石破首相、トランプ氏に会える? 信頼構築へ…“小さな総理”が切り札に おみやげは「金色の何か」?【#みんなのギモン】
日テレNEWS NNN / 2024年11月15日 11時6分
国際会議出席のため外遊する石破首相。アメリカではトランプ次期大統領との会談を模索しています。安倍元首相は2016年にいち早く会談を実現させ、蜜月関係を築きました。今回も信頼関係を構築する上で重要な、おみやげや切り札の人物について考えます。
そこで今回の#みんなのギモンでは、「石破首相 トランプ氏に会える?」をテーマに解説します。
■各国首脳がスケジュール「奪い合い」
菅原薫・日本テレビ解説委員
「14日、南米ペルーで行われるAPECの首脳会議に向けて日本を発つ石破首相。さらにブラジルのリオデジャネイロでG20にも出席した後にアメリカに向かい、トランプ次期大統領に会うことを模索しています」
「おそらく分刻みであろうトランプ氏のスケジュールを各国の首脳が奪い合うことにもなっている中で、会談は実現するのでしょうか」
「今回の海外出張のスケジュールを考えると、会談が実現するとすれば最短でも日本時間20日の夜以降になるとみられます。また、会談場所はフロリダ州にあるトランプ氏の自宅、マル・アラーゴではとみられています」
鈴江奈々アナウンサー
「大統領に就任する前なので自宅になるわけですね。思い返してみると、安倍元首相も(トランプ氏が)大統領選で勝った直後にすぐに会いに行きましたよね」
■安倍元首相、各国首脳に先駆けて会談
菅原解説委員
「ニューヨークのトランプタワーで会談しましたよね。2016年、トランプ氏が初めて大統領選を制し、どんな人物かわからないという声も多かった頃、当時の安倍首相はいち早くトランプタワーに出向き、各国の首脳に先駆けて会談を実現させました」
「この時は予定の45分の2倍となる90分の会談となりました。盛り上がったんでしょうね。トランプ氏も会談後『素晴らしい友情が始まった』とSNSに書き込みました。その後の2人の蜜月関係はご存知の通りです」
森圭介アナウンサー
「この時のトランプ氏は何を言うのか、何をするのかが全くわからない中で、早い段階で信頼関係を築いたのは、国の内外で非常に高く評価されましたよね」
■8年前のおみやげは「ゴルフクラブ」
菅原解説委員
「そして、その信頼関係の構築にも一役買ったのがおみやげです。安倍元首相が初めてトランプ氏に会った時、注目されたのがおみやげがあります。会談前に日本政府関係者が運んでいる箱の中には、日本製最高級ゴルフクラブが入っていました」
「外務省の公式記録にも、『安倍首相からはゴルフクラブを贈呈し、トランプ氏からはゴルフシャツなどが贈呈された』とあります」
忽滑谷こころアナウンサー
「今回、石破首相がおみやげに何を持っていくのかも注目ですね」
菅原解説委員
「石破首相が会う時に備え、少なくともトランプ氏が大統領選で勝利宣言した翌日には、外務省が動き出していました。では、何にするか。まず、安倍元首相が渡したゴルフクラブは金色でした」
■金色好き…トランプ氏へのおみやげは?
