【解説】2024年は過去3番目の地震の多さ…震度1以上は全国で3600回 地震マップで見るとよくわかる、今年“揺れた”エリア
日テレNEWS NNN / 2024年12月16日 21時4分
最大震度7の「能登半島地震」から始まった2024年。比較可能な20年間でみると、3番目に地震の数が多い年となりました。なぜ今年は地震が多かったのか、どのエリアが揺れたのか。地震の位置を記したマップと照らし合わせながら、社会部災害担当・藤吉有咲記者が解説します。【週刊地震ニュース】
■岩手県沖で震度3の地震
12月9日から15日までの期間、国内で震度1以上の地震は31回ありました。
▼12月9日午後9時ごろ、岩手県沖を震源とする最大震度3の地震がありました。地震の規模を示すマグニチュードは4.4、深さは20キロでした。
■2024年は地震の多い年に?
最大震度7の巨大地震で始まった2024年。その後も地震のニュースが多かったように感じる方もいるかもしれません。実際に地震回数で見ても、2024年は地震が多い年でした。
比較可能な20年間で、全国の地震回数(震度1以上)を示したグラフです。今年は1月から12月15日までに、約3600回の地震がありました。
この20年で一番地震回数が多いのは、マグニチュード9.0の東日本大震災の地震があった2011年です。次いで熊本地震がおきた2016年が多くなっています。大きな地震の後には地震活動が活発になり回数が増えるのです。
今年は元日の能登半島地震の影響で、20年間で過去3番目に地震の数が多くなっています。
■日本地図で見る、地震の多かった場所とは
今年発生した、約3600回の地震の位置を地図上で見ていきます。
日本全国、あらゆる地域で地震が発生していたことが分かります。震度4以上の地震にしぼって見てみると、能登半島とその周辺で、大きな地震が重なっていることが分かります。
■有感地震2000回以上、能登半島を拡大
能登半島とその周辺では、元日に発生したマグニチュード7.6の地震以降、これまでに2000回以上の有感地震が発生しています。
元日の地震はおよそ150kmにおよぶ「能登半島北岸断層帯」などによって発生しました。地震の分布をみると、断層にそって地震が発生しているのが一目瞭然です。
その後、地震の数は減少していましたが、11月26日に石川県西方沖で地震があり、震度5弱を観測しました。地震の規模は元日の地震以降で最も大きいマグニチュード6.6でした。
この近くには「羽咋沖(はくいおき)西断層」と呼ばれる活断層があり、11月以降の地震はこの断層に沿って発生しているように見えます。ただ、海底のため調査は難しく詳しい関連性はまだ分かっていません。
能登半島周辺の地域では2020年12月ごろから地震活動が活発になっています。この4年にわたる地震活動の1つとみても良いかもしれません。
ただ、政府の地震調査委員会の平田直委員長は“活発な地震が4年続くだけでなく、大きな地震が半年に1回程度起きるのは、これまでに経験したことがない”と話しています。来年も大きな揺れと津波に注意して、備えておくことが重要となります。
■南海トラフ沿いでは初の「南海トラフ地震臨時情報」発表
南海トラフ沿いでは今年8月に、初めて「南海トラフ地震臨時情報」が発表されました。これは巨大地震がおこる確率が比較的、高まっていることを示す情報です。
南海トラフでは、海側のプレートが陸側のプレートの下に、1年に数センチの速さで沈み込んでいて、プレート境界には「ひずみ」がたまっています。今後30年以内に、70~80%の確率で、巨大地震が起きるとされるこの地域でも、2つの大きな地震がありました。
4月17日、四国と九州地方の間に位置する“豊後水道”で最大震度6弱を観測する地震がおこりました。ただ地震の規模が基準に達していなかったことなどから、臨時情報は発表されませんでした。しかし8月8日、日向灘で同じく最大震度6弱を観測する地震がありました。こちらはプレート境界で発生していて、初めての臨時情報が発表されています。
いまも、地殻変動は続いていますが、地震のあとの通常の動きの範囲内だということです。
■世界有数の地震発生地域、「地震の巣」関東地方の活動は――
関東地方も、世界有数の地震が多い地域だということを忘れてはいけません。実は関東地方は、3つのプレートが複雑に重なり合う上にあり「地震の巣」と呼ばれています。
今年は茨城県や神奈川県で最大震度5弱を観測する地震がありました。関東地方では首都直下地震の発生が懸念されています。震源の真上には家屋が密集しているため大きな被害が出ることが想定されています。
地震はいつどこでおこるか分かりません。家族や親せきと集まった機会に改めて、地震が発生したときの連絡手段などを確認しましょう。
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