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日本人の90%に「帯状疱疹」ウイルスが──感染力も“最強クラス” ワクチン定期接種、どうする?【#みんなのギモン】

日テレNEWS NNN / 2024年12月20日 9時23分

日テレNEWS NNN

どの年代でも増える傾向にあり、誰でもかかる可能性がある帯状疱疹(ほうしん)。子どもの頃にかかることが多い水ぼうそうと同じウイルスによって発症します。来年4月からワクチンの定期接種が始まりますが、その種類や対象はどうなっているのでしょうか。

そこで今回の#みんなのギモンでは、「来年から『帯状疱疹ワクチン』どうする?」をテーマに解説します。

■失明・顔面神経まひなど合併症も

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馬野恵里花・日本テレビ社会部記者(厚生労働省担当)

「定期接種になるという話を聞いて、どうしようと思っている方は多いと思います。水ぶくれや痛みを伴う帯状疱疹のワクチンについて、厚生労働省の部会は来年4月1日から定期接種とする方針を決めました。この定期接種についてもギモンを解いていきます」

「周りで帯状疱疹にかかった人はいますか?」

桐谷美玲キャスター

「私の周りはいないですね」

森圭介アナウンサー

「先日、ほぼ同い年の友人が手足口病になって、その後に帯状疱疹になりました。顔に症状が出たという知り合いもいます」

馬野記者

「私もこの2年の間に、繰り返し帯状疱疹にかかってしまっています。私の場合はまさに顔に出てしまいます。目尻に出てしまって、最初はかゆみがあるんですけど、だんだん痛くなってきます」

鈴江奈々アナウンサー

「高齢の方だけでなく、若い人でもなり得るものなんですね」

馬野記者

「若い人でも、誰でもなる可能性があります。帯状疱疹とは、体の左右どちらかの神経に沿って、痛みを伴う赤い斑点や水ぶくれが帯状に現れる病気です。症状の多くは上半身に現れ、顔、特に目の周りに現れることもあります」

「神経の損傷がひどいと皮膚(ひふ)の症状が治った後、3か月以上も痛みが続く人もいるといいます。また発症する場所によっては失明や顔面神経まひなどの合併症を引き起こすこともあります」

■どのように発症? 原因は水ぼうそう

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忽滑谷こころアナウンサー

「合併症はかなり怖いなという感じがしますが、原因はどんなところにあるんですか?」

馬野記者

「愛知医科大学皮膚科学講座の渡辺大輔教授によると、帯状疱疹の原因は子どもの頃にかかった水ぼうそうで、この2つの病気のウイルスは同じです。水ぼうそうが治った後も、ウイルスが長い間、体内の神経節というところに潜伏しています」

「普段は免疫によってウイルスの活動が抑えられているので症状は出ません。しかし加齢・疲労・ストレス・病気などで免疫が低下するとウイルスが再び暴れだし、痛みを伴う帯状疱疹が現れてしまいます」

「ウイルスが神経に炎症を起こすので痛みが先行し、その後皮膚症状が出ることも多く、刺すような痛みで眠れないという場合もあります。子どもの頃、水ぼうそうにかかった記憶はありますか?」

桐谷キャスター

「私はかかった記憶があります」

森アナウンサー

「全く覚えてないですね」

鈴江アナウンサー

「同じく」

■免疫低下で…発症しやすい人は?

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馬野記者

「覚えていない人も多いと思いますが、子どもの頃に水ぼうそうにかかることが多い日本人では、成人の90%以上が体の中に帯状疱疹の原因となるウイルスが潜んでいると言われています」

「過去に発症した記憶がなくても、水ぼうそうは感染力が最強クラスなので、空気感染などで既にウイルスが体内に潜んでいる可能性があります」

「加齢とともに免疫が下がり、50歳を過ぎると帯状疱疹を発症する人が増加。80歳までに約3人に1人が発症すると言われています」

鈴江アナウンサー

「大人は水ぼうそうではなく、帯状疱疹という形で症状が出るんですか?」

馬野記者

「90%以上ということですが、ほとんどの人は子ども時代に水ぼうそうウイルスに一度は感染します。中には発症しない人や症状がものすごく軽い人もいますが、水ぼうそうになるのは子どもの時で、大人になってから発症するのはほぼ帯状疱疹です」

森アナウンサー

「ウイルスが潜んでいるということですが、一生付き合っていくしかないということですか?」

馬野記者

「ウイルスは生涯にわたって体内に潜み続けるといいます。私もお医者さんから『今後なることが度々あるかもしれません』と言われました。自分が違和感を覚えた時はすぐ病院に行って、お薬をもらうなど対処するようにしています」

■水ぼうそうにかかる子どもが激減

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馬野記者

「そして、帯状疱疹はどの年代でも増加しています。特に20代~40代は2014年にぐんと伸びています(宮崎スタディ・1997年の発症率に対する変化率の推移)。2014年に子どもへの水ぼうそうワクチンの定期接種が始まりました」

「この調査を行った外山皮膚科の外山望院長によると、それ自体はとてもいいことですが、水ぼうそうにかかる子どもが激減しました」

「一方で、子どもで流行した時に大人も追加免疫を得ていたんですが、その免疫強化のチャンスが減ってしまい、皮肉にも親世代の帯状疱疹が増えているということです」

桐谷キャスター

「となると、予防接種はどうしていったらいいんですかね? 私の母も、打ったらいいのかとすごく迷っていました」

■予防接種の対象は? 経過措置も

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馬野記者

「外山院長によると、まず原則として50歳未満の人はこのワクチンの接種を受けられませんが、医師と相談して打てるケースもあります。ワクチンを打つことによって帯状疱疹の免疫を強化することが期待できるといいます」

「来年4月1日から始まる方針となった定期接種は、特にリスクが高くなる高齢者、65歳になった人に公費で接種費用を補助するものです。66歳以上の人は70歳、75歳など5年刻みの年齢になった時に定期接種を受けられる経過措置を設けています」

「また免疫不全で重症化リスクのある60歳~64歳の人も対象とする、としています」

■ワクチンは「生」「不活化」の2種類

日テレNEWS NNN

鈴江アナウンサー

「ワクチンはどういう種類のものなんですか?」

馬野記者

「1回接種の生ワクチンと、2回接種の不活化ワクチンの2種類あります。外山院長によると、生ワクチンは5年ほどで効果が弱まります。不活化ワクチンは10年たっても高い効果が持続するといいます」

「ただ費用は任意接種だと生ワクチンで1万円程度、不活化ワクチンは2回で5万円程度。今回の接種の方針に関しては、公費負担でどのくらいの費用になるのかは決まっていませんが、自治体によってさらに補助される場合があり、自己負担が変わってきます」

鈴江アナウンサー

「自治体によってどういうワクチンを使うのかは、これから決まっていくということですね」

馬野記者

「そうです。帯状疱疹は誰でもかかる可能性があります。気になる症状があったら、早めに医療機関を受診するようにしてください」

(2024年12月19日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)

【みんなのギモン】

身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト

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