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【解説】石破首相、トランプ氏との会談"見送り”に 舞台裏に何が…

日テレNEWS NNN / 2024年11月18日 19時48分

日テレNEWS NNN

石破首相はG20(=主要20か国・地域首脳会議)が終わった後、フロリダを訪れてトランプ次期大統領との会談を模索していましたが、見送りとなりました。その舞台裏で何があったのか。石破首相に同行取材し、ブラジル・リオデジャネイロにいる日本テレビ政治部官邸キャップ・平本典昭記者が、3つの疑問について解説します。

1.トランプ氏が断った2つのワケ

2.安倍氏は成功 なぜ?石破氏は

3.“石破流外交”意外にも…

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鈴江奈々キャスター

「1つ目の疑問です。トランプ氏が断った2つのワケとは何なんでしょうか?」

政治部官邸キャップ 平本典昭記者

「日本側の説明によると、1つ目は『多くの国の首脳からリクエストがあって調整がつかなかった』と。2つ目は『ローガン法という国内法で、正式に大統領に就任する前は外国要人と接触してはいけない規定がある』という説明があったということです」

鈴江キャスター

「そもそも、アメリカの法律で就任前に外国要人との接触を禁止しているのはなぜなんでしょうか?」

平本記者

「なぜかと思って外交官としてアメリカで長く働いた経験のある関係者に取材したところ、『就任前に他国の首脳と接触すると、今の政権の外交を邪魔することになり禁止されたのだろう』と解説していました。ただ、日本の政府関係者からは、『トランプ氏の方針は矛盾しているよな』という声も出ています。というのも、まずトランプ氏は就任前に各国の首脳と電話では会談をしています。この接触は問題ないのかと。もう1つは、実は先週、アルゼンチンのトランプと言われるミレイ大統領とはすでに会談をしているんです。こうしたことから、本当の理由について政権幹部は『トランプ氏は外国首脳と会うことより、今は閣僚人事を行うなど、国内基盤を固めることに専念したいのだろう』という分析が出ています」

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鈴江キャスター

「その見送りについては、日本側にとっては『想定内』『想定外』どちらだったのでしょうか?」

平本記者

「会談は正式にはセットされていなかったんですが、石破首相も『会うつもり』で日本を先週、出発していました。同行している外交官を取材していても、フロリダに行く前提で1泊2泊分、多めに洋服などを準備していた人がいたりとか、現地のホテルの準備なども進めていたようです。私自身もフロリダは暑いので一応、半袖の服なども準備して出張に臨んできましたが、結果として今回、見送りになったと。そういう意味では『想定外』という面が強かったんだと思います」

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鈴江キャスター

「2つ目の疑問ですが、安倍元首相はトランプ氏との就任前の会談に成功していました。そうするとなぜ石破氏はできなかったのか、この点はどうなのでしょうか?」

平本記者

「実は石破首相サイドもこの会談をめぐってかなりピリピリしていました。というのも前回、安倍元首相は世界に先駆けてトランプ氏と会談し、その後の信頼関係を構築することに成功しました。石破首相には『安倍さんのようにゴルフをやるわけでもない、相性・ケミストリーは合うのだろうか。トランプ氏とうまくやれるのか』という目線がかなり向けられていましたので、今回、日本だけが失敗して、もし会談がセットできなかったら嫌だなぁというふうに思っていたようです。ですので、トランプ氏側が今回、『一律に』断ってきたことには『ほっと胸をなで下ろしている』のが本音と言えそうです。トランプ氏が正式に就任する来年1月以降の早い時期の会談を模索することになりそうです」

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鈴江キャスター

「そして3つ目の疑問です。ペルーに続いてブラジルでも各国の首脳との外交を石破首相は進めているところですが、その“石破流外交”に意外なところはあったんでしょうか?」

平本記者

「今回の外交訪問で見えてきた“石破流外交”の姿についてある政府関係者はこう言っています。『安倍氏のような派手なパフォーマンスはないが、地味だけれども堅実に言葉を紡いで相手の信頼を得ていくスタイル』と話しています。この言葉は習近平氏との首脳会談を受けて出た言葉でした。今、日本と中国の間には日本産水産物の輸入停止措置の問題、日本人男児の刺殺事件などなど課題が山積しています。取材を進めると、石破首相は中国側へのこうした『懸念』について、外務省の事務方が用意したものがあったんですが、それに対して『この表現では弱い。日本国内の怒りが伝わらない』と厳しくするよう指示を出したようです。一方で中国との向き合いについては『お互い助け得るところはどこかを探っていく』とも周辺に話しています」

「こうしたスタイルで臨んだ日中首脳会談について、多くの外務省関係者が『前進した』と評価しているんです。別の外務省関係者も『意外にも習近平氏とは相性が合うようだ』と分析をしていました。こうした『こびることなく言うべきことは言う』というスタイルが石破流外交なのか、という声が出ています。もちろん、今後の課題はトランプ氏をはじめ、他の国のリーダーとの向き合いで、この石破流スタイルで日本の国益にプラスとなる結果を出していけるかどうかが今後、問われてくると思います」

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