にはこんな質問が。

記者

「(トランプ氏と)積極的にゴルフをしたいと思うか」

「閣僚を務めていた時、外国の大臣を招く時、いかにその方に喜んでいただくか、最大限の意を用いてきた。好きな酒の銘柄は何で、好きな花は何で」と話した石破氏は、ゴルフ外交を行うかは明言しなかった。

石破氏

「友情は大切です。しかし、それと外交は別だと認識しています」

トランプ氏との関係を強固にしたゴルフ。その成功体験に首相周辺からは…。

首相周辺

「石破首相には、ゴルフをやった方がいいですよと言った」

外務省関係者

「ゴルフが必要かもしれない。長時間サシ(1対1)で雑談できる場って他にないからね」

   ◇

高校時代、ゴルフ部で日々、腕を磨いていたという石破首相。その腕前は…。

石破首相と同じゴルフ部・田中廣さん

「『どーん』と振るのではなく、ある程度コース内にボールをしっかり収める」

「どちらかというと、堅実的なイメージ」

「腕前は真ん中辺」

その石破首相は7日、トランプ氏と初の電話会談を行った。

石破首相

「1対1で話をするのは初めてでございました。一言で言えば、非常にフレンドリーな感じがしました。本音で話ができる、そのような方だという印象をもった」

“いい印象を”持ったという初めての会話。実は、この会談に外務省はある人物を“切り札”として送り込んでいた。

外務省関係者

「電話会談には、高尾さんに入ってもらった」

高尾直氏とは、安倍政権時代にもトランプ氏との間に入り通訳を務めた外務省の職員だ。中国で勤務していたが、トランプ氏復帰に備え、今年8月、アメリカ担当の部署に異動してきたという。

2016年、安倍元首相が初めてトランプ氏の元を訪れた時も通訳として同行していた高尾氏。初の首脳会談でも、通訳を務めた。

限られたスペースのゴルフカートにも同乗。トランプ氏が大統領在任中、二人の関係をつなぎ続けた。時には、トランプ氏から直接声をかけられることも。

トランプ氏

「すばらしい」

トランプ氏からリトルプライムミニスター(小さな総理大臣)とも呼ばれていたという。

首相周辺

「安倍さんがうまくいったのは、彼の貢献が大きい。彼はトランプが気に入る言い方で伝えることができるんだよ」

ほかの通訳とは何が違うのか。令和になって初めての国賓として招かれたトランプ氏との会談でのこと。安倍元首相の発言の中にあった「トランプ大統領ご夫妻」という言葉を、高尾氏はこんな風に言い換えた。

安倍元首相

「最初のお客様がトランプ大統領ご夫妻になるわけです。今から楽しみです」

高尾氏

「こうした歴史的状況、そして新しい天皇陛下のもと、トランプ大統領とマダム・ファーストレディーが最初のお客様となります。そのため、お二方に日本をご案内することを楽しみにしております」

安倍元首相が口にした「大統領ご夫妻」という表現を、大統領の妻にも敬意を示す形に言い換え、伝えていた。

   ◇

安倍政権で外交の実務を担い、高尾氏の仕事ぶりを間近で見ていた兼原信克氏は、「通訳はAIを使った通訳もいいですけど、ベタッて訳してもダメなんです」「意図をくんで、一番伝わる言葉に訳す、本当のプロの通訳です」と話す。

今月中にも、会談が模索されているトランプ氏と石破首相。早速トランプ氏が“強硬な姿勢”を示す可能性があるという指摘も。

元国家安全保障局次長・兼原信克氏

「前回は安倍さんっていう大きな堤防があったので、日本だけが波をかぶってない」

2018年、トランプ氏は日本車への関税の引き上げを検討した。しかし、安倍元首相が直談判した結果、回避されている。当時、トランプ氏は「シンゾーは信頼できるからやらない。他の国だったらやるけど」と話していたという。

石破首相はトランプ氏との関係を築けるのか。

元国家安全保障局次長・兼原信克氏

「石破首相も初めてなので、はじめから安倍さんと同じことをやろうと思っても無理ですから。あれをモデルにして比べるのは、はじめから間違いです。ゼロからの信頼関係の構築、頑張らないといけない」

(11月10日放送『真相報道バンキシャ!』より)

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