【解説】韓国・尹大統領の拘束は? 6日が令状の執行期限…当局は令状執行にこだわる考え
日テレNEWS NNN / 2025年1月6日 19時2分
韓国の尹錫悦大統領の非常戒厳を巡り、捜査機関が請求していた拘束令状の執行期限を6日に迎えます。この先の見通しについて、ソウル支局長の横田明記者に聞きます。
◇
鈴江奈々キャスター
「この1か月、国政の混乱が続く韓国ですが、改めてこれまでの動きを整理します。始まりは12月3日、尹大統領が行政などを軍隊の支配下におく非常戒厳を宣言しました。この直後、国会議事堂には宣言に応じて軍が投入され、宣言の撤回を求めて集まった国民と争う場面もありました。この混乱を引き起こした『非常戒厳』が宣言されたのは45年ぶりのことでした。横田さん、当時の韓国社会はどのように受け止めましたか?」
ソウル支局・横田明記者
「過去に軍事政権を経てきている韓国では、戒厳、つまり軍が政治に介入することに強いアレルギーがあり、ショックともいえる大きな衝撃をもって受け止められていました」
鈴江キャスター
「およそ1週間後の11日には、警察は大統領府の家宅捜索に踏み切りました。14日には、韓国の国会で尹大統領に対する弾劾訴追案が可決されました。これで尹大統領は職務停止となりました。そして12月29日、尹大統領は4回目の出頭要請に応じませんでした。出頭拒否を続けた結果、31日には、尹大統領に内乱を首謀した疑いで拘束令状が出されました。現職の大統領に対しては初めてのことです」
「そして年が明けた1月3日、合同捜査本部が尹大統領を拘束するため、強制捜査で大統領公邸に立ち入ろうとしましたが、大統領警護による強い抵抗を受け、拘束を断念する事態となりました。捜査本部は『警護が続く限り令状の執行が事実上不可能だ』とコメント。そして、6日が拘束令状の有効期限となります」
鈴江キャスター
「今のところ大きな動きはないようですが拘束令状の期限を迎える中、今後の動きはどうなるでしょうか?」
横田記者
「捜査当局としては、あくまで令状の執行にこだわっていく姿勢です。令状の執行を主体的に担っていた高官犯罪捜査庁は6日朝、令状の期限延長を申請する考えを示すとともに、合同で捜査にあたる警察に執行を一任すると明らかにしました。その背景について、『高官犯罪捜査庁は人員規模が50人ほどで執行に役立たない』と漏らすなど、大統領警護の強い抵抗に太刀打ちできないとの認識を示しています」
横田記者
「ただ、警察は『法律的な議論がある』と単独での令状執行に難色を示し、結局、合同捜査本部として協力して拘束にあたることになりました。ただ、再び拘束に乗り出すときには警察側は大統領警護の逮捕も辞さない構えをみせていて、今後、緊迫した展開も予想されます」
鈴江キャスター
「拘束令状は延長される見通しで、これまで通り高官犯罪捜査庁と警察による合同捜査本部が尹大統領の拘束に乗り出す、ということなんですね」
横田記者
「そういうことです」
鈴江キャスター
「1月3日の令状執行の際には、大統領の警護による強い抵抗で拘束を断念した経緯がありましたが、次は警察側が警護を逮捕することも起こりうると。前回逮捕にはならず、次は逮捕も、というのはどうしてでしょうか?」
横田記者
「先週金曜日(3日)に大統領の拘束に乗り出した際も、現場では一部で警察から警護関係者を逮捕するべきとの意見はあがったそうです。ただ、すでに小競り合いも起きている中、大きな衝突になることを危惧した高官犯罪捜査庁が、それを制止したということです。再び令状の執行に乗り出す際に、どのように対応するかはまだ調整がされると思いますが、前回、令状執行を断念に追い込まれていた際は『警護が続く限り執行は不可能だ』としているだけに、より踏み込んだ対応で臨む可能性はあります」
鈴江キャスター
「韓国内での混乱はまだ続きそうですが、日本への影響として考えられることはどんなことがありますか?」
横田記者
「政局の混乱は続いていますが、今のところ日本やアメリカに対する外交姿勢に大きな変化は出ていません。ちょうど今、アメリカのブリンケン国務長官も韓国を訪問していて、外交活動自体は断絶していないように見えます。ただ長期的に見ると、日韓の交流の停滞や、仮に野党に政権が移った際には、日韓関係への影響を懸念する見方もくすぶっています」
(1月6日午後5時ごろ放送『news every.』より)
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