警視庁第100代警視総監 迫田裕治氏「オウム事件風化させてはいけない」
日テレNEWS NNN / 2025年1月30日 17時14分
警視庁の第100代警視総監に就任した迫田裕治氏日本テレビのインタビューに対し、今年で発生から30年となる地下鉄サリン事件に触れ「オウム事件を風化させてはならない」と話しました。
迫田裕治警視総監は現在56歳。大阪府河内長野市出身で、1991年に警察庁に入庁し長崎県警本部長や警視庁公安部長、警察庁警備局長などを歴任。就任直後の29日にインタビュー取材に応じました。以下は記者との一問一答。
Q:これまでのキャリアの中で、一番印象に残っているような事件、事故について教えてください。
迫田裕治警視総監
私の場合公安や外事が長いですがスタートは1994年の愛媛県警公安課長。在任中に地下鉄サリン事件が発生しました。公安の仕事は通常は右翼や極左、外事であれば北朝鮮への対応など幅広くありますが、縦割りで行っていました。ただ、地下鉄サリン事件を境に、ガラッと組織構成、リソースの配分の仕方も変わって、「オウム」一色となりました。公安としては(オウム真理教は)今まで対応してなかった組織でしたので、一からどういう仕事の仕方がいいのだろうと、元々は仕事のやり方がそれぞれ違う様々な係の人と、どういう仕事の仕方がいいのだろうと話し合っていました。
当時は今と違って、オウム真理教の関係先も非常に多く、愛媛県内にも関係者はいましたし、地下鉄サリン事件の実行行為者が、しばらく日本各地に潜伏しているという話もありましたので、追跡作業に関わっていました。実態解明も必要になり、情報収集、分析、事件捜査としても、愛媛県警で行いました。そうしたことを新しい組織体制で試行錯誤しながらやってきました。なかなかあれだけ治安を揺るがす事象はないと思いますが、そうしたことが起きた時に一から仕事のスタイルを確立していくというのはタイミングもありましたが、なかなかできない経験ができたのかなと思っています。
後の私の公安部門における仕事を進めていくうえでも、既存のやり方にとらわれることなく、柔軟に色々なことを組み合わせてやっていくべきなのかなという発想になったと思います。
Q:2025年にかけて、犯罪の様態も変わり、部門の垣根を越えて捜査する重要性を緒方前総監も説いていました。迫田総監も部門を越えることの重要性を先日の会見で、触れていましたがそうした経験が礎となっているのですか?
迫田裕治警視総監
そうだと思います。どうしても仕事をやっていると良くも悪くもルーティーン化してしまうところがありますので、そこはあまり硬直的にならないようにしなくてはいけないと思います。結果としてルーティーン化してやらないといけない仕事もあるかと思いますが、今までのやり方が正しいとは限りませんので、そこは新しい目で見て疑問を持ちながら仕事をやっていければいいなと思っています。そういう意味でも(オウム真理教の事件は)大きな教訓となる事件だったかなと思います。
Q:警視庁の総監として職員・捜査員に心がけてほしいことはありますか
迫田裕治警視総監
分野にもよりますが、既成観念にとらわれずに柔軟な発想で、仕事に取り組んでいきたいと自分自身も思いますし、そのように説いていきたいと思います。一方で、警察組織ですので法にのっとってしっかりやっていくというのが大原則ですから、基本に忠実に固い仕事をやっていくというのはあわせて、説いていきたいと思います。
Q:これまでのキャリアで大事にしてきたことを教えてください。
迫田裕治警視総監
やはり基本に忠実に求められていることを実現するためにどうアプローチしていくべきかということを虚心坦懐(たんかい)に考えていくのかなと思っています。治安のためだったり公共の利益のためだったりすると思いますが、それでも2つの公共の利益がバッティングすることもありますので、そうした場合にはそれぞれのプラスとマイナスを考えた上で、判断をしていくわけですが、なかなかそれは1人ではいろんな要素を洗い出せませんので、仲間・組織の力を結集して、しっかり議論をする中で、おのずと答えは出てくるので、最適な解を見つけたいと思います。何よりも、そうした検討ができる状況というのを、常に維持していきたいと思っています。
Q:地下鉄サリンも発生から30年。迫田総監自身として、30年という時間を含めて、考えがあれば聞かせてください。
迫田裕治警視総監
30年たちましたが依然として存在していますし、あれだけの日本の治安の根幹を揺るがすような事件を起こした団体ですので油断することなく、注意して対応していくべきだと思っています。これまでも、情報収集・分析というのは力を入れてやってきていますし、違法行為が行われた場合は事件として処理するということを、やってきています。今後もそれはやっていくべき。オウムがかつてのような大量殺人事件などを起こすことがないように監視するための行政的な権限が公安調査庁には与えられています。そこに警察も協力しながら対応していくことになっていますので、密に連携をとりながら団体規制法も活用しながら引き続き注意を払っていくべきだと考えています。なによりも、風化させてはいけない大きな事件を起こしたグループですのでしっかり見ていきたいです。
Q:風化という点ですが、報道記者も当時を知らない記者が増えてきています。警視庁も同様かと思いますが、どのように風化をさせないようにしていきますか
迫田裕治警視総監
繰り返し繰り返し教育をするというところに尽きると思います。例えば極左でも、一番活動が活発だったのは、1970年代、80年代だったと思います。風化のリスクにさらされながらも、数年前にも渋谷暴動の容疑者が検挙されたりしたことがあります。警視庁公安部の中では、しっかりと事案が継承されていたことで、ああいった結果になったと思っています。極左の捜査においてどういうことをやってきたかということも、参考にしながらオウムの風化防止対策にもより効果的な形ができるような方策ができればなと思います。
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