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【高校サッカー島根全力応援】『不屈の精神』を胸に初めての全国大会に挑む「明誠」を応援したい5つのこと

日テレNEWS NNN / 2024年12月26日 6時30分

選手権島根大会を初制覇した明誠サッカー部

「夢があったんです。ピッチの脇で、びしっとスーツを着た監督。かっこいいじゃないですか。全国大会に行ったらスーツを着ようと思っていたので、子ども達が就任1年目に私の夢を叶えてくれました。」

選手権全国大会はおろか、部として初めての全国大会出場。島根県の高校サッカー史に新たな1ページを刻んだ明誠の躍進には間違いなく、元Jリーガー白谷建人監督の“熱量”と“想い”があります。

12月28日に開幕する第103回全国高校サッカー選手権に島根県代表として出場する明誠。

12月29日の1回戦では、初勝利を目指し、愛知県代表・愛工大名電と対戦します。その島根県代表・明誠を応援したい5つのポイントを紹介します。

1.明誠フィーバーに沸く人口4万人のまち

「おらがまちの高校が全国大会へ?!」

人口はたった4万人あまり。北は日本海、南は中国山地と自然に囲まれるまち・益田市からの全国大会出場に“明誠フィーバー”が起こっています。観光案内所やバス待合室などには、サッカー部のポスターが掲示。さらに、キャプテン大谷俊太選手(3年)の実家そばの公民館には、大谷選手個人の横断幕まで掲げられるなど、益田イレブンはまちの誇りとなりました。

白谷監督が志向するのは『人を魅了するサッカー』。選手の強みを“みんなの前”で“大きく”褒めることで、ストロングポイントを伸ばすとともに、「この選手は○○がいいところ」とチームの共通理解が生まれ、持ち味の『崩し勝つパスサッカー』が発揮できるのです。

地元の後押しを受け、“チーム益田”として全国の舞台に乗り出します。

2.涙をのんだ高校時代 監督として初勝利を目指す元Jリーガー

明誠は2012年、セレッソ大阪と業務提携。そのセレッソ大阪から出向し4年目、ことしからチームの指揮をとる白谷監督。実は、長崎県の名門・国見高校出身、高卒プロとしてセレッソ大阪や水戸、岡山などでプレー。25歳の若さで引退したJリーガーは指導者の道へと進みます。

白谷監督は国見高校時代、選手権全国大会では勝利をあげられなかったことから「選手権大会は輝き損ねた舞台」と振り返ります。

大谷俊太キャプテン(3年)「監督ができると言えば、自分たちの自信になる」

池田龍心選手(2年)「試合の度に池田がエースだと言われ、点をとってきた」

どの選手も口にするのは、白谷監督の“熱量”と“信頼”です。“熱量”でまとめあげたチームが全国大会初勝利、そして監督としても選手権全国大会初勝利を目指します。

3.チームスローガン「不屈の精神」実り初優勝

選手権島根県大会は、直近16年間、立正大淞南・大社“2強”のいずれかが優勝していました。「島根の高校サッカーを変えたい」2強超えを誓い大会に臨んだ明誠は、準々決勝で2強の一角、大社高校と対戦します。試合はPK戦までもつれる熱戦。GK富森悠斗選手(2年)が2本のPKストップの活躍をみせ、大社を撃破しました。準決勝も1-0で勝利し決勝進出を決めています。

決勝の相手は益田東高校。同じ益田市に校舎を構え、今チームでは4試合戦って勝利がないライバルです。1点ビハインドの前半11分、大谷キャプテンがPKを沈め公式戦初ゴールを飾ると、わずか1分後、荒冷大翔選手(3年)の鮮やかなミドルシュートで逆転。ゲームの主導権を手繰り寄せると、エース池田選手の2ゴールなどもあり、5対1の完勝。悲願の初優勝を手にしました。

「何度負けても立ち上がって欲しい」白谷監督が想いを込めた新スローガン『不屈の精神』。そのスローガンのごとく、目標にしてきた強豪を倒し、決勝ではライバルを破る大躍進を見せました。

4.地獄のメニュー『土手ラン』

明誠サッカー部名物「土手ラン」

土手ラン。学校前を流れる益田川沿いの土手、約1.2キロを4分で1周。これを5セットくり返す明誠の名物メニューです。「まじ、きついですよ」そう話す選手たちですが、なんだか嬉しそう。それもそのはず、1試合を通し走りぬく“体力”、どんなにビハインドでも諦めない“精神力”は、間違いなく土手ランで磨き上げられたことを知っているからです。

パスサッカーが持ち味の明誠。ダブルボランチ・田淵伶麻選手(2年)・荒冷選手がボールさばき。右の三浦颯選手(3年)は個の突破力、左の日置羅音選手(3年)は周りを活かした突破と持ち味の違う両サイド。決定力が高い最前線・高橋星和選手(2年)とエース池田選手にボールをつなぎゴールを目指します。

5.上田綺世を目標に掲げる2年生ストライカー

島根大会決勝で2ゴールの2年生エース池田龍心選手

チームの攻撃をけん引するのが、強靭なフィジカルでボールキープ、そして今大会5得点と決定力が武器のエースストライカー池田龍心選手(2年)。FW出身の白谷監督は「チームのために点をとるのは池田だ」とエースとしての意識づけを徹底しました。島根県大会では、5試合で5得点、決勝でも2得点。エースの役割を遺憾なく発揮し、チームを悲願の初優勝に導きました。

池田選手が目標に掲げるのは、今大会の応援リーダー・上田綺世選手。「上田選手同様、自分は身長がものすごく高いわけではない(176cm)。それでも海外で屈強な選手たちと競い合う上田選手のプレーを参考にしています」

夢はもちろんプロサッカー選手。島根県大会で躍動した2年生エースが、今度は全国の舞台で自身の存在を見せつけます。「得点を量産して1試合でも多く全国の舞台でプレーしたいです」

明誠の初戦は、12月29日に行われる愛知県代表・愛工大名電との1回戦。島根の高校サッカーの歴史を変えた明誠が、今度は全国の舞台で初勝利をあげることができるでしょうか。

(取材・文 高校サッカー選手権民放43社/日本海テレビ)

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