【解説】「石破×トランプ」首脳会談の舞台ウラ “トランプ関税”日本への影響は?
日テレNEWS NNN / 2025年2月10日 19時54分
日本時間の2月8日に石破首相とトランプ大統領の対面では初めてとなる日米首脳会談が行われました。石破首相に同行取材し、日米首脳会談を現地で取材した日本テレビ・政治部官邸キャップの平本典昭記者が、3つの疑問を中心に解説します。
1.記者が見た「異例ずくめ」舞台裏
2.「相互関税」日本への影響は?
3.今後は?石破×トランプの関係
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──1つ目の記者が見た「異例ずくめ」舞台裏。現地で取材していて、日米首脳会談の舞台裏は、異例ずくめだったのでしょうか?
政治部官邸キャップ・平本典昭記者
「まず、今回の会談は政府関係者はもちろん、野党からも『成功だった』『心配だった2人のケミストリーはあった』と評価する声が多いです。その舞台裏、見ていきましょう。
まず、今回は1泊3日。移動時間は27時間。一方、アメリカ滞在は24時間と移動時間の方が滞在時間のより長い異例の『弾丸日程』でした。石破首相の機内の様子が取材でわかったのですが、行きは『シナリオなき会談』に向けて『極度の緊張感』に包まれていたのが、帰りは『成功』した手応えからか“祝杯”をかわしたそうなんです」
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平本典昭記者
「そして、首脳会談も異例の連続でした。まず、冒頭撮影なんですが、元々、会談の予定は30分。通常、冒頭撮影は2、3分ですが、なんとこの日、27分も続いたんです。日本側は『想定外』の事態に焦りました。取材中には、石破首相に周りのスタッフから2回ほどメモが入るシーンがありました。私もトランプ大統領のすぐ横で取材していて何のメモかと思って見てましたが、石破首相に対してカメラなしの場で話したいこともあったんでしょう、『そろそろカメラを出さないとこのまま会談が終わってしまいますよ』というメモだったそうなんです。
ただ、メディアに『撮影はここまで』と言う役目はトランプ大統領でしたので、ずっと撮らせる、異例の『トランプスタイル』となりました」
──共同会見では、平本記者もトランプ大統領に質問していましたが、会見はどこが異例だったのでしょうか?
平本典昭記者
「これも、異例の『トランプスタイル』でした。通常、首脳の共同会見は相手国のメディア、日本メディアの代表質問となるケースが多いのですが、今回はトランプ大統領自身が司会をつとめ、次々に記者をどんどん指していくトランプ流でした。日本政府関係者からも『会談も会見も、主役・監督トランプ大統領のトランプ劇場だった』と話していました」
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──その会見で気になるのが2つ目の疑問、「相互関税」日本への影響は?ということですが、どうなるのでしょうか?
平本典昭記者
「トランプ大統領に直球で『日本に関税を課すのか?』と私が聞いた質問に返ってきた答えが『相互関税』でした。結局、日本に関税がかかるのか、その影響は大きいのか、が気になります。
石破首相は9日(日本時間)、日本テレビの番組で『全ての国が同じかというと、そうならないのでは』と、日本に対しては厳しい措置にならないのでは、との見方を示しています。ある経産省幹部も『日本は他の国と比べて関税率が低いので影響は限定的なのでは』とも話しています。ただ、『詳細はトランプ大統領の発表を待たないとわからない』と日本政府関係者は警戒を続けています」
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──もう1つ、石破首相が打ち出した「1兆ドル=約150兆円」の投資ですが、石破首相は「民間がやることで、政府があれこれ言う問題ではない」などと言っていました。となると、具体的な投資の額を言って大丈夫だったのかと思いますが、どうなのでしょうか?
平本典昭記者
「もちろん民間投資であるので主体は民間企業ですが、石破首相が首脳会談で約束したんですから、政府が実現に向けて何をやるのか、と思いますよね。会談で石破首相は具体的に『いすゞ自動車』や『トヨタ自動車』の計画などをトランプ大統領に伝えました。
複数の政府関係者は『大事なのは投資の環境整備を行うこと。その1つは、トップリーダー同士の信頼関係を築くこと。日本企業が投資するときにアメリカ側から邪魔をされないような環境整備も重要』などと話しています」
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──そして、3つめの疑問「今後は?石破×トランプの関係」。今回はうまくいったという評価もあるようですが、今後はどうなるのでしょうか?
平本典昭記者
「今回、石破首相の『対トランプ勉強会』は、のべ30時間近く行ったそうです。土日も返上でやっていました。首相周辺の1人は『万全の準備をして臨み、結果がしっかりついてきた』と自信をのぞかせています。一方で別の政府関係者からは『“あの2人はあわない”と謎の期待値の低さからスタートしたから評価されただけだ』と冷静な見方も聞きました。また、外務省関係者からは『ようやくスタート地点についただけ。勝負はこれからだ』と指摘する声もあります。
トランプ大統領の気遣いもあり、上々のスタートを切ったように見えますが、会談で合意したものの中には“ふんわり”しているものも多く、今後、一気に日本に不利になるようなタマが飛んでこないか、予測不能のトランプ大統領との戦いははじまったばかりといえそうです」
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