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[社説]代執行訴訟1回で結審 国と県の協議の道探れ

沖縄タイムス+プラス / 2023年10月31日 5時0分

 完成までは最低でも12年かかる。その間の普天間飛行場の危険性除去をどうするのか。なぜ「辺野古が唯一」なのか。国が主張する「公益」が妥当かどうかを判断するには、最低限ここで列記した疑問に答える必要があった。

 それもなく国の要望通り即日結審となったのは、国の横暴を司法が追認するようなものだ。

 名護市辺野古の新基地建設を巡る代執行訴訟の第1回口頭弁論が福岡高裁那覇支部で開かれた。

 玉城デニー知事は意見陳述で「沖縄県の自主性及び自立性を侵害することとなる国の代執行は到底容認できない」とし、理由に3点を挙げた。

 一つは国と県の対話がほとんどなされていない点だ。

 県は変更承認申請が出される前から再三、菅義偉前首相や岸田文雄首相、関係閣僚に対話の場を設けるよう求めている。

 しかし国は、既存の協議会すら再開することなく手続きを進めてきた。沖縄防衛局は県の41回にわたる行政指導に、従わないか回答しないなどの対応を繰り返しており国側の強引さが目立つ。

 「辺野古が唯一」という国の考えに必要性・合理性が欠ける点が二つ目だ。

 玉城知事は秋田、山口両県への配備を断念した「イージス・アショア」を挙げ、合理性を欠けば撤回されることはあるとして新基地建設も検討すべきだと主張した。

 訴訟を提起したのは国であり、これらの疑問に答える必要がある。代執行の是非を判断するのであれば、司法にはその機会を設け実質審理を行う責任があった。

■    ■

 玉城知事は3点目として国が公益侵害を理由に代執行を求めたことに対し、「県民の民意こそが公益」と反論した。

 地方分権改革で、国の優越性を前提とした機関委任事務は廃止された。

 公有水面埋め立ては「法定受託事務」であり、託された知事の判断は最大限尊重されるべきだ。

 選挙や県民投票で「新基地建設反対」の民意は何度も示されており、知事は「県民にとって何が公益であるかの判断は、国が押し付けるものではない」とする。

 安全保障政策が地方自治より優先されるなら、基地が集中する沖縄では米軍が許す範囲の自治しか行使できないことになるのではないか。

 民意に即し判断した知事の権限が奪われるようなことがあれば、自治体の裁量権や自治権は「絵に描いた餅」になってしまう。

■    ■

 「言うことを聞かないからお前は、と言わんばかりに権限を取り上げ、われわれの未来を埋め立てようとしている」

 玉城知事は国の強硬姿勢をこう批判した上で、それでも意見陳述の最後に「国と県との対話によって辺野古新基地建設問題の解決の道を探ることこそが最善の方法」として対話の必要性を強調した。

 対話はあらゆる紛争を解決する基本であり、民主主義の理念からも極めて重要な手段だ。司法は、国と県の協議の道を探るべきだ。

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