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トランプ氏の“秘密兵器”? ガザ停戦に向け暗躍する「ネタニヤフ首相夫人」とは

日テレNEWS NNN / 2024年12月30日 15時0分

2024年12月に公開されたトランプ氏とサラ氏、長男のヤイル氏のスリーショット写真(ヤイル氏のXより)

アメリカのトランプ次期大統領は、パレスチナ自治区ガザ地区での戦闘の停戦に向けて、正式な就任前から水面下で動いているとされる。その裏には、トランプ氏が“秘密兵器”と呼ぶネタニヤフ首相夫人・サラ氏の影がちらついていて、その動向が注目されている。

■正式就任前から動くトランプ氏 ネタニヤフ首相と関係改善?

2023年10月7日のイスラム組織ハマスの大規模攻撃に端を発したパレスチナ自治区ガザ地区での戦闘は、泥沼化して犠牲者が増え続けている。イスラエルのネタニヤフ首相は「ハマスの殲滅(せんめつ)」を掲げ、強硬姿勢を貫いていて、ガザ地区で拘束されている人質の解放を伴う停戦交渉も、見通しは不透明なままだ。

一方、イスラエルへの軍事支援を続けるアメリカでは、2025年1月にトランプ氏が大統領として再度、就任することが決まった。トランプ氏はイスラエルの自衛の権利を認めて、軍事支援を続ける姿勢を見せている一方で、ガザ地区での戦闘の停戦に向けて、正式な就任前からチームの安全保障担当者らを通じて水面下で動いているとされている。

トランプ氏とネタニヤフ首相の関係は、2020年に悪化したと報じられている。この年に行われた前回のアメリカ大統領選挙で、ネタニヤフ首相はトランプ氏が選挙結果を受け入れる前に、バイデン大統領に祝意を送り、そのことで関係が悪化したとされていた。しかし、直近では2024年7月にトランプ氏とネタニヤフ首相が会談したほか、今回の大統領選でトランプ氏の勝利が確実となるや、ネタニヤフ首相は“いの一番”に電話会談で祝意を表明していて、関係の改善が、うわさされている。

■トランプ氏「秘密兵器」のサラ氏と面会

2024年7月、トランプ氏、ネタニヤフ首相とともに写真撮影に臨むサラ氏(イスラエル首相府より)

トランプ氏がガザ地区での停戦交渉の仲介を進めるためには、ネタニヤフ首相との調整が鍵となる中で、ある人物の動きが注目されている。その人物とは、首相夫人のサラ・ネタニヤフ氏だ。

サラ氏はトランプ氏と、じっこんの仲とされ、イスラエルメディアによると、2024年7月にネタニヤフ首相とともにトランプ氏の自宅を訪れた際には、トランプ氏が「サラさえいれば、それでいい」とジョークを飛ばすほどだという。この会談の際、トランプ氏はサラ氏について、ネタニヤフ首相との良好な関係を築くための「秘密兵器」だとも称した。

トランプ氏がサラ氏に入れ込むきっかけとなったとされるのは、2017年にトランプ夫妻がイスラエルを訪問した際に、サラ氏が夫妻にかけた言葉だ。ロイター通信は、サラ氏が「イスラエル国民の大半は、メディアとは違って私たちを愛してくれています。あなた方もイスラエルの国民から愛されているんですよ」と声をかけたと報じている。

トランプ氏は大統領就任後、メディアからメラニア夫人がバッシングを受けていることなどに悩んでいたとされる。イスラエルメディアの関係者は「国内メディアから『浪費家だ』などと批判されることが多いサラ氏が、似た境遇からトランプ夫妻に寄り添ったことで、トランプ氏の信頼を勝ち得たのは想像に難くない」と話す。

そんなサラ氏の動向が一段と注目されるようになったのは、2024年12月。トランプ氏がアメリカ・フロリダ州のゴルフリゾートで主催した夕食会にサラ氏が招待され、アメリカに住む長男のヤイル氏とともに、トランプ氏と笑顔で写るスリーショットの写真が公開されたのだ。ネタニヤフ首相自身が大統領選勝利後に直接の面会ができていない中で、サラ氏がトランプ氏と面会したとあって、イスラエルでは大きく報道される事態となった。

■内政の対応にも追われる夫に代わりサラ氏が“暗躍”?

サラ氏は自身のSNSで、トランプ氏との面会について、こう記している。

「温かく友好的な会談の中で、私たちはイスラエルとアメリカの揺るぎない友好関係や、両国の絆を育み続けることの重要性など、多くの話題について話し合いました」

「私は人質の解放と速やかな帰還のために行動する必要性を強調しました。私たちはまた『悪の枢軸』との戦いにおけるイスラエルの勝利の戦略的な重要性、中東と世界における、より安定した未来についても話し合いました」

いわゆる「ファーストレディー外交」の範ちゅうを超えて、人質解放を伴う停戦交渉に踏み込んでいるとも取れる内容で、イスラエルメディアは「トランプ氏に人質解放をめぐる問題を提起した」などと報じている。サラ氏はトランプ氏との面会について、ネタニヤフ首相とも共有しているとみられ、トランプ氏の正式就任前に、サラ氏を介した、やりとりが行われた可能性も出てきている。

また、イスラエルの内政に目を向けると、ネタニヤフ首相は自身の汚職疑惑に関して、裁判所での証言を求められていて、対応に追われることが予想されている。そのため、イスラエルメディアの関係者は、サラ氏がネタニヤフ首相の“分身”となって様々な場面で暗躍する可能性もあると指摘する。

■“イスラエル寄り”を鮮明にするトランプ氏 停戦合意への手腕は

アメリカメディア「アクシオス」は「トランプ氏は就任前にガザ地区での停戦が実現することを望んでいる」などと報じている。(2024年11月29日公開)。前回の大統領在職時には、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の聖地であることから、帰属問題がくすぶっているエルサレムを“イスラエルの首都”と認定してアメリカ大使館を移転させるなど、イスラエル寄りを鮮明にしてきた。

自身も「私ほどイスラエルのために尽くした大統領はいない」と自賛するなど、イスラエルへの支持を明確に打ち出す中で、「秘密兵器」を駆使しながらどのような手腕で戦闘を終結させようとするのか、世界が注目している。

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