防衛相、うるま市の陸自訓練場の新設計画を断念 用地取得を含め、正式発表「地元におわび」 代替地を検討
沖縄タイムス+プラス / 2024年4月12日 5時0分
【東京】木原稔防衛相は11日夕、防衛省で臨時記者会見を開き、うるま市石川のゴルフ場跡地に陸上自衛隊訓練場を新設する計画を巡り、跡地の取得を含めて断念すると正式に発表した。本紙が昨年12月20日に計画を報じて以降、住民らの反発を受けながらも検討を続けたが「住民生活と調和しながら訓練の必要性を十分に満たすことは不可能」と判断し、「地元の皆さまにおわび申し上げる」と述べた。石川地域からは「反対の声が断念につながった」と安堵(あんど)する声が上がった。(東京報道部・新垣卓也、山城響、中部報道部・又吉朝香)
一方、木原氏は2027年度までの陸自第15旅団の師団化に伴う人員増加を見据え、訓練の必要性を満たす方策は必要だと主張。防衛省は、代替地の確保を含めて再検討に入る方針。
木原氏は「訓練などの在り方について、幅広い視点から再検討するよう省内に指示した」と説明し「適切な結論を速やかに得たい」との認識も示した。
会見に先立ち、うるま市の中村正人市長や自民党県連の島袋大幹事長、島尻安伊子衆院議員は午後4時ごろ、防衛省で木原氏と面会し、計画断念を求めた。
中村市長は「到底、受け入れられるような計画になっていない」と指摘。木原氏は「大変厳しいご意見をいただいている」と応じた。要請は冒頭のみの公開で、中村市長によると木原氏は「重大なことで、しっかりと受け止め対応したい」と語ったという。
午後6時15分ごろに会見した木原氏は「中村市長や島袋幹事長からの要請を受けた結果」として、跡地取得を含めた計画を「取りやめる」と表明した。
「省内で幹部会議を緊急で行い、最終的な指示を出した」とし、自身の政治判断だと強調した。予定地を上空から視察した2月以降に「時間を十分にかけ、最後まで土地取得や利用の在り方を考えるという軸は持っていた」とも述べた。
今後は「省内でしっかり連携を図り、周囲の生活環境を含めた地元の状況をきめ細かく把握・分析して作業を進めるよう、関係幹部に指示をした」と説明した。
「自衛隊訓練場設置計画の断念を求める会」の伊波常洋共同代表は「住民の反対の声が断念につながった。手順を踏まない計画はまかり通らないことを示せた」と語った。
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