お笑い芸人・バービーと語る多様性映画 男女の賃金格差/トランスジェンダー差別/黒人差別…闘う主人公に注目の映画4選
日テレNEWS NNN / 2025年2月7日 18時30分
フェミニズム映画に関心があるというお笑い芸人のバービーさんを招き、日本テレビ映画プロデューサーの谷生俊美さんがおすすめの映画をプレゼンしました。ジェンダーや人種など、多様性がテーマの映画を4つ紹介します。
■英国サッチャー政権下…炭鉱労働者がゲイとレズビアンの支援団体と協力して「プライドパレード」開催へとつながる実話
報道局ジェンダー班 白川大介プロデューサー:早速1つ目をお願いします。どんな映画ですか?
日本テレビ 映画プロデューサー 谷生俊美さん:
『パレードへようこそ』という映画です。今、LGBTQのパレードって日本でもやっていますよね。「プライドパレード」なんて言うこともありますが、それがどうやって始まったのかを描くのがこの『パレードへようこそ』なんです。
サッチャー政権下の、1980年代のイギリスが舞台です。当時、炭鉱がどんどん閉山されて、労働者たちが街にあぶれて政権や工場経営者に対して抗議をするという、非常に社会が緊迫していた時代なんですね。ある種“マッチョ”な炭鉱の労働者たちが、レズビアンとゲイの団体となぜか手を結んで「一緒に闘おうぜ」ということで運動を始めます。
バービーさん:イギリスって結構、寛容ではないんですか?
谷生:80年代なので、まだLGBTQという言葉もおそらくなく、レズビアンとゲイという言葉がなんとなく広がってきたぐらいです。一方で、HIVの流行が世界的に広がって、それによって差別が非常に強くなっていた、そんな時代です。
白川:東京でもプライドパレードが去年までは4月にあって、谷生さんと私は一緒に歩きましたし、今年からは6月になることも発表されているので、そういう時期に見てから歩くというのも良いかもしれません。
■トランスジェンダーでナイトクラブのシンガーである主人公がある日突然ボーイフレンドを亡くして…
谷生:続いては『ナチュラルウーマン』です。こちらトランスジェンダー女性が主人公の映画でして、なんとアメリカのアカデミー賞の最優秀外国語映画賞を受賞している素晴らしい作品です。
チリの映画で、ダニエラ・ヴェガという、自身がトランスジェンダーの歌手として活動されている人が、フィクションの映画の中でトランスジェンダー女性役を演じているんです。彼女は歌手なので、歌の説得力がとんでもなくあって、歌うシーンがものすごく感動的な形で出てくる映画なんです。
バービー:歌とか好き~
谷生:主人公はクラブで歌っている設定なんですね。彼女はパートナー男性がいて、幸せな、実質“結婚生活”を送っているんですが、突然そのパートナーが亡くなっちゃうんです。お葬式に行こうと思ったら、「化け物!」「出てけ!」「お前みたいなやつは認めない!」というあからさまな差別の嵐に遭うわけです。そんな中、彼女はどう力強く生きていくんでしょうか?という映画です。それを当事者自身が演じているからこその説得力が半端ないんです。
バービー:法整備がなかなか進んでいない日本人も見た方がいいですね。
谷生:なんといっても、ボコボコに主人公が殴られるんですよね。「それでも私は歩いて行く!」っていう映画です。
白川:谷生さんは主演のダニエラ・ヴェガさんとお会いしたんですよね?
谷生: 2018年、映画を日本公開した時にダニエラさんが日本に来まして、彼女に取材をさせていただきました。
白川:会った時の印象とかありますか?
谷生:やっぱりカリスマ性を感じました。
バービー:それだけのボコボコにされる脚本でも強さを表現できるってことは、多分演者さん自身の強さみたいなものもないと、見ている方も納得できないですよね。
谷生:監督がトランスジェンダーの話を書いて、誰なら演じられるかと思ってダニエラに相談していたそうです。でもふと気づいた。「ダニエラしかいないじゃないか」と。監督は、「このキャラクターはダニエラ自身を体現している」という言い方をしていました。本当に強く美しい主人公像を、ダニエラ・ヴェガしかいなかっただろうなという感じで描かれていました。
■人種隔離政策下のアメリカ…NASAを支えた知られざる黒人女性たちの実話に基づくストーリー
谷生:次は『ドリーム』です。1961年のNASAが舞台。61年といえば、女性差別、あるいは黒人差別があからさまだった時代です。実は、黒人で初めて科学者として宇宙開発の最先端のチームに入った女性の事実に基づく話になっています。
白川:“リケジョ”ってもう使わなくなりましたけど、サイエンスの分野でめちゃめちゃ賢い女性たちということですよね。
谷生:そんなところに女性が入るのがまず珍しい。黒人で入るのはもっともっと珍しい。そんな人たちの活躍を描いています。
バービー:その時点でもうぐっときます。そんな人がいたんだって思うと。NASAで闘っていくんですか?
