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【高校サッカー】公式カメラマンが語る『高校サッカー名鑑』の表紙に込められた想い

日テレNEWS NNN / 2024年12月24日 12時0分

2023-24高校サッカー年鑑(写真:全国高体連サッカー専門部)

12月28日(土)に開幕する冬の風物詩、全国高校サッカー選手権大会。公式カメラマンの小林洋さんは、「高校サッカー年鑑」の構成にも携わっています。中でもこだわるのが、表紙写真の選定です。小林さんに思い出に残っている写真について聞きました。

――前回大会の表紙は、どんな基準で選んだのでしょうか?

まず前提として、高校サッカー名鑑の表紙は、決勝の一番印象に残ったシーンから選んでいます。写真を選ぶ際に大事にしているのが、大会全体を通して、チームに貢献した選手を重視したいということですね。前回大会の表紙は、最初のゴールシーンです。黒田剛監督、松木玖生選手を筆頭に強さを見せていた時代と全く違う中での、新しい青森山田を見せてくれましたよね。この得点した福島健太選手も昔から知っていますけど、最初はもう全然痩せて頼りない感じでしたけど、これだけたくましくなってきたという思う部分が大きかったですね。それと、前回大会は準優勝した近江の勝ち上がりが印象的だったので、近江のユニフォーム姿を表紙に載せたいという思いがあったので、1点目のペナルティエリアを写した写真に決まりました。あと、国立競技場の光の具合もいいですよね。

2006高校サッカー年鑑(写真:全国高体連サッカー専門部)

――過去の大会の表紙についてもおうかがいします。84回大会の写真にもストーリーがありますね。

84回大会の表紙は、野洲の乾貴士選手ですね。この大会は、この学校自体がセンセーショナルな勝ち上がり方をしてきたんですよね。山本佳司監督は、ケルンで勉強された監督さんで、色々なことを勉強されてましたね。今じゃ当たり前になってるようなフットボールなんだけど、「セクシーフットボール」と言われるようなサッカーを作ってきましたよね。そんなチームで、乾選手が大事なところで試合を動かすプレーをしましたよね。(決勝の相手)鹿児島実も走っていたけどつかまえきれなかったですよね。

2009高校サッカー年鑑(写真:全国高体連サッカー専門部)

――87回大会の決勝は大迫勇也選手が大活躍した試合でした(歴代最多10ゴールで得点王)。

この大会は、大迫選手の鹿児島城西が準優勝しましたが、大迫選手は表紙の写真には写っていないんですよね。広島皆実が緻密に試合をコントロールしましたからね。大迫選手に決定的なパスが行かないように、徹底的に抑えましたね。最後は大迫選手が持ち込んでプレーするしかない状況を作って、その上で大迫選手を抑え込みましたね。僕は表紙に写っている広島皆実4番のキャプテン松岡祐介選手のリーダーシップが素晴らしかったと思っています。

抑え込まれたと言えば、本田圭佑選手も中田英寿選手も印象的でした。本田選手は準決勝まで行きましたけど。中田選手は、負けた時、もっと周りを使えたら良かったって言ってました。でも、そういう状況ではなかったですね。

――撮影に臨む際に、選手たちに期待していることはありますか?

僕が試合に臨むときには、「討論会」に臨む気持ちで向かうんです。自分の考えとか、意見とか、これまで培ってきた自分たちの特徴をいかにぶつけるかということですね。相手がある以上、相手を無視したチームって、勝って上がれないですよね。どんなに強いチームで、どんなに優れた選手がいても。今大会も高校生たちが作り上げてきたサッカーを全国の舞台で見ることが出来たらとてもうれしいですね。

第103回全国高校サッカー選手権大会は、12月28日(土)に国立競技場で開幕します。

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