“初めてづくし” 愛子さまのこの1年【皇室 a Moment】
日テレNEWS NNN / 2025年1月18日 11時41分
愛子さまは去年4月に日本赤十字社に就職し、仕事をしながら公務に臨まれる忙しい1年を過ごされました。成年皇族として初めてづくしとなったこの1年を、日本テレビ客員解説員の井上茂男さんと振り返ります。
――輝くティアラ、正装の愛子さまですね。
今年の元日、皇居で行われた「新年祝賀の儀」に臨まれた愛子さまです。ロングドレスに、叔母の黒田清子さんのティアラをつけ、勲章を着用された正装です。勲章は「宝冠大綬章」です。
愛子さまは、去年3月に大学を卒業して日本赤十字社に就職した“社会人1年生”ですが、成年皇族として行事に臨まれた時の存在感は圧倒的で、これからの活動がとても楽しみです。
――ドレス姿が本当に上品で、凛とされていて、私は同世代なんですけれども、見習わなければと自然と背筋が伸びてしまうような感じです。今日は、愛子さまのこの1年を振り返ります。
◾️成年皇族 として“初めてづくし”この1年
――井上さん、愛子さまにとって、この1年はどんな年だったのでしょうか?
この1年の大きな変化は、地方の公務に一人で臨まれるなど、成年皇族としての歩みが始まったことです。こちらをご覧ください。
去年1年の愛子さまの主な日程を一覧にまとめました。赤い部分が、愛子さまが「初めて」臨まれた公務や行事です。「講書始の儀」や宮中の昼食会、お一人の伊勢参拝、園遊会、初の単独公務と、主なものだけでもこれだけあります。
――赤い部分だけで見ても、かなり多いですよね。まさに初めて尽くしの1年だったんですね。
ここには挙げていませんが、歴代天皇の1000年忌などの「宮中祭祀」もあり、事前の説明も含めてとても熱心に取り組まれていると聞いています。
――お勤めもされながら並行しての公務ということで、本当に忙しい1年だったんですね。
ええ。10月には佐賀県を訪問されましたが、これが初めてのお一人での地方公務となりました。
愛子さま:「少し緊張しておりますが、2日間どうぞよろしくお願いいたします」
佐賀訪問は、「国体=国民体育大会」から名前が変わった「国民スポーツ大会」のためでしたが、陸上や柔道などの競技を観戦し地元の産業の様子などもご覧になりました。初々しさと、ひたむきな姿勢が話題になりました。
――「緊張しております」とおっしゃるのも素敵ですし、笑顔や自然体のお姿もまた目を見張るものがありますね。
はい、佐賀は“愛子さまフィーバー”に沸きましたが、佐賀だけでなく、去年は行く先々で大歓迎を受けられていた印象です。
――しっかりお一人での公務もこなされて、行く先々でいろんな方々に元気を与えたのではないかなと思うんですが、大学を卒業されてからまだ1年経っていないんですよね。
◾️「少しでも社会のお役にたてるように」という思い
そうです。学習院大学を卒業されたのは3月20日です。愛子さまは大学の構内で報道陣の取材に応じられました。
愛子さま:「最初の3年間はオンライン授業で、最後の1年間はこのキャンパスに通い、たくさんの新しい学びを得て、充実した4年間を過ごすことができました。素晴らしい先生方や友人たちと出会えたこともうれしく、またありがたく思っております」
愛子さまは文書でも所感を発表し、「社会人としての自覚と責任を持って、少しでも社会のお役に立てるよう、公務と仕事の両立に努めていきたいと思っております」などとつづられました。
◾️各地の大歓迎に“感謝の気持ち”
およそ1週間後、愛子さまは三重県の伊勢神宮と奈良県の神武天皇陵を一人で参拝されました。大学卒業の報告のためでした。
現地で取材して目を見張ったのは、沿道の人たちの歓迎に応えようとされる、愛子さまの一生懸命な姿勢です。伊勢内宮の参拝を終え、愛子さまの車は宇治橋をゆっくりと渡ってきて、進行方向右側に並んだ人たちの歓迎に応えられました。
私は、少し離れた場所の、反対側、左側の人波の中にいて、こちら側では様子がうかがえないだろうと半ば諦めていたのですが、歓迎の声が上がるとこちら側の窓がスーッと開き、愛子さまは奥からズリズリと身体をこちら側に移動させて、にこやかに手を振られました。映像はこの時私がスマホで撮ったものです。
とっさに人のいる側に移って手を振られるシーンに、多くの人に迎えられたことがとてもうれしかったんだろうなと思いました。迎えてくれた人たちへの感謝が伝わってくる素敵な表情でした。
また、この日の伊勢は朝から強い雨だったんですが、内宮に先立って訪ねた外宮に到着されると、雨が突然やんで、青空が広がったことも印象的でした。
――車内で移動までして手を振ってくださって、お人柄と言いますか、愛子さまの優しさをすごく感じますね。
奥からズリズリというところにも、「応えたい」という気持ちが表れているんだと思います。
――手を振っていただいた側もうれしい気持ちになりますね。
翌27日、三重県の明和町にある「斎宮歴史博物館」を視察された折には、地元の小学生たちとの交流もありました。
沿道の人たち:「おめでとうございます!」
沿道の小学生:「卒業したんやで大学!ニュース見た!」
「いつきのみや歴史体験館」では、ハマグリの貝殻を合わせて遊ぶ平安時代の「貝覆い」にも挑戦されました。
男性:「はい。そちらが対になる貝です」
愛子さま:「コツは何かありますか?」
男性:「真ん中にあるハマグリの細かい模様とか、それを反転させたらどうなるかとか発想して…」
◾️新社会人 日本赤十字社には毎日のように出勤
そして4月1日。日本赤十字社に就職し、新社会人としてのスタートを切られました。
愛子さま:「先ほど、社長より辞令をいただき、あたたかいお言葉をかけていただきまして、うれしく思うと同時に、社会人としての一歩を踏み出したのだと、身の引き締まる思いがいたしました。両親には『頑張って行ってらっしゃい』という励ましの言葉とともに送り出していただきました。これから、社会人としての日々が始まりますが、早く職場に馴染み、皆様のお役に立てますよう頑張って参りたいと思っております」
「皆様のお役に」という言葉に、「奉仕」への強い思いを感じます。こうして、去年4月から、皇室の行事や公務、そして日本赤十字社の「常勤嘱託職員」としての日々が始まりました。日本赤十字社では、ボランティアの育成や、広報誌の編集などを担当し、ほぼ毎日出勤されているそうです。
――新入社員というだけで覚えることがたくさんあって大変なのに、さらに公務と両立されて。ただこういったお言葉を述べられる姿が、決意を伴った、非常に晴れやかな表情なのかなと感じます。
◾️春の園遊会では15年ぶりの再会も
北大路欣也さん:「愛子さまご卒業、それから就職おめでとうございます」
天皇陛下:「ありがとうございます」
皇后さま:「仕事では周りの方、とてもいい方に囲まれて楽しく」
北大路さん:「出会いというのは一番大切ですからね」
愛子さまは、4月、「春の園遊会」に初めて出席し、俳優の北大路欣也さんとも会話をされました。
北大路さんとは、15年前にハリウッド版「忠犬ハチ公」の映画の試写会で会われたことがあります。北大路さんに当時のことを聞かれて「当然覚えています」とにこやかに応じられました。
この試写会は、当時7歳の愛子さまが劇場でご覧になった初めての映画でした。日本語版の主人公の声を演じたのが北大路欣也さんでした。北大路さんは皇后さまの隣で一緒に映画を観ました。上映中、私も取材席からご様子をうかがっておりましたが、愛子さまが身を乗り出され、スクリーンを見つめていたことを覚えています。
愛子さまは、この年、家族のように過ごしてきた愛犬「まり」との悲しい別れを経験されましたから、「当然」という言葉には、いろんな思い出が詰まっているんだろうと思いました。
――同時にいろんな思い出も思い出されたかもしれないですね。愛子さまは動物がお好きなんですか?
お誕生日の映像などでよく犬を連れて散策されるシーンがありますが、犬と猫を飼っていて、とても大事にされています。
◾️初公務ではユーモアを交え…
――そして初めてのお一人での公務もありましたね。
お一人で初めて公務に臨まれたのは5月です。国立公文書館で開かれていた平安時代の文学の特別展鑑賞でした。学習院大学文学部で日本の古典文学を学んだ愛子さまは、熱心に職員の説明を聞きながら見て回って、「夢を通して平安貴族の心の在り方に触れることが出来ました」と感想を述べられました。
案内した方にやり取りを取材しましたが、愛子さまのお人柄が伝わってきました。
国立公文書館・星瑞穂調査員:「お帰りになる際に、当館の館長の方からまたおいでくださいと申し上げましたところ、『はい、近くですので、シュッと来れます』とおっしゃって、『シュッ』とおっしゃったのが大変おかわいらしく、宮さまも笑顔でお応えいただきました」
天皇ご一家のお住まいの御所は国立公文書館の目と鼻の先にあるんですね。この「シュッ」というところで、愛子さまは手をさっと動かし、そこにいた人たちに笑みが広がったそうです。とてもユーモアを感じるシーンですよね。
――愛子さまはいつも自然体で親しみやすさを持たせてくださると言いますか、素敵ですよね。
なにか「ほんわか」として、そこに笑みがついてくるという印象ですよね。
◾️さまざまな活動をされた1年
また9月下旬には、能登半島地震のお見舞いで被災地を訪問される予定もありました。しかし、能登半島の大雨被害で取りやめとなりました。
11月には三笠宮妃の百合子さまがなくなり、愛子さまも本葬の「斂葬の儀」などに参列されました。愛子さまの喪服姿を見る初めての機会でした。
――本当にさまざまな活動をされてきたんですね。
そうですね。そして令和6年が明け、1日は「新年祝賀の儀」、2日には「新年一般参賀」に臨まれました。
元日の午前中は三権の長などから挨拶を受けられますが、午後は、駐日大使ら外交団からの挨拶もあります。いずれも立ち続ける儀式で、負担は小さくないと思います。
――皇室はお正月も忙しいですね。
◾️インスタで話題だった「タケノコ掘り」
――そして去年は、宮内庁のインスタグラムの写真も話題になりました。
はい。宮内庁は去年4月からインスタグラムを使った広報活動を始めました。69万回と「いいね」が多かったのが、5月に栃木県の御料牧場で静養した際に撮影された両陛下と愛子さまがタケノコ掘りをされる一連の写真でした。愛子さまがタケノコ掘りに挑戦したものの、うまく力が入らず苦戦されている様子もありました。
――こちらのお写真ですね。私もインスタグラムで拝見しましたが、皆さま非常に楽しんでいらっしゃる表情で。こちらは全身の力を使って…。
なかなか力が入らず、うまく「てこの原理」で掘り起こそうとされるんでしょうけれど、とても自然体で素顔がうかがえました。
――表情もいいですね。
◾️愛子さま 今年の活動は?
――そして今年は愛子さまはどのような活動をされそうでしょうか?
はい、今年は、4月に「大阪・関西万博」が開幕し、海外から多くの賓客が来日します。君主国からは元首や王族が来日するでしょうから、愛子さまが接遇に加わられることもあるかも知れません。
愛子さまは4歳の時にご両親とオランダで静養し、現在の国王一家と交流していますが、今度はオランダ王室の方々を日本に迎えて接遇される場面が見られるかもしれません。
また、今年はブラジルとの外交関係130年の節目にあたり、ブラジルのルーラ大統領の「国賓」としての来日が調整されています。その時は「宮中晩さん会」が開かれますので、愛子さまも国賓の歓迎行事に初めて参加されるということになります。
さらに、初の外国訪問の話も出てくるんじゃないかと思っています。
いずれにしても、日本赤十字社の仕事をしながら、成年皇族としての活動も増え、様々な行事で両陛下をお助けする姿が見られるだろう、と思っています。ますますお忙しい日々になるでしょうが、頼もしく、楽しみです。
――愛子さまが笑うと、ぱっと周りに花が咲くように一気に明るくなりますから、公務とお仕事とさらに忙しくなると思いますが、愛子さまらしく自然体で過ごされて欲しいですね。
【井上茂男(いのうえ・しげお)】
日本テレビ客員解説員。皇室ジャーナリスト。元読売新聞編集委員。1957年生まれ。読売新聞社で宮内庁担当として天皇皇后両陛下のご結婚を取材。警視庁キャップ、社会部デスクなどを経て、編集委員として雅子さまの病気や愛子さまの成長を取材した。著書に『皇室ダイアリー』(中央公論新社)、『番記者が見た新天皇の素顔』(中公新書ラクレ)
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