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人と音楽の出会いの空間 那覇市のジャズ喫茶「いつのまにか半世紀」 壁にレコードや専門雑誌などが埋め尽くす

沖縄タイムス+プラス / 2024年2月28日 13時20分

窓のない薄暗い室内にジャズやボサノバの音楽が鳴り響く。独特のたたずまいがファンを引き寄せる=21日

[うちな~う](85)

 那覇市の開南バス停から「サンライズなは」のアーケード商店街を下ると、昭和の古いたたずまいのジャズ喫茶「ROSEROOM」(ローズルーム)に引き寄せられる。沖縄国際海洋博覧会開催前の1974年に開店、今年で50年を迎える老舗だ。

 「いつのまにか半世紀。ジャズ喫茶なんて大したもうけはないんだけど、人が人を呼び、よく続けてこられたよ」と、店主の仲村良雄さん(77)はほほ笑む。学生時代から、コザを中心にジャズのレコード収集に明け暮れた。父親が営んでいた写真館を譲り受け、ジャズ喫茶に改装、28歳の頃にオープンさせた。

 店内には、常連客らが持ち寄った絵画やアンティークが所狭しと並ぶ。細く急な階段で2階に上がると、米国アルテック製38センチウーハーを搭載した手作りスピーカーが、ジャズやボサノバのぶ厚いサウンドを響かせる。曲が終わって静まり返ると、時を刻む柱時計の音が、無音の空間に広がる。壁には色あせたレコードやジャズ専門雑誌がぎっしり。「大声禁止!」「静かに」の張り紙も。

 最近では、SNSなどで評判が広がり、若者客が増えた。比嘉十我さん(20)=宜野湾市=は「この店で、ジャズのことはもちろん、大人としての生き方や考え方までも教わった。心のよりどころ」と話す。

 「ここは、誰にも邪魔されず、邪魔もせず、音楽に耳を傾けながら、ぼんやりできる場所」。それぞれのくつろぎを求めて訪れる人たちとの出会いが、仲村さんの何よりの喜びだ。(写真部・古謝克公)

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