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猪口議員宅で火災 “燃え広がる条件”重なったか 過去に取材…室内の様子は?

日テレNEWS NNN / 2024年11月29日 1時0分

日テレNEWS NNN

27日夜、東京・文京区の猪口邦子参議院議員の自宅で火事があり、猪口議員の夫と長女とみられる2人が亡くなりました。過去に取材した映像を見ると、玄関とエレベーターが直結するなど特徴的な家でした。

   ◇

一夜明けた現場では、黒く焼けた室内で実況見分が行われていました。この場所で2人が死亡する火事がありました。

火元となったのは東京・文京区にある6階建てマンションの最上階。

近所の住民

「『助けて!』と午後7時前に1回聞こえた。小さい声だし、男の人か女の人か分からなかったと(避難した人が)言っていた」

この部屋に暮らしていたのは自民党の猪口邦子参議院議員です。猪口議員は当時、外出中でしたが、部屋からは女性1人が意識不明の重体で救出され、搬送先の病院で死亡を確認。また、性別不明の1人の遺体も見つかっています。

捜査関係者によると、亡くなった2人は猪口議員の夫で東大名誉教授の猪口孝さんと30代の長女とみられていて、2人は台所付近に倒れていたということです。

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消し止められるまで9時間近くかかった今回の火事。なぜここまで燃え広がったのか。

28日夜、元消防隊員の専門家に現場を見てもらうと、複数の条件が重なった可能性が見えてきました。1つめは…

元小田原市消防本部・火災調査官 永山政広氏

「だいぶ道路が狭いので大型の車両が入りづらい。ポンプ車もぎりぎり入ってこられるぐらいの状況。さらにはしご車になると二回り以上大きくなるのでなかなか入って来づらい」

高い場所を消火するための大きなはしご車が、近くに来ることができない立地だといいます。

近隣住民からも…

近所の住民

「消防隊が30分くらい消火活動しない。できないんですよ、はしご車が入らないから。手の打ちようがなかった、少し広がっていったんです」

──はしご車が入れない場合、どう消火活動?

元小田原市消防本部・火災調査官 永山政広氏

「消防隊は階段をのぼって6階の現場までいくしかない。階段をホースを延長しながらあがっていかないといけない。かなり階段の幅も狭まっている。大勢の隊員が一気にあがることもできない。非常に活動としては厳しい、難しい現場だったと思う」

当時の映像を見ると、大きな通りに消防車は並んでいますが、はしご車で消火活動をする様子は確認できません。

マンションの方までホースを伸ばし、消防隊員が階段から消火活動をしていました。

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午後10時前には一度、火の手は収まったかのように見えましたが、再び激しく炎があがりました。

──一度、火が強くなった瞬間があったが、何か理由は?

元小田原市消防本部・火災調査官 永山政広氏

「消火活動するにしても一方向からしかできていないと思う。なかなか放水が届く範囲は限られている。安定して水をかけるということが難しい現場だったと思う」

現場マンションの周りは住宅が密集しているため、階段からなど一方からの放水となり、十分に水が届かない場所もあった可能性があるといいます。

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次に要因としてあげたのは家の構造です。火事のあった6階は猪口議員の住居しかない構造で…

元小田原市消防本部・火災調査官 永山政広氏

「普通のマンションだと1つの住戸ごとに区切られていて、その(住戸ごとの)区切りの壁が燃えにくい構造でできている。今回の場合は6階部分が、全体が1つの区画。延焼を防止する区画が設けられてなかったのでは」

そして、もうひとつ考えられるのは発見の遅れだといいます。

元小田原市消防本部・火災調査官 永山政広氏

「予想しないことが起きると気が動転して(当事者が)なかなか正確に通報できないこともある。(今回)近所の人が気がついて通報するということで(火が)拡大してからでないとなかなか気がつきにくい。どうしても(通報が)遅れがちになる。通報が遅れれば消防の出動も遅れますから、初期の状態に火災を抑えることが難しくなる」

こうした複数の条件が重なり、短時間で一気に燃え広がった可能性があるということです。

日テレNEWS NNN

2007年、日本テレビは猪口議員の自宅を取材していました。当時の映像では…

──朝は夫婦で顔あわせる?

猪口邦子議員

「必ず毎日」

夫・孝さん

「一番重要です」

猪口邦子議員

「朝ご飯も作るし」

──結婚して何年?

猪口邦子議員 夫・孝さん

「30年ぐらい」

仲むつまじく暮らす夫婦の後ろには、多くの本が置かれていました。

猪口邦子議員

「じゃあ行ってきます」

玄関は扉ではなくエレベーター直結。

夫・孝さん

「じゃあね」

猪口邦子議員

「じゃあね、あなたも気をつけて」

もし出火当時の室内もこのような状況だった場合に考えられるのは…

元小田原市消防本部・火災調査官 永山政広氏

「いろいろな家具・書物がたくさんあったように見えましたので、そうするといったん火がつくとすごい勢いで燃えますので早い段階で部屋中が火の海になってしまう。エレベーターだけしか使わないということはない。いざという時のために階段に通じる通用口みたいなものがあったのではないかと推測される。そういうところは鍵がかかっているので、消防隊が入る時も破壊して入らないといけないので、消火するのに時間がかかってしまうということは考えられますね」

室内は燃えやすく、消防隊員が入りづらかった可能性があるということです。

28日、国会には猪口議員の姿はありませんでした

火は室内からあがった可能性が高いということですが、部屋の中にストーブは設置されておらず、油のようなものがまかれた明らかな形跡もなかったということで。警視庁は引き続き出火原因を調べています。

(11月28日放送『news zero』より)

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