谷生:本当にびっくりするんですけど、黒人と白人は働く建物が違うんです。なんとか同じ部屋で働けるようになったら、今度はコーヒーディスペンサーまで黒人と白人で分けられているという、そんな環境の中、実力で道を切り開いていきます。コンピューターがない時代に、打ち上げるロケットの軌道を計算しちゃうっていう、すごい天才科学者が活躍します。
バービー:そういう人がちょこっとずつね、大きい石をトントントントン打って割れていったわけですよね。
■『ラ・ラ・ランド』のエマ・ストーン主演 女と男の歴史的テニスマッチを描く感動のスポーツドラマ!
谷生:最後は、『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』です。
バービー:見ました。多分私が見たのは2020年ぐらいだったと思いますけど、「なにかフェミニズム映画いいのありますか?」ってきいたときに教えてもらったと思います。
谷生:1973年のアメリカが舞台で、男性優位主義者たちが社会を動かしていました。主人公のビリー・ジーン・キングというレジェンド女性テニスプレーヤーが、男性プレイヤーとの待遇の違いについて「男女の賞金に8倍差があるっておかしいでしょう?」「お客さん、同じ数呼んでますよね?」「チケット代8倍にするの?」と抗議するところから始まります。そして、男性から挑戦状を突きつけられてテニスの対決をするんですね。
そんなバトルの話もありながら、彼女自身がセクシャリティのあり方をいろいろ模索している段階でもあり、パートナーとどういう関係を結ぶかを考え、新しい道を歩き始めます。
最後にはビリー・ジーン・キングという女性が自分らしく生きる道筋を見つけながら、女性テニスの世界を完全に変えるような結果に辿り着きます。
白川:バービーさん、印象に残っているシーンはありますか?
バービー:めちゃくちゃありますよ。賞金の話でも、「なんで賞金がこんなに違うんだ?」って言ったら、「いや~男は稼がなきゃいけないから~」とか言われて、「でもうちは私が稼いでるわよ!」と、言い合いがあったりとか。
谷生:そうそう。
バービー:テニス好きなんで、テニスも見どころだなって。
谷生:本格的ですよね。
バービー:試合シーンは、普通に面白い。ラリーのきわどいボール運びのスリルは、どうやって撮ったのかな?とか思いました。この面白いラリーって計算でできるもんじゃないかな、とかって思ったんで。
白川:そのような映画『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』ですが、なんと今回日本テレビが実施している多様性のキャンペーン「カラフルDAYS」の特別編ということで、2月12日の深夜、日付が変わって13日木曜日の午前0時59分から日本テレビの地上波で放送されます。
バービー:『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』ってシンプルなタイトルすぎて「面白いのかな?」って思うかもしれないですけど、シンプルな内容では終わらない、ただでは終わらないっていうのだけは私もおすすめしたい。
谷生:名優オンパレードでございまして。『チョコレートドーナツ』の主演のアラン・カミングがポロっとこぼす一言が泣けます。是非要チェックで。
バービー:最後のセリフなんかはね、ぐっとくるものがありましたね。
白川:あっという間に終わりましたけど、収録いかがでしたか?
バービー:なんか…もうちょっとしゃべりたい!
■Talk Gender~もっと話そう、ジェンダーのこと~
日テレ報道局ジェンダー班のメンバーが、ジェンダーに関するニュースを起点に記者やゲストとあれこれ話すPodcastプログラム。MCは、報道一筋35年以上、子育てや健康を専門とする庭野めぐみ解説委員と、カルチャーニュースやnews zeroを担当し、ゲイを公表して働く白川大介プロデューサー。 “話す”はインクルーシブな未来のきっかけ。あなたも輪に入りませんか?
番組ハッシュタグ:#talkgender
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