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【高校サッカー福岡全力応援】受け継がれる伝統「東福岡」を応援したい5つのこと

日テレNEWS NNN / 2024年12月24日 6時30分

選手権過去3度優勝の伝統を受け継ぐ東福岡の選手たち

九州・福岡を代表するターミナル駅・博多駅から歩くこと15分、ひときわ大きな校舎が目の前に現れます。

12月28日に開幕する第103回全国高校サッカー選手権大会に福岡代表として出場する東福岡です。

12月29日の全国大会1回戦では福島代表・尚志高校とNACK5スタジアム大宮で対戦しますが、その福岡代表・東福岡の応援したい5つのポイントを紹介します。

1.福岡一の“マンモス校”共学へ

来年度で創立80周年を迎える東福岡。全校生徒2127人と在校生の数は福岡県で最も多い“マンモス校”です。男子校として歴史を積み重ねてきましたが、来年度から男女共学になります。

部活動が非常に盛んで、中でもラグビー部は全国高校ラグビーで7度、バレーボール部は春高バレーで3度、全国制覇を達成しています。県大会の決勝はそれぞれの部を応援しに行くなど、全国レベルの部活同士、互いに刺激し合っています。

2.選手権3度の優勝を誇る“赤い彗星”

県内最多・22回の選手権全国大会出場を誇るサッカー部。1976年から監督に就任し、指導してきた志波芳則元監督のもと、輝かしい歴史を創ってきました。

1979年、58回大会で選手権全国大会に初出場。その後2度の全国ベスト4を経験し、76回大会・雪の決勝で帝京に勝利し初の全国制覇。77回大会も決勝で帝京を倒し連覇を達成しました。

志波元監督の後を継いだ森重潤也前監督も94回大会で全国制覇を達成。日本代表の長友佑都選手や毎熊晟矢選手をはじめ、数多くのプロ選手を輩出し続けてきた伝統校です。

3.福岡の歴史を創ってきた伝統校同士の対決

11月に行われた、全国高校サッカー選手権福岡大会決勝。相手は、県内で2番目・過去14回の選手権全国大会出場を誇る東海大福岡でした。県内で長くしのぎを削ってきた両校ですが、決勝での顔合わせは15大会ぶり。今年は新人戦・インターハイでも対戦がなく、選手権決勝で「初対決」となりました。

前半から果敢に相手ゴールに迫った東福岡でしたが、東海大福岡の体を張った守備に阻まれます。東海大福岡も豊富な運動量で積極的にシュートを狙いましたが、東福岡が落ち着いた対応を見せ0-0で折り返します。「前半は厳しい戦いで走れていなかった」と振り返った平岡道浩監督。「そんなに選手権は甘くないぞ、しっかり走って勝つぞ」と選手を送り出しました。

運動量・集中力を高めた東福岡は後半15分、塩崎響選手(3年)との息の合ったコンビネーションでパスを受けた伊波樹生選手(3年)がドリブルで中央に切り込み右足を振り抜きシュート、待望の先制点を奪います。その後は互いにチャンスを作るも得点は生まれず、迎えた後半アディショナルタイム。大谷圭史選手(3年)のロングボールに反応した途中出場の山口倫生選手(2年)が右足でゴール右角に流し込み大きな追加点。

東福岡が伝統校同士の決勝戦を制し、3大会ぶり23回目の全国出場を決めました。

4.「最高の戦術はサイド攻撃」初のOB監督が目指すもの

華麗で流れるようなパスワークで相手を切り崩すスタイルから“赤い彗星”とも呼ばれる東福岡。就任1年目の平岡道浩監督は、東福岡初のOB監督です。

志波元監督のもと、4-1-4-1の右サイドハーフ(ウイング)でプレーした選手時代。3年生でレギュラーだった74回大会では冬の国立を経験、静岡学園との準決勝にスタメン出場しました。1-1の末PK戦で敗れ、ベスト4に終わったものの、大会優秀選手に選ばれました。

鹿屋体育大学を卒業した2000年(79回大会)から母校に戻りサッカー部のコーチを24年務め、去年12月、OBとして初めての監督就任となりました。

「最高の戦術はサイド攻撃」と話す平岡監督。自らのサイドでの経験も踏まえ「ボールをもらいたいポジション」などを細かく設定し、距離感をかなり緻密にして、伝統のサイド攻撃を再構築しました。「志波先生イズム、森重さんイズムを引き継ぐ大サイド攻撃をしたい」「サイドからガンガン攻めてクロスを上げるようなザ・東福岡でありたい」とサイドへのこだわりは人一倍強いです。

さらに今年は手堅い守備と破壊力のあるカウンターにも磨きをかけました。「見ている人をワクワクさせたい。スタンドで『おー!』と言われたい。それが感動につながり、伝統につながる」監督として迎える初めての選手権、東福岡のプライドを胸に、指揮を執ります。

伝統校のキャプテン・柴田陽仁選手

5.220人の部員を束ねるキャプテンの覚悟

個性が強く仲の良い今年のチームをまとめるのは、キャプテンの柴田陽仁選手(3年)。1対1の守備が光る左サイドバックで、堅守への貢献はもちろん、オーバーラップでの攻撃参加など伝統のサイド攻撃も支えています。

「個性が強くいろんな特徴を持つ選手が多い分、まとめるのが大変だった」とこの一年を振り返りますが、「柴田がキャプテンだったから今年のチームはまとまった」と仲間は口をそろえます。

ストイックな姿勢で日々の練習に向き合い、練習前のゴミ拾い・練習後の片づけも率先して行います。自らが先頭になって行動を起こし、仲間に信頼されるよう背中で示してきました。

220人という大所帯、トップチーム以外の選手たちへの声かけも欠かさず、仲間の試合の応援も積極的に行いました。「先頭に立って引っ張っていきたい。一番は寄り添える存在になりたい」仲間を思う優しい気持ちがチームを一つにしています。

そんなキャプテン・柴田選手がチームメイト・スタッフと共に目指すのは全国の頂点です。9大会前の94回大会、当時小学生だった柴田選手は、全国制覇する東福岡の姿を見て憧れました。「自分たちも全国で優勝して、当時の自分がそうだったように、小さい子どもたちに『東福岡に入りたい』と思ってもらえるようなサッカーがしたい」

東福岡の初戦は12月29日に行われる福島代表・尚志高校との1回戦。4度目の頂点へ、3大会ぶりに帰ってきた“赤い彗星”が伝統のサイド攻撃で、観客を魅了します。

(取材・文 高校サッカー選手権民放43社/福岡放送)

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