【解説】イスラエルとハマスが停戦合意 ナゼ今、このタイミングで?
日テレNEWS NNN / 2025年1月16日 17時26分
イスラエルとイスラム組織ハマスが、6週間停戦することで合意しました。今回の合意について、バイデン大統領もトランプ次期大統領も自分の成果だと強調しています。日本テレビ・小林国際部長に聞きます。
――なぜこのタイミングで停戦合意にいたったのでしょうか
まず1つの背景として、アメリカの大統領が5日後に交代するというタイミングがあげられます。
バイデン大統領は自分の任期中になんとしても停戦を実現し、自らのレガシー、成果としてアピールしたいという強い意欲を持っていました。
一方、20日に就任するトランプ次期大統領も、自分が就任するまでに人質が解放されなければ「大きな報いを受けることになる」とハマスに強い圧力をかけていて、自らが指名した中東担当の特使をイスラエルに派遣してネタニヤフ首相との会談にあたらせるなど、政権発足前から停戦に向けて意欲的な姿勢を示していました。
バイデン大統領とトランプ氏は、普段はお互いを強く批判し合っていますが、ガザ地区の早期停戦という点では考え方が一致していて、共同歩調を取った形です。
――大統領就任式を間近に控えたアメリカ側の働きかけが大きかったということですね
それに加えて、もう一つの要因が「ハマスの孤立」があげられます。
去年10月に、ハマスの最高幹部シンワル氏がイスラエル軍によって殺害されました。また、ハマスと共に戦っていたレバノンのシーア派組織ヒズボラも、最高指導者ナスララ師が殺害されたことなどを受けて、11月にイスラエルとの停戦に合意していました。さらに、12月にはイランからヒズボラへの物資の流れなどを支援していたシリアのアサド政権が崩壊しました。
ハマスは、長期にわたる戦闘で疲弊し弱体化していた上に、中東のパワーバランスにおいても孤立を深めていたことが今回の停戦合意につながったとみられています。
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