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【高校サッカー】公式カメラマン泣かせだった大久保嘉人「予測がつかない」

日テレNEWS NNN / 2024年12月26日 12時10分

国見時代 シュートを放つ大久保嘉人(写真:全国高体連サッカー専門部)

12月28日(土)に開幕する冬の風物詩、全国高校サッカー選手権大会。公式カメラマンとして、40年以上にわたって大会を撮影し続けているのが、公式カメラマンの小林洋さん、74歳。56回大会(1978年)から全国高校サッカー選手権大会を撮影し続ける小林さんに、特に印象に残っている選手を聞きました。

――高校サッカーの舞台から世界へ羽ばたいた選手が多くいますが、印象に残っている選手はいますか?

印象に残っている選手はたくさんいますけど、プレー写真を撮りにくかったという意味で一番なのは大久保嘉人選手ですね。彼にはパターンがないんです。ボール持ったからと言ってそのまま突っ込んでくるとは限らない。気まぐれのようにパスしてみたり、そうじゃない時は突然突っ込んできたり、予測がつかない、読めない選手だったので撮影していておもしろかったですね。すごく捉えづらいという意味で、カメラマンの技量を磨いてくれましたね。

戦後最多タイ、6回の優勝を誇る長崎県立国見高校。国見で一時代を築いた小嶺忠敏監督も、島原商時代はベスト8が最高成績。全国の舞台で苦闘を続けていた頃に小嶺監督に出会ったそうです。

――国見を率いた小嶺忠敏監督の思い出は?

1970年代だったと思いますが、まだ小嶺監督が島原商でなかなか勝てない時に、インターハイでお会いしましたね。試合が終わるたびに本部席に駆けつけてきて、「うちの試合どうだったですか」って技術委員の先生とかに聞いて回るんですよ。有名な先生方が見に来てますからね。本当にしつこく聞いていてね。この人おもしろい人だなって思いましたね。

国見を日本一に導いた小嶺忠敏監督(写真:日刊スポーツアフロ)

――長期間、高校サッカーを見てきた経験から、国見のサッカーの印象は?

小嶺監督が築き上げたチームはどこのチームよりも走り強かったですよね。有名な『狸山往復』という練習で培われた走力が支えてましたけど、当時は否定的な目線もありましたよね。「走ってばっかり」みたいな。ただ、今の状況で言えば、走ることを嫌う選手なんかいませんよね。ハードワークが基本中の基本ですよね。ある意味、国見高校のサッカーは時代を先取りしたと言えるかもしれません。そのベースの上に大久保選手がアクセントを入れることで、国見のサッカーが生き物みたいに躍動しましたよね。国見にとってみれば革命的な選手でした。

国立競技場でゴールを決めよろこぶ大久保嘉人(写真:日刊スポーツアフロ)

――今大会も公式カメラマンとして活動されますが、撮影を楽しみにしている選手はいますか?

日章学園の高岡伶颯選手(画像:民放43社)

日章学園の高岡伶颯選手は撮影していておもしろい選手ですね。僕からすると、高岡選手はストライカーというより、柴崎岳選手(青森山田卒)みたいな、1列下がったポジションに近いタイプかなと思っています。全体をよく見ることができて、最後に1番肝心な時にスペースに割り込める選手ですね。

僕はプレー写真を撮るときは、次を狙ってる選手を探すんですよ。大体今のサッカーってディフェンスの真ん中あたりがその試合をコントロールしているというか、ポイントになってきますからね。彼をマークしてなくても、ゴール前の有効なスペースを見ていれば必ず入って来ます。彼はそのスペースの作り方をよくわかっているので、自分がどう動けばどうスペースが空いてくるかっていうのがわかってますよね。スペースで待ち受けていれば必ず入ってくるんだけど、彼にレンズを向けて追っかければいいかっていうとそうじゃない。周りを見てないと次の動きが読めないので、僕にとっては久々に好きなタイプのプレーヤーが出てきたという感じですよね。プレーを撮りづらいという意味でね。もっと周りを生かしながら、そして周りが彼を生かしながら自由にプレーできたら、ひょっとしたら決勝まで行っちゃうかもしれないぐらいの存在ですよね。

高岡選手はチームを頂点に導けるか(写真:全国高体連サッカー専門部)

12月29日(日)の1回戦、宮崎・日章学園は秋田・西目とフクダ電子アリーナで対戦します。

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