“避難イルカ”5頭が「のとじま水族館」に10か月ぶり帰還 横浜から600キロ…大移送の舞台裏【バンキシャ!】
日テレNEWS NNN / 2025年1月13日 9時47分
能登半島地震から1年。大きな被害を受けた石川県の「のとじま水族館」に今、別の水族館などに避難していた生きものたちが続々と帰ってきています。水族館までの600キロ近い道のりをどのように移送したのでしょうか、「バンキシャ!」が密着しました。
◇◇◇
――去年8月
東京・墨田区にある「すみだ水族館」で館内を散歩するペンギンたち。実は、この7羽のペンギンは能登半島地震で被害にあった水族館から避難してきた。
去年1月1日、震度6強の大きな揺れが襲った石川県の「のとじま水族館」。水槽の設備が破損しペンギンやイルカ、カワウソたちは全国9か所の水族館などに避難を余儀なくされた。中でも、のとじま水族館を盛り上げてきたイルカ。そのうちの5頭が戻ってくることになった。「バンキシャ!」はその舞台裏、大がかりな移送の現場に密着した。
――去年11月
イルカのいないプールを見つめていたのは、イルカ担当6年目の飼育員・釘宮ひなたさん(26)だ。
イルカ担当・釘宮さん
「人間が通ると(イルカたちが)音を出して『こっちむけ〜』ってアピールしてくる。その音とかも懐かしく感じて寂しいです」
釘宮さんが、避難しているイルカ「ニコちゃん」との写真を見せてくれた。
釘宮さん
「初めて担当になったのがニコちゃん。トレーナーとして育ててくれた。共にいままで過ごしてきた相棒って感じの存在です」
ニコちゃんたち5頭は、横浜の水族館に避難し9か月以上会えていない。2週間後、その釘宮さんが笑顔でかけよってきた。
釘宮さん
「イルカの戻る日が決まって」
去年12月5日にのとじま水族館に戻ってくることが決まった。2週間後には会える…。その日に向け準備が始まった。倉庫から運び出したのは、イルカ専用の担架だ。
釘宮さん
「イルカの皮膚を守るためにこういう素材になっています。水分を吸ってイルカが乾燥しないようになっています」
飼育員の役割も決める。釘宮さんは移送の最後、イルカをプールに戻したあと、体調に異変がないかを確認する重要な役割だ。
釘宮さん
「水中におろしたときに硬直するってことですか?」
釘宮さんは、長い移送でからだが硬直し、水に入ったときに呼吸が乱れることもあると聞かされた。昼の休憩中もノートを開き、イルカの呼吸の仕方を復習していた。
釘宮さん
「鼻は頭の上にあるんですけど、それが開いたままになっているとそこから水が入って死んでしまうこともあります」
わずかな異変も見逃すことはできず、入念な準備が続いた。 そして迎えた移送当日、5頭を運び出す作業が始まった。ニコちゃんたちは1頭ずつ木の箱でトラックへ。皮膚が乾燥すると体温調節ができなくなるため、ジョウロやひしゃくで水をかけ続ける。
午前8時すぎ、のとじま水族館に向け出発した。横浜からの距離は、およそ580キロ、9時間ほどかかるイルカの移送。その道中では、こまめに体調をチェック。イルカはストレスで体調が急変することもあるというが、体温も脈拍も問題なし。ニコちゃんも大丈夫そうだ。
その頃、水族館で到着を待つ釘宮さんは…
釘宮さん
「ドキドキします。ソワソワというか朝から落ち着かない感じです」
そして午後5時すぎ、トラックが到着した。大型のトラックが入れるのは駐車場までのため、プール手前までおよそ600メートルは軽トラックで運ぶ。イルカ1頭の重さは、およそ100キロ。イルカ専用担架にのせ軽トラックに移す。 振動で驚かさないようゆっくりと走行し、すぐ隣に飼育員が付き添う。
そして、プールがある建物。 最も慎重さが求められる場所だ。 6人がかりで担架を持ち階段をのぼる。揺れないように、でも急ぐ。プールまであと少し。 そのプールでは釘宮さんが待ち構えていた。
飼育員
「おろしてください」
釘宮さん
「後ろOKです。下げます」
プールにかえってきたニコちゃんに異変がないか、釘宮さんが目をこらす。
釘宮さん
「ニコちゃん、力強く動くんや。頑張って動け。 ひとりじゃないよ、あなたは」
普段通りに呼吸しているか、問題がないことを確認できた。10か月ぶりに戻ってきたイルカたち。待ちに待った再会に――。
釘宮さん
「みんな、おかえり! 元気でよかった!」
釘宮さん
「石川県は地震とか豪雨で被災している人が多いと思うけど、生きものたちの力を借りて、みなさんを笑顔にできたらいいなと思います」
(1月12日放送「真相報道バンキシャ!」より)
この記事の動画はこちらから再生できますこの記事に関連するニュース
-
ウクライナ「北朝鮮兵士2人を捕虜に」 新たな映像公開の意味は?【バンキシャ!】
日テレNEWS NNN / 2025年1月13日 9時47分
-
能登半島地震で避難…「イルカたちをまた能登に」移送の舞台裏に密着【バンキシャ!】
日テレNEWS NNN / 2025年1月12日 20時36分
-
のとじま水族館、イルカとアシカのショー復活へ 「復興の一歩に」
毎日新聞 / 2025年1月11日 18時32分
-
シロイルカの赤ちゃん2頭すくすく ママに甘える姿も 島根の水族館
毎日新聞 / 2025年1月11日 15時0分
-
ほっぺたムニムニ「ありがとう、リロ」国内のラッコ3頭のうち唯一のオスが天国へ ファンがお別れ マリンワールド海の中道
FBS福岡放送ニュース / 2025年1月6日 18時24分
ランキング
-
1逮捕の三菱UFJ元行員「借金返済に苦慮」 FXや競馬で多額の損失 金塊を盗み質入れか
産経ニュース / 2025年1月14日 23時11分
-
2ガソリン価格また値上がりへ 1月16日には再び補助金減額で185円程度に高騰か ドライバー困惑「出かけるのがちょっと…」
CBCテレビ / 2025年1月14日 18時23分
-
3北九州で中3殺傷の平原容疑者、目が合ったと感じて一方的に怒り募らせたか…近く鑑定留置
読売新聞 / 2025年1月14日 20時28分
-
4「富士山と五重塔を一望」でインバウンド殺到の公園、4月から駐車場有料化へ
読売新聞 / 2025年1月15日 7時4分
-
5地震から一夜、徐々に被害判明 道路の斜面崩落、交通に乱れ 宮崎
毎日新聞 / 2025年1月14日 18時26分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください