トランプ政権“復活”へ 祝賀ムードも…反対デモや留学生の“不安”【バンキシャ!】
日テレNEWS NNN / 2025年1月20日 9時33分
日本時間19日朝、アメリカのトランプ次期大統領が就任式を前にワシントン近郊に到着しました。就任を祝うレセプションでは花火が打ち上げられる演出も。「トランプ政権」復活に歓迎の声が上がる一方、街では大規模な反対デモが。バンキシャ!が留学生に話を聞くと、ある不安を抱えていました。(真相報道バンキシャ!)
◇
日本時間19日朝、アメリカ・バージニア州。
バンキシャ
「間もなく到着するということで、支持者が集まってきています」
首都ワシントンからほど近い、トランプ氏が所有するゴルフ場。大統領就任を祝うレセプションが行われるのを前に、支持者が詰めかけていた。
同じ頃、ワシントンに到着した政府専用機からトランプ氏が姿を見せた。2日後に就任式を迎え、「第47代大統領」となるトランプ氏。“アメリカ政治の中心地”へと、再び降り立った。
すぐに支持者が待つ会場へ。アメリカメディアによると、トランプ氏の家族や支持者、大口の献金者など、およそ500人が出席したというレセプション。会の終盤には、祝福の花火が、夜空を飾った。
トランプ次期大統領の支持者
「アメリカは素晴らしい国になるでしょう。秩序のある素晴らしい国に」
掲げる“アメリカ第一主義”。その旗の下、これまで数々の衝撃発言を繰り出してきたトランプ氏。
去年10月、「関税という言葉は、辞書の中で最も美しい言葉だ」
今月7日、「メキシコ湾という名前をアメリカ湾に変更する」
“アメリカの国益が最優先”。型破りな大統領が戻ってくる。揺れる人々をバンキシャが取材した。
◇
トランプ氏が到着する、およそ3時間前。レセプション会場の周辺には、すでに支持者が集まり始めていた。こちらはテキサス州から3時間かけて来たという家族。
──寒くないですか?
テキサス州から来た家族
「とても寒いです」
この時の気温は、およそ5度。温かいコーヒーを握りしめる。それでも会いたい。トランプ氏の魅力とは…。
テキサス州から来た家族
「彼は政府の中だけでなく、経済においても重要な人です。ゴルフコースやホテルを持っていて」
そしてついに…。
NNNバージニア・増田理紗
「トランプ次期大統領を乗せたとみられる車列がレセプションの会場に到着しました。支持者からは大きな歓声があがっています」
テキサスからのあの家族も…。
娘
「来た!」
父
「GOトランプ!」
目の前に車列が。
──どの車に乗ってるかわかった?
テキサス州から来た家族
「わかりませんでした」
「でも間違いなく待った価値はあった」
◇
だが、ワシントン中心部では“まったく異なる光景”が広がっていた。
バンキシャ
「トランプ次期大統領就任直前のワシントンですが、デモ隊が行進しています」
中には「トランプを牢屋(ろうや)に入れろ!」というプラカードを掲げる人も。
バンキシャ
「トランプを牢屋に入れろと叫んで歩いていきます」
トランプ氏の大統領就任に抗議する人々が、町を埋め尽くした。選挙中から数々の“過激発言”を繰り返してきたトランプ氏。
トランプ次期大統領
「血に飢えた犯罪者を刑務所に入れるか、私たちの国から追い出す。そうしなくちゃいけない」
「トランスジェンダーの狂気を終わらせる」
主張するのは、「不法移民の強制送還」や「トランスジェンダーの抑圧」。さらに、「人工妊娠中絶の規制強化」などへの懸念も広がっている。そのため…。
バンキシャ
「『移民はアメリカを偉大にする』といった、移民についてのプラカードを掲げている方がいます」
「女性の権利を訴えるプラカードが多く見受けられますね」
──なぜきょうデモに参加されているのですか?
デモ参加者
「移民の人を助けるためです」
「私の両親は移民で、彼らの声を届けたくて参加しました」
「両親が強制送還されるのを見たくありません。彼らはアメリカに働きにきたんです。子どもや孫により明るい未来を与えたかっただけなんです」
トランプ政権の“復活”を警戒する動きは、意外な場所にも広がっていた。
◇
ワシントン近郊のダレス国際空港。香港から到着したばかりだという留学生と出会った。ジョージ・ワシントン大学に通っているという。
香港からの留学生
「冬休みを(香港の)実家で過ごし、新学期に向け、戻ってきたところです」
家族水入らずの冬休み。だが帰省を前に、大学から留学生宛てに“あるメール”が送られてきたという。
「これです。スクロールすると…」
「ここに『1月20日よりも前に戻ってくるように』って」
冬休み中、アメリカを離れる留学生に向け、「1月20日の大統領就任式より前にアメリカに戻ることを勧める」と書かれていた。“異例の呼びかけ”、そのワケは…。
トランプ氏(2016年)
「イスラム教徒の入国を一時的に禁止にする!」
トランプ氏による“入国制限”だ。1期目では就任早々、イラクやシリアなどイスラム教徒が多い国からの入国を禁止する大統領令を発令。トランプ氏が返り咲けば、再びこうした政策を打ち出し、一部の国からアメリカへ入るのが難しくなるのではと、不安が広がっているという。
メリーランド州の大学に通う中国人留学生にも、冬休みの前、学校からメールが届いていた。
中国からの留学生
「冬休みは元々短かったし」
「大学から『1月19日までにアメリカに戻れ』と言われたので、帰省は諦めました」
帰省したらどうしても食べたかったものがあるという。「中国北西部の料理です。私は北西部の出身ではないですが、この料理が大好きなんです」と話した。
トランプ氏が強硬な姿勢をとり続けている中国。
──(入国制限が課されて)中国との行き来がしにくくなってしまう可能性をどう考えますか?
中国人留学生
「そうなれば、家族と一緒においしいものが食べられなくなる。とても残念です」
「外国人留学生の状況を厳しいものにしないでほしい」
トランプ氏は今後、「アメリカの4年」をどう導くのか。就任式は日本時間21日未明に行われる。
(1月19日放送『真相報道バンキシャ!』より)
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