強まる「選択的夫婦別姓」求める声
日テレNEWS NNN / 2025年2月5日 19時32分
■法制化にむけた動き
「選択的夫婦別姓」の法制化を求める動きが加速しています。
今月、東京の3つの弁護士会は、東京23区すべての議会での選択的夫婦別姓制度の法制化に向けた議論の活性化を求める意見書の可決を訴え、会見を行いました。現在、東京23区では港区や千代田区など8区が可決していないということで、可決を目指す陳情や請願を提出したということです。
出席した弁護士らは、「姓を変えたくないという理由で事実婚を選んでいる人は少なくない」と訴えたほか、意見書に関しては、まだ可決していない区でも「選択的夫婦別姓に積極的に賛成する区議が多い」とする一方、特定会派の反対が根強く可決に至っていないケースがあると明かしました。
その上で、「弁護士として現場の声を吸い上げて、まずは地方の政策に反映していただく。現場で草の根として活動していくことは(選択的夫婦別姓の法制化に)非常に重要」と述べました。
■日本だけ…夫婦同姓は義務
現在日本では、民法で、結婚した場合夫か妻どちらかの姓に統一すること、つまり夫婦同姓が義務づけられています。法務省の調査では、こうした制度があるのは世界で日本だけだと言うことです。
去年、国連の女性差別撤廃委員会は改正をもとめる勧告をだしました。日本が同様の勧告を受けるのは今回で4回目です。
こうしたこともあり、日本では改正に賛成意見が増えている一方、「夫婦の姓が異なると家族の結束が壊れる」「親と姓が違うこどもが気の毒だ」といった反対意見も根強くあるのが現状で、政府与党内でも、協議が続いています。
■「今が勝負をかけるとき」当事者の思い
東京都内で夫と子どもと暮らす上田めぐみさん。自身もパートナーも「自分の姓のままでいたい」と考え、婚姻届を出さずに“事実婚”カップルとして生活しています。
これまで、仕事でパスポートを使うことも多く、事実婚で姓を変えていないことが便利な半面、法律婚でないことで住宅購入の際にペアローンを組めない金融機関があるなど、不便を感じることがあったといいます。
こうした思いから、上田さんは現在、夫婦別姓を認めない民法や戸籍法の規定は違憲だとする訴訟の原告として、「選択的夫婦別姓」の法制化を訴え続けています。
去年の自民党総裁選や衆議院議員選挙では、選択的夫婦別姓に関する各候補者のスタンスが注目されました。
「これまで争点になることがほとんどなかった話。世の中が選択的夫婦別姓の法制化に向けた議論で盛り上がっているのを感じました。反対派の議員が前より少なくなり、賛成派の議員の当選も増えていて、あらゆる人が求めている制度なんだと感じました」
一方で、まだ世間の理解が追いついていない部分もあると言います。
「まだ他人事だ、と思っている人も多いと感じる部分もあります。特に男性は結婚で自分が改姓する可能性が今の法律では50パーセントあるにもかかわらず、当事者意識が薄いです。また、高齢の方はすでに廃止された”家制度”にとらわれている人も多い」
その上で、議論がすすんでいることについて上田さんは“これからが重要だ”と話します。
「メディアで大きく取り上げられるようになり、ようやく第一歩踏み出せたな、という感じがします。今が勝負をかける時だと思っています。当事者が求める制度になることが大事。旧姓の通称使用を法制化でお茶を濁そうとする動きがあるが、旧姓の通称問題には限界があり、なんの解決にもならない。そもそも私たちは自分の姓を“旧姓”などにしたくないし、旧姓なんて呼ばれたくもないです。様々な意見があるからこそ”選択できる”制度を求めている。国会議員はしっかり当事者の声を聞き、法改正につなげてほしいです」
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