1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

トランプ大統領就任で、多様性目標…相次ぎ撤回? 【#きっかけ解説】

日テレNEWS NNN / 2025年1月23日 19時28分

日テレNEWS NNN

ニュースのその先を考える記者解説です。23日のテーマは「トランプ大統領就任で、多様性目標、相次ぎ撤回?」経済部の安藤解説委員の解説です。

日テレNEWS NNN

■アメリカが進めてきた「多様性の推進」と逆行する動き

トランプ大統領就任演説

「本日より、米国政府の公式方針として、性別は男性と女性の2つのみとします」

就任するやいなや矢継ぎ早に大統領令を出したトランプ氏ですが、アメリカではこれまでパスポートや身分証明書などで男性と女性以外にも「X」を選べるようになっていたのですが、これを「無し」としました。

アメリカが進めてきた「多様性の推進」と逆行する動きです。

日テレNEWS NNN

「多様性目標」は人種や国籍、性別、年齢、障害の有無、宗教・文化などの違いにかかわらず、多様な人たちが生きやすい社会をつくろうというものです。

その実現のために、たとえばアメリカの企業では、従業員が白人ばかりに偏らないように、「白人以外の人」の採用を増やすとか、役員に占める「女性」の割合を高めるなど数値目標をつくっています。

ところが、こちらにありますように、このところ、ボーイング、ウォルマート、米国の日産、マクドナルド米国本社など、多くの有名企業で多様性の数値目標を撤回したり、多様な人種や性を支持するイベントへの協賛をやめたり、という動きが相次いでいるんです。

ーーアメリカは日本よりだいぶそういう理解が進んでいるイメージがありましたが、相次いで撤回、とは、どうしてなんでしょうか?

もう就任前からトランプ氏になったら多様性の取り組みは攻撃されると認識されていて、多様性目標を取り下げる、といった動きがでていました。

日テレNEWS NNN

■多様性目標の撤退・縮小の動き

こうした背景もあってあるグローバル企業の幹部によれば、「目立つとターゲットにされるので、アメリカ企業は先回りして目標を引っ込めている」というんです。でも、本当に目標を撤回するのか?と言われれば、「大統領の任期は所詮4年。4年間を乗り切ろう!」と。表向きはトランプ氏の意向におもねているように見せて、実際は「全部やめるわけではない」ということです。

ーーなるほど。ただアメリカの動きを見て日本企業でも「撤退」の動きが出て来るんでしょうか?

日本では多様性の取り組みというとまずは、「女性の活躍」を進めなければというところですが、どうなるんでしょうか?経団連で多様性=ダイバーシティ推進委員長を務める次原さんに聞きました。

日テレNEWS NNN

「日本はジェンダーギャップ指数が146カ国中118位アメリカは43位「日本人」で「シニア」で「男性」たちだけで経営というのは限界がある。様々なリスクに耐えうる強靭な企業をつくっていくためには、多様性は必要不可欠」

同質性が高い組織では反対意見も出ないし、リスクに気づけないということなんですね。

実際、マクドナルド米国本社は数値目標を取り下げましたが、日本マクドナルドは2030年度末までに女性の管理職比率を40%にする、などの目標は変えません。

日産も同様に、2030年までに従業員の3割を女性にする目標を取り下げたりしていないということです。

ーーなるほど。やはり企業にとって重要なんですね。

はい。企業経営に詳しい一橋大学の円谷昭一教授は「企業は少子化で急激に新卒が採用できなくなってきている」「当然、女子学生の主張も取り入れて、多様性推進を重視していかないと、若手採用という点で会社存続の危機を迎える」と警鐘をならしてます。

■多様性の実現は義務ではない。成果の共有が必要

日テレNEWS NNN

ーー安藤さんが一番言いたいことはなんですか?

「多様性の実現は義務ではない。成果の共有が必要」ということです。

こちらは経団連など経済三団体の新年会の光景ですが、決してこの方々が悪いわけではないのですが、女性の活用をがんばって進めているはずなのにまだまだであることが一目瞭然です。

多様性実現のためには、それが企業や国にどんなメリットをもたらしているか、具体的な成果の共有を進めていくことが必要だと思います。

この記事の動画はこちらから再生できます

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください