スケボー堀米雄斗が選んだスゴい日本代表は?「空振り三振に抑えた瞬間、すごい鳥肌が立ちました」
日テレNEWS NNN / 2024年12月1日 6時0分
12月4日(水)夜7時放送される「加藤浩次&中居正広の歴代日本代表286人が選ぶこの日本代表がスゴい!ベスト20」。スケボーの堀米雄斗選手に聞いた「スゴい日本代表」について話を聞きました。
――堀米選手がスゴいと思う日本代表は?
2023年の野球日本代表のWBCの優勝です。
――どこがすごかったのでしょうか。
印象的なのは、やっぱ最後の大谷選手とマイク・トラウト選手の対決。いつもは同じチームで戦っている二人が、あのWBCでは敵チームで、最後、大谷選手がトラウト選手を空振り三振に抑えた瞬間すごい鳥肌が立ちました。
――同じチームメートが戦っているっていうのが、スゴかった?
普段は同じチームメートで優勝を目指して一緒に戦っていると思いますが、WBCの決勝の舞台で日本対アメリカという場面になって、本気で戦えるのはすごい嬉しかったんじゃないかなと思います。
スケートボードは個人競技ですけど、自分も今回パリ五輪で、ナイジャ・ヒューストン選手とかジャガー・イートン選手が結構調子いい感じで最初来たときは、普段はあまりそう思わないんですけど、自分も嬉しかったというか。本当はちょっとヤバいなっていう気持ちもあるんですけど、それが逆に嬉しいというか楽しみがあったので…。大谷選手がそうかわからないですけど、そういう楽しみもあるんじゃないかなと思います。
――やっぱり近い選手と戦うと気持ちが上がるものですか?
上がるんじゃないですか。チームメイトで普段は戦えないと思うので、そういうところでしか戦えない。なんか、そういう楽しみはあるのかなって。
――大谷選手は堀米選手から見てどんな選手ですか?
いやもう本当に時の人ですよね。やはり二刀流で今まで誰も考えられなかったようなことを成し遂げている人なので、今でもその壁を乗り越えていっている、精神力がすごいなと思います。
――堀米選手も刺激を受けていたりしますか?
そうですね、世界で戦っている方なので、本当にすごいと思います。
――スケートボードでは、どのシーンがすごかったですか?
パリオリンピックのスケートボードの女子ストリートですかね。
3人とも本当にすごいスケーターで、中山楓奈選手の最後のトライ。乗ることはできなかったけど、一番大きいセクションで5回全部攻めているところは、すごい勇気をもらったし、吉沢恋選手も赤間凛音選手も本当にスゴいです。東京オリンピックの時に比べるともう格段にレベルが上がっていて、その中で淡々と決めている集中力だったりとか、ほんとすごいなって思います。
――その中でも、一番印象深い、スゴいなと思ったことは?
印象深いのは、やっぱり吉沢恋選手。オリンピック予選の最終大会でも、最後ビッグスピンフリップボードっていう技で優勝を決めて、あの技がとうとう女の子で出るかっていう、その衝撃がやっぱり一番ありました。
1個手前の段階のビッグスピンボードという技が得意なのは知ってたんですけど、そこにフリップが入ることで難しさも相当変わるので、トライしてる時からすごいなって思って。あと赤間凛音選手の 270ボードスライドとかフロントフィーブル180ももちろんスゴいです。
ただ、スケートボードは常に新しくなっていくから、新しい技に点数がつきやすい傾向もある。吉沢選手のビッグスピンフリップボードをあそこで見たときはすごい衝撃的でした。
――女子だとなかなか出せない技なのですか?
赤間凛音選手の270ボードスライドとフロントフィーブル180、吉沢恋選手のビッグスピンフリップボードは男子レベルの技になってきていると思います。
東京オリンピックではちょっと考えられなかったというか、この3年でこんなにレベル上がるんだって驚きました。
――パリオリンピックまでの3年間、堀米選手が苦労した中でサポートしてくれたという早川コーチについて。早川コーチはどんな存在ですか?
