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受け継がれる恩師の熱い声かけ 31歳で箱根駅伝を走った今井先生が生徒にかけた“言葉” 鶴ヶ島市立藤中が中学駅伝日本一

日テレNEWS NNN / 2024年12月17日 7時1分

生徒の力投に涙を流す今井先生

◇第32回全国中学校駅伝(15日、滋賀県希望が丘文化公園)

中学生の駅伝日本一を決める戦いは、埼玉の鶴ヶ島市立藤中が初出場で初優勝を達成。最終6区での逆転劇でした。チームを率いた監督は、元箱根ランナーの今井隆生先生です。

今井先生は2020年に教員の「自己啓発等休業」を活用して駿河台大学に3年生として編入学。1年目は箱根路に届きませんでしたが、ラストチャンスで予選会を勝ち抜き、本選出場権を獲得。2022年の第98回箱根駅伝で、当時31歳の今井先生は4区を走り、その年に教師へ復帰しました。

■恩師から受けた「言葉」 思いを生徒へ

今大会5区を任されたのは、3年生の久野温正選手。先頭と30秒差の3位でタスキを受け取ると終盤に追い上げを見せ、順位を1つ上げて8秒差に詰め寄る快走をみせます。その姿に今井監督は「あいつ頑張ってるね…」と涙。

「彼(久野選手)は夏前に故障して県大会に出ていない。この日のために“僕は駅伝をやりたいんだ”という気持ちをずっと持っていた彼が、大一番であの走りをしてくれて、グッときた。子供って成長するんだな、こんなに成長するんだなと思いました」と涙をぬぐい、笑顔をのぞかせます。

その後、アンカー6区を走った3年生の植松遼選手が、先頭を抜いて逆転優勝。ゴール直前、今井先生に「楽しんでこいよ!」と声をかけられた植松選手は、栄光のフィニッシュテープをきりました。

生徒にかけた“楽しんで”の声かけ。実はこの言葉には、箱根駅伝での恩師から受け継がれた言葉です。

駿河台大学時代の今井先生と徳本一善監督(写真:日刊スポーツ/アフロ)

「お前に残された時間はあと3分だ!楽しかったことを思い出せよ!おれは楽しかったぞ!」

これが当時、箱根駅伝4区を走った今井先生が、小田原中継所手前で駿河台大学の徳本一善監督にかけられた言葉。

今井先生は「そこから楽しむことを大事にしてきた。もちろん試合なので勝ち負けはつくんですけれど、試合を楽しむことっていうのは、すごく大事なこと。最後、“楽しんでこい”って言ったらリラックスするかなって、ペース上げるとかじゃなくて、自分の目で景色を楽しんでほしいと思って声をかけました」と、自然と恩師から受けた言葉を生徒へかけていました。

また「目標に対して、自分の持っている力で指導していくのが自分のスタイル」と今井先生。「今年勝ったから来年連覇かといえば違う。子供たちがやりたいことに助言していきたいです」と、生徒への思いを語りました。

鶴ヶ島市立藤中が初V

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