【高校サッカー愛媛全力応援】キャプテンを全国へ… 「松山北」を応援したい5つのこと
日テレNEWS NNN / 2024年12月26日 6時15分
約3000年の歴史を誇り、日本最古ともいわれる道後温泉や江戸時代までに建造された天守を持つ松山城など、歴史と文化が融合する愛媛県松山市。
松山城のお膝元に学校を構えるのが、12月28日に開幕する第103回全国高校サッカー選手権大会に愛媛代表として出場する松山北です。
12月29日の1回戦ではUvanceとどろきスタジアム by Fujitsuで山形代表・東海大山形と対戦する愛媛代表・松山北の応援したい5つのポイントを紹介します。
1. 校長先生は有名人?文武両道の松山北高
松山北高校は、愛媛県の県庁所在地、松山市に位置し、創立から120年を超える歴史のある伝統校です。
地元では北高(きたこう)の名で親しまれ、グラウンドからは松山城が見える環境でサッカー部は日々トレーニングをしています。
また、司馬遼太郎の著書「坂の上の雲」に登場する日本騎兵の父・秋山好古が4代校長を務めたことでも有名で校内には像が建てられています。
文武両道を掲げる県立学校としても知られており、3年生の多くは進学のため夏の総体で引退。松山北は2年生が主体の若いチームになります。
2.選手権と母校愛が紡いだ県大会制覇!
松山北は、これまで全国大会に5回出場し、第87回大会と第88回大会では愛媛大会連覇を達成したこともある名門校です。
しかし、近年は地区大会ベスト4止まり…。全国大会から遠ざかっていました。
流れが変わったのは3年前。松山北のOBでもある兵頭龍哉監督が「母校を再び全国に送り届けたい」と定年退職後松山北に戻って指揮。さらに、「選手権に出たい!勉強との両立がしたい!」と松山北に進学するJクラブ下部組織育ちの生徒が増加。その結果チーム力が向上し、再び全国を狙える基礎が出来上がりました。
3. ノーシードからの快進撃!しかし…
ノーシードからの挑戦となった松山北は、前回大会の愛媛代表・今治東や愛媛県大会優勝経験のある松山商など、強豪校を次々と撃破しました。
激闘となった準々決勝の帝京第五戦は、延長戦でも決着つかずPK戦へ。GK市中磨生選手(2年)がPKストップを連発。「勝利の守護神」としてチームを支えました。
しかし、準決勝の今治東戦で悲劇が襲います。攻守の要としてチームを率いていたキャプテンのDF末光瑛翔選手(2年)が全治6か月の大ケガ。病院を出た末光選手が最初に電話をかけたのが、中学から同じチームでプレーするMF松永悠吾選手(2年)。
電話を受けた松永選手は、「涙ながらに状況を伝えてくれた瑛翔に、かける言葉が見つからなかった」と語ります。自らも悔し涙を流したという松永選手は「絶対いいチームにする、おれにまかせろ。瑛翔を笑って卒業させるけんな」とメッセージを送りました。
4. 瑛翔のために… Cマークがつないだ想い…
迎えた愛媛大会決勝。パスサッカーで勝ち上がってきた、新田高校との全国をかけた一戦。松山北のゲームキャプテンは、松永選手。ケガで出られないチームのキャプテン末光選手自ら「全国に連れて行ってくれ」と想いを込めながらキャプテンマークを巻きました。
ゲームが動いたのは後半32分。松山北、自陣深くからのFK。前線へ大きくけり出したボールは相手DFへ。そのセカンドボールを回収した松永選手が味方へパス。そのまま前線へと走り出します。DFの裏へ走り抜ける松永選手の足元へ味方からボールがわたり、右足を振り抜きました。
飛び出したGKの頭上を越す松永選手のループシュートで松山北が先制。真っ先にベンチの末光選手のところへ駆け寄り、抱き合いました。しかし、ゲーム終了間際に追いつかれPK戦に突入します。
キャプテンマークはGK市中選手の左腕に。末光選手が巻きなおしました。
すると、相手の1本目。ゴール左を狙ったボールをGK市中選手がファインセーブ!末光選手の気持ちがこもった、キャプテンマークを付けた選手たちが活躍し松山北が勝利。
愛媛県大会では1999年以来25年ぶりとなる決勝PK戦を制し松山北が8大会ぶり6回目の選手権全国大会出場を決めました。
5. 憧れの全国大会! キーマンは唯一の3年生
決勝で松山北の先制点をアシストしたのは、唯一残った3年生、MF森隼人選手(3年)です。
「松山北は全国大会に出るべきチーム」と語る森選手。中学年代はJクラブ下部組織で活躍し、ユース昇格の声もかかる選手でした。しかし「小さいころからの夢だった選手権に出たい」と松山北を選択。その夢を叶えた今、次の目標は全国での勝利です。初出場で挑んだ41回大会(昭和37年度)には抽選で2回戦進出を決めたものの、それを除けばいまだ全国未勝利。
松山北の初戦は12月29日に行われる山形代表・東海大山形との1回戦。全国での勝利を目指して全力でピッチを駆け抜けます。
(取材・文 高校サッカー選手権民放43社/南海放送)
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