早川さんは自分が小さい頃、ボードスポンサーもしていてくれた存在で、いろんなストリートに行ったり、一緒にずっと活動をしていて、アメリカでプロになることを目指したのをサポートしてくれていた。本当に大事な存在です。
――結構、早川コーチにはいろんな相談をするのですか?
実はあんま相談しなくて。でも、早川さんがやっぱり気にかけてくれて、何かアドバイスをくれたり、アメリカにも来てくれて。僕も自分からあまりしゃべるっていうタイプじゃないから、多分そういうのも気を使ってくれて、僕に合ったサポートをしてくれたかなと思っていて。
それで僕も少しずつ心も開けるようになっていって、今の状況などを話しました。
――早川コーチから言われて印象的な言葉って何かありましたか?
「昔の楽しかったスケボーを思い出せ」って。昔スケートをがむしゃらにしていた時を思い出せって言われたことが印象的ですかね。
――なかなか勝てなかったりした時期に、もらった言葉ですか?
そうですね。東京オリンピックが終わってからやっぱり周りの環境も変わって、自分も変わった。
いいことも悪いこともありながら、いろいろ自分の中で葛藤がある中で、早川さんが「原点を」っていう言葉をくれて、本当にその通りだなと思いました。
シンプルにしたくてもできない部分とかはあったりしますけど、この言葉のおかげで、いろいろシンプルにできるように、自分の本当にやりたいことに集中できるように、環境は少しずつ変えられたと思ってるんで、助けられた言葉です。
――あと、パリオリンピック中にも、準決勝で足を強打したそうですが。
オリンピックの時は練習2日目でかかとを怪我しちゃって。次の日、練習があったけど、あまりできなかったし。でも大会の当日、雨が降って延期になって、その2日間をケアに回すことができてギリギリまで治療してもらっていました。
――痛みを感じずに大会には臨めたのですか?
いや、痛みはありました。だからもう練習中から、まあそこはもう頑張って耐えるしかない...っていう。あとは集中力や音楽で、できる限り紛らわしていました。
サポートしてくれた人が、針の治療やかかとにテーピングなど色々してくれて、なんとか滑れる状況になったので助けられました。
――そんな怪我の中、5本目のあのトリックを決めた。
本当はあのトリックを出す予定ではなかった。
違うトリックで勝ちに行こう、メダル取りに行こうっていう考えではあったんですけど、アメリカのナイジャやジャガーが、もういい点数をどんどんたたき出していたので、置きにいったら負けるなって思って。コーチ陣、早川さんにも相談して、最初これで行くって決めていた技もありましたが、最終的にコースに戻って一人になっていろいろ考えた時に、あのトリックを選びました。
ぶっちゃけ、最後乗れた理由は特になくて、感覚をできる限りまで突き詰めていって、今までやってきたことを思い出しながら挑戦していったって感じです。
――コーチたちと話していた技を一人になってあそこに立って変えたんですね。
そうですね、変えました。そこはもう自分の感覚を信じていたっていうか。
――これじゃないと勝てない。彼らには勝てないっていうマインドですよね。
そうですね。なんか置きに行って、メダルを狙いに行くぐらいだったら、もう本当にとれなくてもいいから、このトリックをここで乗りたいっていう。
メダル取れなくてもいいから、このトリックを乗りたいっていうのが強かったです。
――最後に乗った時はどういう気分だったのですか?
いや、もう本当にどう何が起きているのかわからなかったですね。もちろんすごく嬉しいし、乗ってなんかすごい感情が出たっていうか。
なんで乗れたかはわからないし、でも、今までやってきたこととか、応援してくれている人の思いが乗った最後の 1 発だったのかなとか、すごく感じました。
――その喜びを実感したのは、どのタイミングだったのですか?
喜びを感じたのは、早川さんとハグしたとき、早川さんが喜んで結構叫んでいたので。
あと点数が出たとき、あそこで1位いけたんだ!と思って。結構点数は離れていて1位は計算もしていなかったし、1位は難しいのかなと思っていたので。でも、あの早川さんのあの感情を見て1位いけたのだなって思いました。
◆2024年版『この日本代表がスゴい!ベスト20』12月4日(水)夜7時放送
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