【箱根駅伝】東京国際大が学んだ「1秒の大きさ」 予選会はアクシデントを“チーム一丸”で乗り越える 亡き監督の思いを乗せて箱根路へ
日テレNEWS NNN / 2024年12月16日 9時0分
2025年1月2、3日に行われる箱根駅伝。第101回を数える今大会に、東京国際大は2年ぶり8回目の本選出場を決めました。
■前回の予選会敗退から学んだ「1秒の大きさ」
東京国際大学駅伝部は、大志田秀次前監督のもと、創部から5年で箱根駅伝に出場するという5か年計画を掲げて2011年に創部。2016年の第92回大会で本選初出場(総合17位)を果たすと、その後は第96回、第98回大会で過去最高5位を記録しています。
予選会スタートとなった前回は、留学生のリチャード エティーリ選手が転倒するなど不運に見舞われ、本選出場までわずか3秒届かずに涙を流しました。
横溝三郎監督のもと新体制となった今季、チームを率いるキャプテンには楠木悠人選手(4年生)が就任。楠木選手は、「留学生が転んだアクシデントがあっても、予選を通過できるぐらいの日本選手のレベルがまだまだ足りないと感じた。去年のチーム状況を見ていると、上位の人たちは練習を頑張っていて、下の人たちは練習したりしなかったり、そういうチーム状況ではあった。全員が練習できるようにするっていうところを、自分がキャプテンになってそこを変えました」と、昨年の悪夢からチームの変革を決意しました。
予選会には、ハーフマラソン日本学生記録を持つエティーリ選手をはじめ、世界大学クロカンに出場した日本人エースの佐藤榛紀選手らが順当にエントリー。活躍が期待される佐藤選手は、「やっぱり“1秒の大きさ”は日々のトレーニングの中で言われている。自分自身もその1秒を削り出せなかったら目標とするものも来ないという思いでやっている。箱根駅伝の予選会を通過したいっていうその思いだけを目標にして、この夏は頑張ってきました」と力強く話しました。
■予選会はアクシデントを乗り越え突破
2025年1月の箱根駅伝本選をかけた予選会。しかし、今年も試練が訪れます。
厳しい暑さのコンディションの中、キャプテンの楠木選手が8キロ地点で脱水症状を起こし、無念のリタイア。さらに前回転倒のエティーリ選手も腹痛に見舞われ、トップグループから脱落と東京国際大に暗雲が立ちこめます。
それでも、今季取り組んできた「日本選手のレベル」向上を目指したチーム改革。後続の日本人選手たちが上位陣に頼らず、自らの手で箱根出場をつかむ攻めの走りを体現。エティーリ選手が腹痛に耐えながらチームトップの個人11位でゴールすると、チーム2位で佐藤選手も続くなど、チーム一丸で8位に入り、本選出場権を獲得しました。
楠木選手は「本当に走ってくれた人に感謝しかない」と涙。「次はしっかり自分がチームを引っ張れるように頑張りたい」と力を込めました。
レースを見守った横溝監督は「日中はかなり気温が上がるんじゃないかと思っておりましたが、その通りになりまして選手は非常に難航したと思います。その中で箱根駅伝の参加を決めたということは価値がある。本大会ではさらに頑張って参りたいと思います」とコメント。
今年11月、チームを率いてきた横溝監督が箱根駅伝目前に肝臓がんのため84歳で死去。チームの晴れ姿を見ることなく旅だった横溝監督の思いも乗せて、箱根路に挑みます。
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