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選挙ポスター 求められる“品位”とは何か?【#きっかけ解説】

日テレNEWS NNN / 2024年12月26日 15時18分

日テレNEWS NNN

ニュースのその先を考える記者解説。26日のテーマは「選挙ポスター 求められる“品位”とは何か?」です。政治部・東真子記者の解説です。【#きっかけ解説】

今月、自民党は、選挙ポスターの品位を保つための規定を盛り込んだ公職選挙法の改正案をまとめました。

これは、ことし7月の東京都知事選挙で、候補者とは無関係のポスターが掲示板に大量に貼られるなどした問題を受けて、議論が行われてきた結果なんです。

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──確かに、この時期には驚くような内容も見受けられましたね。

国会では、品位に欠けるポスターを規制するため、与野党の枠を超えて、早期の法改正に向けた動きが加速しています。

選挙ポスターと言えば、候補者の顔写真と名前がわかりやすくデザインされたものを想像する方が多いと思います。

しかし、実は公職選挙法には他の候補者を応援したり虚偽の内容でない限り、選挙ポスターの内容を制限する特段の規定はないんです。

東京都知事選では、動物のイラストだけが描かれたポスターや、QRコードを読み取ると候補者とは関係のないサイトが表示されるポスター、立候補していない人物の写真が大きく印刷されたポスターなど、候補者と関係のないポスターが貼られているケースがみられました。

──同じポスターが大量に貼られている掲示板もありましたよね。

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これは、NHKから国民を守る党が行ったものです。

まず通常では考えられない、多くの候補者を立候補させ、「掲示板」にポスターを貼れる場所を確保しました。

そして党に「寄付金」を納めた人は実際に立候補しているかに関係なく、こちらのように、猫の写真を使ったポスターなどその掲示板のスペースに自分の好きなポスターを貼れるということを行ったのです。

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──これも、法律では禁止されていないんでしょうか。

そうなんです。こういった掲示板のスペースの販売ともとれる行為も、現時点で制限する規定はありません。

──では、これを新しく規制しようとなるとどういう内容になるんでしょうか?

自民党の公職選挙法の改正案には、

①ポスターに候補者の名前の掲載を義務化すること

②一定の品位を保つための規定を設けること

③営利目的の使用は禁止し、違反した場合は100万円以下の罰金を科すこと

この3つが盛り込まれています。

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──「一定の品位」となると定義するのは難しいですよね?

ある自民党議員は「表現の自由への配慮も必要なので、なかなかこれ以上踏み込んだ表現にするのは難しい」と話していました。

ただ、政見放送や選挙公報には「一定の品位を保つこと」という規定がすでにあるんですが、これを選挙ポスターにも適用することで表現の自由を担保しつつ公序良俗に反するようなものは禁止しようという狙いがあります。

この改正案には、与党の公明党に加え、立憲民主党や日本維新の会、国民民主党といった野党も賛成する考えを示しています。

立憲民主党の笠国対委員長も「夏に控えている参院選などに反映できるように成立をめざさないといけない」と早期の改正が必要との考えを示しています。

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──このニュースで東記者が一番伝えたいことは何でしょうか?

はい。「民主主義の根幹選挙制度を考えよう」です。

これまでは想定していなかった選挙ポスターの問題や街頭演説の妨害とされる行為など公正な選挙が行われているとは言えないような問題が今年は起きてしまいました。

選挙では自由に主張できることが大事である一方で、「何をしてもいい」というわけではないと思います。議員を選ぶ選挙は、民主主義の根幹です。

その選挙自体の信頼性や正当性が疑われないよう、私たちも「あるべき選挙制度」を考えていかなければならないと思います。【#きっかけ解説】

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