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「アルビノを言い訳にしたくない」気持ち強く……19歳の夢はモデル “難病”をポジティブに『every.特集』

日テレNEWS NNN / 2024年11月16日 13時26分

日テレNEWS NNN

体の色素を作りづらい先天性の難病「アルビノ」と向き合う大学生が、夢への一歩を踏み出しました。“人との違い”を徐々に受け入れてきた19歳のいま、「アルビノを言い訳にしたくない」と活動しています。モデルへの挑戦と、さらに高みを目指す姿に密着しました。

■モデルになる「夢」かなえたい

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埼玉県に住む、さくらさん、19歳。

明るい笑顔が印象的な大学生です。白い髪の毛、白い肌は生まれつき。「アルビノ」という体の色素を作りづらい難病と向き合ってきました。

さくらさん

「なんで、なんでっていうのを言われたときはちょっとつらいな、って…」

そんな、コンプレックスだった人との違いを武器に、彼女が目指すのは、モデル。

さくらさん

「アルビノを言い訳にしたくない」

難病と向き合いながら夢への一歩を踏み出す姿に密着しました。

■厳重な日焼け対策が必須

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真夏でも、出かける時は日傘にサングラス、肌を覆った服装が欠かせない、さくらさん。日焼けをしないよう、人一倍気をつけて生活しています。

さくらさんが患うのは、先天性の遺伝子の難病「眼皮膚白皮症(がんひふはくひしょう)」。「アルビノ」とも呼ばれています。

肌や髪の毛の色のもとになるメラニン色素を作りづらい病気。それに伴う症状は人それぞれですが、紫外線に弱く、日焼けをするとやけどのようになることもあるといいます。

■周りとの“違い”を受け入れるまで

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さらに、光をまぶしく感じやすい人もいて、さくらさんは日中もカーテンを閉めた生活を続けてきました。

さくらさん

「周りとこの見た目の違いっていうのもあるんですけど、やっぱりアルビノって日焼け対策が必須なので、みんなと同じように半袖短パンで、校庭で遊ぶっていうのが夢みていたことですね」

母・美紀さん

「将来のことを思うと心配でしょうがなかったですね」

■大学の講義で欠かせないもの

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現在、大学に通っているさくらさん。講義では、最前列に座っても、弱視で、視力が低いため、拡大して見る単眼鏡が欠かせません。

手元の資料も…他の学生の4倍に拡大されたものを使っていました。

小学生の時は周りとの違いから、ずっと下を向いて過ごしていたという、さくらさん。しかしその後、特別支援学校へ進学。同じように障害がある人と関わることで、人との違いを少しずつ受け入れられるようになっていきました。

■パラリンピック聖火ランナーへ挑戦

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そんなさくらさんが、アルビノを前向きに捉えられるようになったきっかけがありました。

それは、2021年、東京パラリンピックの聖火ランナーへの挑戦。たくさんの人に声をかけられ、気持ちに変化が生まれました。

さくらさん

「今まで肯定的に捉えられなかった白さとか、人との違いっていうのを逆に『かわいいね、きれいだね』というポジティブな言葉をもらったときにちょっと自信になって、気づいたら、(モデルに)なりたいかもって。すごいひらめいた感じです」

生まれつきの白さを生かした「アルビノモデル」になりたい…SNSで写真や動画を発信し、挑戦を始めました。

■「アルビノモデル」夢への一歩

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8月下旬。

さくらさん

「こんにちは。よろしくお願いします」

ウオーキングトレーナー 金刺 遥さん

「頑張りましょう」

都内のレッスンスタジオ。本格的なモデル活動を行うため、2024年4月からレッスンに通っています。ただ、さくらさんは、アルビノならではの課題に直面しています。

トレーナー

「見えなくなるとやっぱりこうなるのよ。それはしょうがないことだけど、ショーのときにその顔するの?」

さくらさん

「ちょっと…困ります」

トレーナー

「されても困ります。しないように練習する癖、そこからつけましょう」

アルビノの影響で、視力が低いだけでなく、眼球の揺れも伴うため、目に力が入り、どうしても表情が険しくなりがちなのです。さらに……

トレーナー

「あ〜ダメダメもう一回。腕でバランスとっているよ」

眼球が揺れるため、まっすぐ歩くということも、さくらさんにはとても難しいことでした。

スタッフ

「どうでしたか? レッスンは」

さくらさん

「んー…、最後歩いた時もヨロヨロしちゃって、ちょっと悔しい思いが残っています。今は頑張るしかないって思って歩き続けます」

レッスンで悔しさが募ったさくらさん。自宅を訪ねると、紫外線を気にしなくてもいい夜にひとり、自主練習に励む姿がありました。

さくらさん

「できない自分がすごく悔しくて、モデルとしてこれから高みを目指す以上、アルビノっていう部分を言い訳にしたくない」

障害に負けない――悔しさが、気持ちを強くしていました。

■経験や知識を伝えて“誰かの希望”に

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さくらさんには、もう1つ大事にしている活動があります。この日、会いに行ったのは…

さくらさん

「こんにちは。はじめまして」

アルビノの赤ちゃん、蓮央くん(生後7か月)。SNSで知り合ったといいます。

さくらさんは、自分の経験や知識を伝えるため、アルビノの人や、その家族たちと積極的に交流しています。

蓮央くん母・瑛利果さん

「やっぱり同じアルビノの方の活躍はすごくうれしいし、さくらさんに(アルビノを)広めてもらって蓮央も生きやすいかなと思うので、活躍はすごく楽しみだし、うれしいし応援しています」

さくらさん

「なんでもできるんだよって。一緒に頑張ろうねっていうのを蓮央くんにも。これからも一緒になにか交流できたらなって思います」

自分の活動が、誰かの希望になる。さくらさんは、前を向きます。

■自然な表情で…モデル撮影に挑む

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さくらさん

「おはようございます」

さくらさんに、初めての大きな仕事が。

さくらさん

「お待たせしました」

韓国ブランドを扱うセレクトショップからWEBモデルのオファーがきたのです。レッスンでは険しい顔になりがちでしたが、本番では自然な表情が。

担当者

「いったん目休ませる?」

カメラマン

「ゆっくりでいいよ」

時々、目を休めながらの撮影。フラッシュのまぶしさにも負けず、しっかりと表情を作ります。

担当者

「ばっちりです!」

さくらさん

「ありがとうございます! ありがとうございました!」

笑顔でやり遂げることができました。

娘を見守ってきたお父さんは…

父・勝男さん

「それ(アルビノ)をプラスに頑張っているのがすごい…親としてありがたいですね。自慢の娘です」

さくらさん

「自分の障害と向き合って自信を持てたっていう、この今までの20年間の経験があるからこそ、私も頑張ってみようかなっていう原動力とか勇気とかを届けられたらなって思っています」

(11月13日『news every.』より)

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