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キャベツ“3倍”に高騰……スーパー「378円でも赤字」、茨城で“泥棒”続発 スルメイカも激減 背景に猛暑・海水温の変化?

日テレNEWS NNN / 2024年12月24日 11時38分

日テレNEWS NNN

キャベツが高騰しています。農林水産省によると小売価格は平年の3倍近くになり、買い物客は困惑しています。産地の茨城県では、キャベツが盗まれる事件も相次いでいます。海の幸でも異変が起き、スルメイカの漁獲量が激減。何が背景にあるのでしょうか?

■スーパーの買い物客から“悲鳴”

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23日、埼玉・春日部市のスーパー「ラーテルマルサン武里店」。買い物客から「値段が高い。2か月くらい買ってないです」「すごく高い。(最後に買ったのは)もう覚えてないです」といった“悲鳴”が上がっていました。

葉物野菜の代表格であるキャベツです。このスーパーでは例年は1玉150円ほどでしたが、23日は2倍以上の378円になっていました。

買い物客

「今キャベツは使わないようにしています。つらいですね。娘がキャベツ好きなので、ちょっと我慢してもらって」

別の買い物客

「焼きそばとかも、キャベツじゃなくてもやし使ってます。玉ねぎ入れてごまかして」

高騰が続くあまり、食卓からキャベツが消えたという人もいました。

■キャベツの小売価格は3倍近くに

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ラーテルマルサン武里の青果部門責任者

「夏の猛暑からキャベツは影響を受けて、秋に千葉県産は長雨の影響を受けて今に至ります。まだまだ回復していない状況です。(税抜き350円は)これは赤字のお値段なんです。本当は(税抜き)680円~690円つけたいんですよね」

24日には値上げに踏み切るといいます。

農林水産省が発表した、野菜の平均小売価格(12月9~11日)によると、キャベツの価格は平年に比べて2.9倍まで高騰しています。

■茨城で多発“キャベツ泥棒”…逮捕も

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食卓に欠かせないこのキャベツをめぐり、今相次いでいるのが“キャベツ泥棒”です。出荷量が全国4位を誇る茨城県では12月に入り、収穫直前のキャベツが大量に盗まれる被害が相次いでいるといいます。

下妻市では「キャベツを盗んだ犯人を捕まえています」という110番通報が入りました。収穫前のキャベツを盗んだとして、中国籍の兄弟が逮捕されました。

窃盗の疑いで、兄の周成青容疑者(45)と弟の周成乙容疑者(36)が現行犯逮捕されました。2人は21日午後2時すぎ、下妻市の畑で収穫前のキャベツ8個(3200円相当)を盗んだ疑いが持たれています。

■逮捕された兄「何が悪いんだ」

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取材によると、事件当日、2トントラックで兄弟が畑に乗りつけました。うち1人が収穫後に残っていたキャベツを素手でもぎ取っていたところ、近くにいた畑の所有者の知人が見つけて110番通報。駆けつけた警察官がその場で逮捕したということです。

当時、畑には今後収穫する予定だったというキャベツがありました。警察の調べに対し、兄の周成青容疑者は『どうせ捨てるものをとって何が悪いんだ』と述べているとみられ、容疑を一部否認しています。

■被害農家語る…「強盗と同じ」

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結城市でも被害が起きています。23日夜に畑を訪ねると、キャベツがなくなってしまっている一帯がありました。

窃盗被害に遭った農家

「840~850個が盗まれた形になっているとは思います。トラックで乗り入れた跡も確認できているので。(約850個は)大人数でないと持っていけない量だと思います。4~5人とか5~6人はいるのかなと思います」

先週、畑から約850個(45万円相当)のキャベツが盗まれたといいます。被害に遭った農家は「今年は(キャベツの値段が)異常に高い状態が続いているので。家に強盗に入るのと同じ。50、60万円のものをとっていくようなものなので」と憤ります。

現在、警察に被害届を出しているといいます。警察は畑のパトロールを強化するとともに、農家に防犯カメラの設置や見回りの強化を呼び掛けています。

■入荷数がどんどん減るスルメイカ

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一方、海の幸にも異変が起きています。多くの魚介類が並ぶ東京・築地の鮮魚店「斎藤水産」を20日に取材しました。スルメイカの入荷数がどんどん減っているといいます。

斎藤水産・斎藤又雄さん

「今日はたったの2杯です」

新鮮なイカの刺し身が楽しめる、東京・新宿の神楽坂イカセンターでは21日、生きたスルメイカの入荷はありませんでした。運ばれていたのは別のイカ。店長は「これはアオリイカですね。千葉・館山から朝どれの」と言います。

スルメイカの刺し身はなかなか出せないといいます。そのため、今は主に冷凍のスルメイカを使い、イカリングなどの料理を提供。ただ、年々仕入れ値が上がっているということです。店長は「本当に高級魚に近い存在になっていると認識しています」と話します。

■専門家「水温に敏感な生き物」

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イカの中で、日本で最もとられているスルメイカ。農林水産省によると2000年の漁獲量は約34万トンでしたが、2016年から大きく減り続け、去年の漁獲量は約2万トン(概算値)と激減しています。

なぜ、スルメイカは減ってしまっているのでしょうか。水産資源研究センター主任研究員の宮原寿恵さんは、理由の1つとして海水温の変化を挙げました。

宮原さん

「スルメイカはとても水温に敏感な生き物。高すぎても低すぎても、あまりよくない。生まれてすぐの海水温が、きまった水温でないと生き残れない。(減少の理由は)環境の影響だと思っています。そのあたりに原因がないか調べているところです」

■資源保護へ…水産庁が基本方針

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スルメイカの資源を守るため、水産庁は23日、来年度以降の対応について話し合いました。水産庁は漁獲量に上限を設けていますが、そこに届かない状況が続いています。

そこで、現在の上限の4分の1以下に減らすという基本方針が取りまとめられました。

(12月23日『news zero』より)

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