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“なぜ今?”イスラエルとハマスが停戦合意に至ったワケ

日テレNEWS NNN / 2025年1月16日 10時16分

日テレNEWS NNN

イスラエルとイスラム組織ハマスが15日、停戦と人質の解放に合意しました。1年3か月以上も戦闘を続けてきた両者が、なぜ今、合意に至ったのでしょうか?

パレスチナ自治区ガザ地区ではイスラエルの攻撃により、これまでに4万6000人を超える死者が出ています。ことの発端は、2023年10月7日にハマス側が仕掛けた奇襲攻撃です。およそ1200人のイスラエル人が殺害されました。イスラエルは即座に報復攻撃を開始。以来、ガザ地区ではおよそ9割の住民が家を追われ、飢餓状態に陥っています。

ガザ地区の人道危機が深刻になり、カタールやエジプト、アメリカなどが停戦交渉を仲介してきましたが、「ハマスのせん滅」を訴えるネタニヤフ首相と、イスラエル軍の完全撤退を求めるハマス側との間で折り合いがつかず、交渉は難航しました。

今回、合意に至った背景にあるのは“ハマスの孤立化”です。イスラエル軍は去年10月に、シンワル最高幹部をガザ地区で殺害。また、「抵抗の枢軸」としてハマスと共闘して戦っていたレバノンのシーア派組織ヒズボラは、最高指導者ナスララ師を殺害されるなどしたため、去年11月にイスラエルとの停戦に合意していました。さらに、イランからヒズボラへの物資の流れなどを支援していたシリアのアサド政権が崩壊。ハマスは長期間にわたる戦闘で弱体化した上、孤立を深めていました。

アメリカのトランプ次期大統領が20日の就任を前に合意の実現に乗り出し、イスラエルとハマス双方に圧力をかけたことも要因の1つです。

ただ、6週間の停戦合意がこのまま守られるか、楽観はできません。イスラエル軍がいつどのように撤退するのか、停戦がきちんと守られていることをどこが監視するのかなど、具体的なことは何も決まっていません。実際、両者は2023年11月に一度、戦闘休止に合意していますが、わずか7日間でふたたび戦闘が始まっています。イスラエル軍がこのままガザへの駐留を続けた場合、合意が破られる可能性もあります。昨年11月、NNNがハマスの幹部を単独インタビューした際も、「もしイスラエルによるガザ地区の占領が続くなら、抵抗を続ける。決して白旗を掲げることはない」と強い口調で語っていました。

仮に停戦が守られたとしても、ガザ地区の深刻な人道危機に歯止めをかけて復興を軌道にのせるまでには、まだまだ相当な時間がかかります。

停戦合意の一報が流れると、以前、取材したガザ住民から喜びの声が届き、SNSなどにも歓声を上げる映像などが次々に上がりました。EU=ヨーロッパ連合のフォンデアライエン欧州委員長は「地域に希望をもたらす」と歓迎し、英・仏・独などヨーロッパの首脳たちも軒並み歓迎の声を上げ、ガザ地区への人道支援や持続的な平和の実現を課題として掲げています。

戦闘で家族や住まいを失い、飢餓に苦しむガザ住民を一刻も早く救うために、まずは19日に発効する6週間の停戦が守られることが第一歩です。

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