菅原解説委員
「トランプ氏はホワイトハウスのカーテンを金色に変えるほど金色が大好きです。トランプ氏の前のオバマ大統領は朱色、赤っぽい色でした。トランプタワーも金ぴかです。(日本の)政府関係者は、『石破首相も金色の何かを贈るんじゃないか』と語っていました」
森アナウンサー
「難しいですね。ゴルフが好きだったら金はわかりますが、石破首相は何が好きなのでしょうか? 鉄道? 金の鉄道模型?」
鈴江アナウンサー
「鉄道のイメージが強いですよね。金色の新幹線?」
森アナウンサー
「ドクターイエローとか、僕はうれしいですけど」
桐谷美玲キャスター
「金色って言われるとしゃちほこしか出てこないです」
鈴江アナウンサー
「日本らしいものですけどね」
森アナウンサー
「日本の食器などはあるのかもしれません」
鈴江アナウンサー
「金箔とかも…」
菅原解説委員
「トランプ氏はお酒を飲みません。ただ、おみやげの果たす役割は今回特に重要だと思います。トランプ氏はまだ就任前ですから、普通の首脳会談とは違ってまずは人間関係を構築することが最重要になります。おみやげがそのツール、きっかけになるといいですね」
■勝利宣言後の電話会談、各首脳の時間は
菅原解説委員
「そして、トランプ氏とのはじめまして、ファーストコンタクトは各国の首脳が気をもんでいるわけですが、先週、トランプ氏が勝利宣言した後に行われた各国首脳との電話会談の時間が注目されています」
「各国のメディアによると、フランスのマクロン大統領とは25分間、韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領とは12分間でしたが、日本の石破首相との電話会談は約5分間でした」
桐谷キャスター
「他の首脳と比べるとちょっと短いような印象も受けますが、これは大丈夫なんですか?」
菅原解説委員
「政府関係者によると、これは石破首相の方から切り上げたそうです。この時はトランプ氏が電話会談のために会合を抜けてきてくれたため、石破首相が気を遣ったといいます」
「この会談の後に石破首相と話した政府関係者は『“トランプモード”になっているのか、石破首相がなんだか早口になっていた』と言っていました」
「石破首相は普段かなりおっとりした話し方ですが、この政府関係者いわく『トランプ氏が早口だから、たらたらしゃべっているとイライラされてしまう』とのことです」
鈴江アナウンサー
「安倍元首相とトランプ氏の外交の場に同席した人が、とにかくトランプ氏に話を聞いてもらうことが難しくて、資料もたくさんあっても見てもらえないという話をしていました。長話は得策ではなさそうですよね」
菅原解説委員
「テンポよいコミュニケーションが求められるのかもしれません。5分間とはいえ、石破首相は『非常にフレンドリーな感じがした。本音で話ができる』と手応えを語っていました」
■通訳は「リトルプライムミニスター」
菅原解説委員
「外務省はこの電話会談に、ある人物を切り札として送り込んでいました。外務省の官僚でトランプ氏と安倍元首相との通訳を務めた高尾直(すなお)氏です」
「高尾氏は安倍元首相が2016年に初めてトランプ氏と会った会談でも、安倍元首相と2人でトランプ氏らに向き合い、その後長く通訳を務めました」
「ゴルフカートの限られたスペースに同乗したり、トランプ氏から『リトルプライムミニスター(小さな総理)』と呼ばれたりと、信頼されていた人物です」
「トランプ氏の復帰に備え、高尾氏は今年8月に中国からアメリカ担当の部署に異動してきたということです。生前、安倍元首相は『高尾さんは本当にすごい』と称賛していました」
「当時の安倍元首相の周辺も『事前の下調べが徹底していて、トランプ氏の気分が良くなるような言葉を選ぶ。トランプ氏がジョークを言って安倍元首相が一瞬何のことかわからないと、高尾氏がウケて反応してくれる』などと語っていました」
「石破首相がトランプ氏と信頼関係を築くのに心強い味方となりそうです」
鈴江アナウンサー
「そういった信頼の貯金も使いながら、になりますね。一方で第二次トランプ政権は(共和党が上下両院の多数派も占める)『トリプルレッド』と言われていて、トランプ氏の考えがより色濃く出そうです。よりトップ外交、信頼関係が大事になりそうですね」
菅原解説委員
「トランプ氏の2期目、予想しがたいことも多いですが、切っても切れない日米関係です。対等に話し合えるような信頼関係を築いてほしいと思います」
(2024年11月14日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
【みんなのギモン】
身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)
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