【解説】遠く離れた北朝鮮からの揺れをキャッチし震源と規模を推定 “核実験”と通常地震の違いは?
日テレNEWS NNN / 2024年11月18日 19時18分
10月下旬、北朝鮮はICBM級の弾道ミサイルを発射し、核実験を含む更なる挑発行為が警戒されています。これまで北朝鮮が核実験をおこなった際、日本国内でも気象庁の地震計が揺れをとらえ、規模を公表しています。自然地震とは異なる、核実験の際の地震波形。社会部災害担当・中濱弘道デスクが解説します。【週刊地震ニュース】
■「陸奥湾」震源の地震で震度4
11月11日から17日までの期間、国内では震度1以上の地震が33回ありました。
▼13日午後6時40分ごろ
福島県矢祭町で震度3の地震がありました。震源は茨城県北部、地震の規模を示すマグニチュードは3.9、震源の深さは7キロでした。
▼14日午後8時15分ごろ、
岩手県一関市と宮城県気仙沼市で震度3の地震がありました。震源は宮城県沖、マグニチュードは4.2、震源の深さは59キロでした。
▼16日午前2時58分ごろ、
茨城県神栖市と千葉県銚子市、旭市で震度3の地震がありました。震源は千葉県東方沖、マグニチュードは4.9、震源の深さは33キロでした。
▼16日午後9時22分ごろ
青森県平内町で震度4、外ヶ浜町などで震度3の地震がありました。マグニチュードは4.6、震源の深さ8キロでした。地震の専門家によると陸奥湾を震源とする地震は珍しいということですが地震への日頃からの備えは大切です。
▼17日午後9時16分ごろ、鹿児島県奄美市で震度3の地震がありました。震源は奄美大島北東沖でマグニチュードは6.0、震源の深さは10キロでした。(速報値)
■”北朝鮮震源”の地震波は日本でも観測 2017年の核実験
国内で震度5強以上の強い揺れの地震が発生すると気象庁は会見を開き、今後の地震の見通しや注意点について説明をおこないます。しかし国内で揺れを観測しなかったにもかかわらず行われた会見が何度かあります。それは通常の地震と異なる地震波形を記録した時です。2017年9月3日は北海道から九州地方の日本海側を中心に広範囲の地震計で、地震波をとらえました。そして震源は北朝鮮北東部、地震の規模は6.1、震源の深さは0キロと発表したのです。これは北朝鮮の核実験による揺れによるものでした。
■通常の地震と異なる「核実験」の地震波はP波がいきなり大きく
一般的な地震波形は、P波と呼ばれる初期微動があって、その後、S波、大きな揺れがやってくることが多いとされています。しかし2017年と2016年の核実験の際、中国の牡丹江で捉えられた地震波形をみると最初のP波が大きな揺れになっています。このような波形は何かが爆発した時に見られる特徴です。
■北朝鮮「核実験」による、地震の規模は次第に大きく
2006年以降、北朝鮮がおこなった核実験の際の地震の規模です。マグニチュードに換算するとM5前後のものが多くありましたが、直近の2017年の際の規模はM6.1でした。
▼2006年10月09日M4.9
▼2009年05月25日 M5.3
▼2013年02月12日 M5.2
▼2016年01月06日 M5.0
▼2016年09月09日 M5.3
▼2017年09月03日 M6.1
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