羽田航空機事故原因調査すすむ 海保機、管制など複合要因重なり事故発生か
日テレNEWS NNN / 2024年12月25日 10時0分
羽田空港で日本航空と海上保安庁の航空機が衝突した事故から間もなく1年となるのを前に、原因を究明する国の運輸安全委員会が海保機内のボイスレコーダーの記録を公表しました。機長と副操縦士が「問題なし」と話すなど、いずれも滑走路への誤進入に気づいていなかったことがわかりました。
ことし1月2日の夕方、羽田空港で起きた航空機同士の衝突事故では、前日に発生した能登半島地震の支援物資の輸送任務にあたっていた海上保安庁機の乗組員5人が死亡、機長が重傷を負いました。
運輸安全委員会が25日、公表した経過報告書では海保機のボイスレコーダーの記録が初めて公開されました。それによりますと管制官から海保機に対し出された離陸順位が1番であることを意味する「ナンバーワン」と「滑走路の手前まで走行する」という指示を副操縦士は、そのまま復唱しましたが、機長は、「ナンバーワン」「C5」とのみ復唱。その後、「問題なしね」と話し、滑走路への進入を始めていて、機長と副操縦士ともに誤進入に気づいていなかったことがわかりました。
また、機長はこの指示について、「『滑走路に入って待機して』と言われた」と、管制の指示とは異なる認識を持っていて「ナンバーワン」については、「支援物資を運ぶため離陸を優先されたと思った」と説明していることも分かりました。
運輸安全委員会は、海保機が滑走路への進入許可を得たと誤認した背景について、分析を進めるとしています。
また、滑走路に誤進入があった際に、管制官に注意喚起を行うシステムが、海保機が進入を開始した7秒後から衝突直後までの1分8秒間作動していましたが、管制官は気づいていなかったということです。
運輸安全委員会は、複合的な要因が重なり事故が起きたとみて分析を進め、最終報告書にまとめる方針です。
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