フジテレビ問題 “リスクマネジメント”の専門家はどう見る？ 閉鎖的な会見、コンプライアンス、誠実さ…今後求められること

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中居正広さんの女性トラブルを巡り、フジ・メディアHDは第三者委員会の設置などを発表しました。フジテレビ側の一連の対応にどんな問題があり、今後どうしていくべきなのか。企業のリスクマネジメントに詳しい桜美林大学の西山守准教授に聞きました。

■3点を調査へ…フジテレビの対応

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藤井貴彦キャスター

「23日に新たにわかった、フジテレビの対応についてポイントを整理します」

小栗泉・日本テレビ解説委員長

「23日に発表されたのは主に2点で、第三者委員会の設置と、改めて記者会見を開くということです。まず第三者委員会ですが、日弁連のガイドラインに基づき、フジテレビと利害関係のない3人の弁護士らによるものとなります」

「調査の内容としては、中居さんと女性とのトラブルにフジテレビ側が関わっていたのかどうか、このトラブルを認識してからのフジテレビの対応がどうだったか、今回のトラブルと類似する事案がなかったかどうかなど、3点を挙げています」

「また第三者委員会とは別に、社内にハラスメント防止に向けた改革委員会を設置する意向であることも明らかになっています」

「そして記者会見について、27日に改めて今度はオープンな形で行うと発表しました」

「前回の港社長の会見では限られたメディアしか出席を認めず、テレビカメラでの撮影も禁止していたことに株主などから批判が集まり、『信頼の回復が急務』（フジ・メディアHDの金光社長）だとして、改めて行うことにしたということです」

■「第三者委員会」設置への評価は？

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藤井キャスター

「企業のリスクマネジメントに詳しい、桜美林大学の西山守准教授にうかがいます。まず第三者委員会の設置についてどのように評価していますか？」

西山准教授

「非常に前向きに評価したいと思います。もともと最初の記者会見で第三者委員会の設置（について言及）をすればよかったという気持ちはありますが、真相を解明して責任を取っていく、これをやる上で第三者委員会は必要不可欠です」

「そういった意味では一歩を踏み出せたとは言えますが、あくまでも一歩を踏み出したに過ぎないとも言えます」

藤井キャスター

「第三者委員会による（3点の）調査内容についてはどうでしょうか？」

西山准教授

「この3点に関しては私はかねて必要であると言っていましたが、しっかり網羅はされているとは思います」

「当事者同士でどういったことが起こっていたかが1つですし、1年半前の早い段階で（フジテレビの）経営者に話が入っていて、その対応が正しかったのか間違っていたのか、経営者レベルでの判断（について）」

「さらに企業風土として他にこういったことが行われていて、フジテレビという会社の中でこういったことが常態化していたかどうか。これらを包括的に調査すべきだと思いますが、要素としてはしっかり入っているなと思いました」

■ハラスメント対応、フジは遅かった？

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藤井キャスター

「フジテレビの報道によると、ハラスメント防止委員会などが設置される意向だということです。今回の事案の解決に直結するものではないと思いますが、これまで設置されていなかったのかという点も疑問に思います」

西山准教授

「その通りだと思います。非常にコンプライアンス（法令遵守）が厳しくなってくる中で、ハラスメントはここ近年大きな問題になっています。大手の各社はこういったことには対応していますが、フジテレビは遅かったのではないかというのは正直あります」

「ただ、遅れた中でも先手を打ったという言い方が正しいのかわかりませんが、後手に回ってしまった分を挽回しようと思ってこういったとをやっている点においては評価したいと思います」

■前回の会見の「問題点」どこに？

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藤井キャスター

「27日に記者会見を行うということですが、前回の会見の問題点はどの辺りにあると思いますか？」

西山准教授

「多くのメディアから批判されているように、1つは形式です。呼ぶメディアも限定されていて、映像も流れないといった状況でした」

「今回そこがオープンにされるという点は評価したいですが、逆に言えば非常に批判的なメディアも入って厳しい質問をするし、映像も流される。失言や、そういった態度があればそれも映像として流れてしまうといった懸念はあると思います」

「もう1つは説明不足です。調査も行われていない中で、プライバシーへの配慮やわからないことや言えないこともあると思います」

「そうは言いつつも、どうしてわからないのか、わからないことは今後解明していくのか、どういう形で対応を行っていくのかという説明はなかったと思います」

「3つ目は誠実さですね。誠意を持って説明することができていかなったかなと思います。もちろん、第三者委員会を設立せずに独自調査をやるというのは保身というか、隠ぺいのように取られてしまって、誠実さに欠けると見えてしまったのだろうなと思います」

■27日の会見に求められることは？

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藤井キャスター

「その点も含め、27日の会見にはどんなことが求められると考えますか？」

西山准教授

「3つの失敗の部分をしっかりリカバーすることですね。オープンにしたのはいいですが、しっかりやる必要がある、中身のある説明をしっかり作る必要がある」

「それに誠実さを持って今の段階ではわからないこと、言えないことがあっても真摯に今後取り組んでいきます、今後明らかにしていきますとしっかり説明するということですね。ステークホルダーへの説明責任を果たしていくことが重要であると思います」

藤井キャスター

「取材する記者、ステークホルダー、そして視聴者の目にさらされる会見に今回なると思います。私たちはどの点に注目すればいいでしょうか？」

西山准教授

「時間がない中で準備していかなければならない、非常に厳しい状況にあると思います。そうした中でも、例えば社長のプライバシーに関わるようなこと、被害者のプライバシーに関わることへの質問が来るかもしれません」

「答えられないことは答えない、答えられることは答える、プライバシーに配慮することは配慮しつつ、そういった疑問に答えていく真摯な態度ですね。一方でかなり意地悪な質問も来ると思いますが、そこにも誠実に答えていくということでしょうね」

■経営陣の進退、具体的に示されず

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藤井キャスター

「経営陣の進退について、臨時取締役会で港社長の責任を問う声も上がったということですが、今後の責任の取り方、どう取るべきなのかについては具体的には示されませんでした。この点についてはどう思われますか？」

西山准教授

「通常で言うと、事実関係が明らかになっていない現段階で辞任するのは不適切というかその必要はないということになります。調査が行われるのであれば調査の結果が出て責任があるなしという判断が行われて初めて、責任があれば引責辞任ということになります」

「現状混乱が生じているという実態があり、経営が傾くような事態も起きつつあるという中で、進退もどうするかということは今決めなくても、考えつつあるということは必要なのかもしれません」

「経営者が代わったというのは会社が変わったというシグナルにもなります。それをどの段階でやるのか、あるいは片付くのであればやらないという選択肢もありますが、それは常に念頭に置く必要はあると思います」

■小島よしおさん「誠実さが大事」

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小島よしおさん（お笑いタレント・『news zero』木曜パートナー）

「今までの個人や企業の会見を見ていると、西山准教授がおっしゃった誠実さが大事だなと思います。トラブルの被害者の方もおられるので、記者の方々の質問もモラルや配慮があれば会見自体の質が上がる、キュッと締まるような気がします」

「批判はいいと思いますが、誹謗（ひぼう）中傷は絶対にダメだと思います。私も肝に銘じています」

（1月23日『news zero』より）

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