堺正章 78歳、父から受け継いだ『最高の二番手』 かくし芸の裏話…芸歴約70年を振り返る
日テレNEWS NNN / 2025年1月23日 22時2分
歌手・俳優・司会者などさまざま分野で活躍する堺正章さん(78)にインタビュー。約70年に及ぶ芸能生活を振り返り、幅広い世代を魅了した“かくし芸”の裏話を明かしました。
堺さんは子役を経て、16歳のときにグループサウンズの礎を築いたザ・スパイダースに加入。1971年にグループが解散するとソロとして活動し、『さらば恋人』で日本レコード大賞大衆賞を受賞しました。俳優としては、ドラマ『時間ですよ』『西遊記』をはじめ、大河ドラマなど多くの作品に出演。司会者としてもバラエティー番組でのMCや紅白歌合戦で3年連続で司会を務めるなどマルチに活躍しています。
■父から受け継いだ生き方“最高の二番手”
そんな堺さんが約70年に及ぶ芸能生活で初めてエッセー『最高の二番手 僕がずっと大切にしてきたこと』を発売しました。およそ4年かけて制作されたエッセーには、これまでの活動での葛藤や苦労したことをはじめ、先輩である植木等さん、内田裕也さん、ムッシュかまやつさんらとの貴重なエピソードなどもつづられています。
――なぜ、ご自身についてつづったエッセーを出そうと思ったのでしょうか?
どうしてこんな長く一つの世界でやってこられたかということを初めて過去を自分が振り返って立ち止まっていろんなことを考えてみました。自分が「こちらだな」って思ったらそれは失敗でもいい。でも決断していこうよって自分の決断でやって行こうよというのが僕の今までの信条だったんで、今まで失敗もたくさんありましたけど、自分の生きざまというのをこれからこの道に進む方や社会に出る方とかのちょっとしたスパイスとして「これ入れるとすごく味がしまっていいよね」というようなことになってくれたらいいなという思いを込めて、非常にリアルなドキュメントに近いものだと思うんですけど、一冊の本にまとめることができました。
――タイトルを“最高の二番手”にしようと思った理由は?
常に思っている言葉が「最高の二番手っていいよね」っていう生き方です。これはコメディアンとして活躍した父・堺駿二の芸風を見ていて、あまり自分で出て行かずに人にやらせるんです。絶対に一番手に行こうとしない父親の一つの哲学というんですか、父親を最初は「もっと出てたらいいのに」と歯がゆさを感じたんですけど、見ているうちになかなかスマートで出ていかない魅力に気づきました。自分の中で二番手でいることは、向上心も挑戦的な気持ちが生まれてくるんです。最終的に最高の一番手になれたらいいよねって父親を見てこの言葉は浮かんできた言葉だと思います。
■幅広い世代を魅了した“かくし芸”の裏話
エッセーにはほかにも、歌手・俳優・司会者などさまざまな分野で活躍する中、1976年から“かくし芸”を披露する番組に出演したエピソードについてもつづられています。堺さんは、テーブルクロス引きやトランプを飛ばしてろうそくの火を消すなど30年以上披露し、幅広い世代を魅了しました。そんな“かくし芸”でもさまざまな苦労があったといいます。
――かくし芸を披露した前後で変化したことはありましたか?
自分が常にやる芸じゃないものを披露して、インパクトとショックを皆さんに「すごいね」って思っていただく瞬間があった時に自分の少しだけどグレード上がるというんですか。「こんなこともこの人はやるんだ」という認められ方があるので非常に変化がありました。ある方から手紙が来てそれには一句書いてあって「本芸も ないのに なぜか かくし芸」という言葉をいただいたんですよ。これにはドキッとして確かに本芸を磨いていく、話術や歌を磨いていかないとこれがかくし芸にならない。これが本芸になってはいけないんだという励ましと何か戒めですかね。そういうものをいただいた時にちょっとドキッとしました。歌や話術とかそういうものを磨いていくことに切磋琢磨(せっさたくま)したというのを覚えてます。
■マルチに活躍 “歌”で常に第一線
――歌手・俳優・司会者などさまざまな分野で活躍していますが、ご自身が考える肩書は?
歌手っていう肩書がずっと自分を囲んでくれたらうれしいことないです。スタートがやっぱり歌でしたからね。司会として歌手を紹介する「どうぞ」とか言って、あれは悔しかったです。「何で俺が紹介してんだよ。紹介される側だろ俺」というような気持ちもありました。いつの日かまたそんな歌で頑張ってみたいです。
――ご自身の初めてのエッセーに星をつけるといくつですか?
星はかなりつくと思います。星3つです!
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