中国で“呼吸器感染症”拡大……「コロナの再来?」「春節もあるし」不安も 医師「恐れすぎる必要ない」【#みんなのギモン】
日テレNEWS NNN / 2025年1月9日 10時19分
中国で、ヒトメタニューモウイルスに感染する子どもが増えています。春節を控えるだけに、SNSでは日本への流入を心配する声も。ただ実際はありふれた感染症で、症状も風邪と大差なく、過度に恐れる必要はなさそうです。基本的な感染対策を徹底しましょう。
そこで今回の#みんなのギモンでは、「ヒトメタニューモウイルス 日本では?」をテーマに解説します。
■「中国の呼吸器感染症」トレンド1位
加納美也子・日本テレビ解説委員
「7日夜、日本のXのトレンドで『武漢肺炎』のワードが1位でした。8日朝の1位は『中国の呼吸器感染症』でした」
桐谷美玲キャスター
「こういうワードを見ると、新型コロナ(ウイルス)がはやり始めた頃はこんな感じだったなと思い出しますね」
加納解説委員
「ちょっと、どきりとしてしまいますよね。『コロナの再来?』『中国の春節もあるし、コロナの二の舞になるのでは』といった投稿も見られました。中国で今拡大している呼吸器感染症ですが、そんなに恐れることはありません」
■中国国営放送、感染拡大を報道
加納解説委員
「では、一体どんな感染症なのでしょうか? 中国国営放送では、病院に多くの人が訪れている様子とともに『最近、14歳以下のヒトメタニューモウイルスの陽性率が上昇しています』と伝えられていました」
「中国疾病予防コントロールセンターによると、去年11月頃から中国ではヒトメタニューモウイルス感染症が拡大していて、特に中国北部で14歳以下の子どもの感染が増えているということです」
■ヒトメタニューモウイルスとは?
加納解説委員
「ヒトメタニューモウイルス、聞いたことはありますか?」
桐谷キャスター
「あまり聞いたことがありませんが、最近はニュースなどでよく目にします」
森圭介アナウンサー
「1年前か2年前くらい前に聞いたことはあるんですけど、どういうものか詳しくはわかりません」
鈴江奈々アナウンサー
「まさに今回SNSで皆さん関心を寄せているので私は知ったんですけれども、そんなに恐れるものではないんですよね?」
加納解説委員
「未知の感染症ではなく、日本でも既にありふれた感染症の1つです。正しく理解していきましょう。感染症が専門の佐藤昭裕医師(KARADA内科クリニック五反田院長)に聞きました」
「ヒトメタニューモウイルスは2001年に発見された、比較的新しいウイルス。一年中発症が確認されていますが、特に3月~4月が多いということです」
「佐藤医師のクリニックでも通年患者さんは断続的に出ていて、最近でも一定数います。ただ、急に増えたり減ったりということではありません。1歳~3歳の子どもの間で流行することが多いですが、大人にも感染します」
「症状はせき・熱・鼻水。ひどい時は38.5℃以上の熱が出たり、ゼイゼイと呼吸が苦しくなることもあるそうです」
忽滑谷こころアナウンサー
「この症状だけを見ると、我々が考える通常の風邪と何ら違いがないように思えます。自分で気付くのが難しそうですね」
■検査が積極的に行われない理由は?
加納解説委員
「一般的な風邪の症状なので、検査しないとわかりません。ただ単独の検査は5歳までは保険適用ですが、6歳以上は自費になります。症状も風邪程度なので、検査が積極的に行われず、実数を把握しづらいんです」
「症状は1週間ほどで治りますが、ごくまれに重症化する恐れがあります。持病がある人や高齢者などは注意が必要だということです。また、ワクチンや特効薬もありません。症状を抑える対症療法となります」
■飛まつ・接触で感染…予防法は?
桐谷キャスター
「となると予防法が気になってきますが、どうしたらいいんですか?」
加納解説委員
「佐藤医師によると、せきやくしゃみなどからの飛まつ感染や、ウイルスがついた物を触ってしまう接触感染でうつります。また新型コロナと同様に、症状が出る1日~2日前から人にうつす可能性があるので、知らないうちに広げてしまう恐れがあります」
「そのため、予防法がとても大事になります。基本的な感染対策の徹底が有効で、こまめな手洗いとマスク着用、これが何よりも一番大事だということです」
「そして、タオルや食器の共用も避けましょう。アルコール消毒も有効なので、子どもがよく触る手すりやおもちゃなどは、こまめに消毒しましょう」
森アナウンサー
「基本的な感染対策をしていればそこまで恐れなくてもいいということですし、風邪対策と言ってもいいですよね」
鈴江アナウンサー
「共用を避けるということですが、家族だと普段共用で使っている物がありますよね。症状があれば(対策が)できますが…」
森アナウンサー
「症状が出る前は、確かにちょっと難しいかもしれないですね」
■インフルに次ぐ陽性率…中国の状況は
加納解説委員
「中国ではどうでしょうか。中国疾病予防コントロールセンターの12月23日~29日の呼吸器疾患の検査では、ヒトメタニューモウイルスの陽性率(6.2%)は、インフルエンザ(30.2%)に次いで2番目に高くなりました。当局は感染予防の徹底を呼び掛けています」
「というのも、1月28日から中国では春節の連休を迎え、延べ90億人が移動すると見込まれています」
■佐藤医師「恐れすぎる必要はない」
加納解説委員
「春節を機に日本への感染拡大が心配だという声がSNSなどで上がっていますが、佐藤医師は『春節の大移動で感染が日本にも拡大する可能性はあるが、恐れすぎる必要はない』と話していました」
「ヒトメタニューモウイルスは、新型コロナやインフルエンザと違って、国への報告義務がない感染症です。つまり、それだけ危険度は低く、ありふれているということです」
■WHOも報告「異常なレベルでない」
加納解説委員
「WHO(=世界保健機関)も1月7日、『中国で報告されているヒトメタニューモウイルスを含む急性呼吸器感染症のレベルは、この時期では想定の範囲内で、異常なレベルではない』と報告しています」
鈴江アナウンサー
「『この時期では想定の範囲内』ということは、繰り返し流行はあって、現状ではそれぐらいのレベルにとどまっている、という認識でいいですか?」
加納解説委員
「はい。そこまで過度に恐れる必要はないとWHOも言っています」
鈴江アナウンサー
「新型コロナウイルスの経験があるだけに、聞いたことのないウイルスの情報が入ってくると怖くなる方がいらっしゃるのも当然だと思います。ただ、風邪の1つなのかなと捉えられますし、できる予防を積み重ねたいなと思いました」
加納解説委員
「過度に恐れず、手洗い・マスクなど基本的な対策をしっかりして、この冬を乗り切っていきましょう」
(2025年1月8日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)
【みんなのギモン】
身の回りの「怒り」や「ギモン」「不正」や「不祥事」。寄せられた情報などをもとに、日本テレビ報道局が「みんなのギモン」に応えるべく調査・取材してお伝えします。(日テレ調査報道プロジェクト)
この記事の動画はこちらから再生できますこの記事に関連するニュース
-
中国 呼吸器感染症が流行拡大、春節「90億人移動」に警戒、 ヒトメタニューモ感染症とは?【Nスタ解説】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2025年1月9日 21時33分
-
〝中国発〟感染症の正体「ヒトメタニューモウイルス」インドなどアジア圏で拡大 春節間近、インフル猛威「タミフル」供給停止も
zakzak by夕刊フジ / 2025年1月9日 11時27分
-
中国で感染拡大“ヒトメタニューモウイルス”とは?「日本でも感染は毎年確認」症状や対策を専門家に聞く【ひるおび】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2025年1月8日 15時29分
-
【猛威振るうインフル】子どもが注意すべき「インフルエンザ脳症」って?「A型」はまもなく流行ピーク、今後は「B型」か...違いを医師に聞いた
MBSニュース / 2025年1月8日 12時0分
-
中国で大流行「呼吸器感染症・ヒトメタニューモウイルス」春節大移動・危険
Global News Asia / 2025年1月8日 6時30分
ランキング
-
1中国の戦狼外交は「大失敗」「孤立していった」 駐日米大使、各国との連携網構築を強調
産経ニュース / 2025年1月9日 18時8分
-
2ロサンゼルス山火事、急な避難指示で車を乗り捨て脱出する住民も…雨季なのに「異常な乾燥」8か月
読売新聞 / 2025年1月9日 17時9分
-
3邦人被告、核物質密輸の罪認める=「ヤクザ」幹部、ミャンマー武装勢力と共謀―米裁判
時事通信 / 2025年1月9日 14時28分
-
4チベット地震 被災者は6万人超える AIを使った「偽物救出映像」に批判も
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2025年1月9日 19時22分
-
5バイデン氏、米大統領史上初の曾祖父に 山火事の会見で「いい知らせ」発表に批判も
産経ニュース / 2025年1月9日 17時37分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください