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今、スタンダップがアツい! 榎森耕助、ニッキーら沖縄芸人が続々「参入」する理由とは

沖縄タイムス+プラス / 2024年5月23日 10時0分

沖縄のスタンダップシーンを語る榎森耕助(左)とニッキー=5月7日、那覇市内

 マイク1本、己1人で舞台に立ち、自分の内面や考えを真っすぐさらけ出しながら笑いを取っていくスタンダップコメディー。普段漫才やコントなどで腕を鳴らす沖縄の芸人たちもここ1、2年で続々と参戦しており、お笑い芸人・ニッキーが6月1日に北谷町のモッズで主催するライブには事務所や芸風の垣根を越えて幅広いメンバーが出演する。思いの丈を等身大で吐き出せる自由と爽快。お笑いコンビ・リップサービスの榎森耕助は「今沖縄のお笑い界において新芽が芽吹いているエリアは、スタンダップコメディーです」と断言する。榎森とニッキーが、沖縄のスタンダップコメディーシーンの今を語る。(ライター・長濱良起)

 

 -沖縄のスタンダップコメディーシーンは、実際に舞台に立っているお二人から見てどう映っていますか?

 榎森 2022~23年ぐらいから盛り上がってきたので、黎明(れいめい)期と言っていいかと思います。固定のファンも増えてきている段階です。僕がスタンダップを始めたのは2022年あたりです。自分としてはスタンダップをやりたいからやっているという感じなんですけど、ニッキーはもう少し「シーンを盛り上げたい」という気持ちでやっていると思います。

 ニッキー スタンダップコメディーをやっている身としても、全体的に盛り上がっていた方が良いですよね。イベントを開催するにしても、だんだん会場を大きくしていったり、普段はなかなか呼べないような出演者を呼んでみたりとか、必ず一つは実験的な要素を入れています。

 -沖縄で盛り上がりつつあるきっかけは何だったんでしょうか?

榎森 ウーマンラッシュアワーの村本(大輔)さんが沖縄で定期的に、みんなが参加できるスタンダップの小さな大会を開いていました。それはきっかけとしてだいぶデカいと思います。そこに参加していたオリオンリーグの玉代勢(直)さんが今、その流れをくんで那覇の「カレー屋タケちゃん」で定期的にライブをやっています。スタンダップをやったことのない芸人もガンガン誘っていて、沖縄での裾野を広げているのは玉代勢さんです。

 ニッキー 県外でも同じように、スタンダップのイベントを主催する方が増えていって盛り上がっています。

 -スタンダップに参加する芸人さんが増えていっているんですね。

 榎森 もちろん玉代勢さんの功績もありますし、芸人がスタンダップのライブを見に行く機会が増えたという点もあります。芸人の場合、「自分だったらこういう話をするけどなぁ」って考えるんですよ。そして、思いついたものは言いたくなるので(笑)「俺もいっちょやってみっか」ってなっていると思います。

 ニッキー 沖縄とスタンダップの相性が良いと思います。スタンダップは話の中でフラストレーションを発散させたり、個人の内面をオープンにしたりするんですが、沖縄の人って日頃から言いたいことを言えずに我慢している人も多いじゃないですか(笑)。貧困問題や仕事のつらさ、基地問題とか、そういうことを実際に言葉にして出してくれるコメディアンに、爽快さを感じてくれているのかなと思います。

 榎森 考え方の違いを面白がるという点で、スタンダップは沖縄のチャンプルー文化に近いです。今の僕の認識としては、漫談はネタの要素が強いですが、スタンダップは人の要素が強い芸能だと思います。その人のこれまでの人生がバックボーンとなって話芸となるので、人となりがよりダイレクトに伝わってきます。自分とは違った考え方や物の見方に触れることができるので、スタンダップを見た帰り道は、何か自分の世界が広がった感じがします。

 

 -スタンダップという芸に、何か定義のようなものはあるのでしょうか?

 ニッキー 日本ではお笑いを漫才、漫談、コント、のように枠組みで区切ることが多いですが、スタンダップは何でもありです。物まねもあるし、攻撃的なジョークもあるし、政治的な話題もあるし、逆に全く政治に触れない話もあるし、いろんなスタイルがあります。

 榎森 そういう意味では、僕が沖縄のスタンダップの場で「せやろがいおじさん」として政治的な話をすることで、結構マイナスブランディングになっちゃっている面もあるはずなんですよ。「スタンダップって政治的な話するんでしょ? 難しそう」って敬遠するお客さんも絶対いるなと思っています。だからこれだけは言いたいんですけど「せやろがいみたいのじゃない方が多いよ。コメディアンが面白い話をしているので、笑いにおいでよ」と。

 -ニッキーさんは出演者としてだけでなく、イベントの主催者としての面でもシーンに貢献しています。6月1日のイベントではどのあたりを意識していますか?

 ニッキー 誰が見ても楽しめるような内容を意識しています。僕も出ますが、他には、玉代勢さんが風刺的な話をして、プロパン7のけいたりんさんが物まねの要素も入れて、ゴリラコーポレーションの(瀬名波)勇介さんが都市伝説を話して、そしてベテランの津波信一さんが出て、というように、幅広く声をかけています。

 榎森 その日にリップサービスも那覇で単独ライブが入ってるんですよ。マジでニッキー、スケジュール変えてくれへんかなー。

 ニッキー 変えたかったんですけど大先輩の津波さんからもうOKもらってたんで、すいません!

 榎森 しゃーないしゃーない。津波さん優先した方がいい。絶対その方がいい。

 

 -現場で見るスタンダップの一番の魅力とは何でしょう?

 榎森 「生の何かを見る体験」そのものに、時間を割くべき価値があると考えています。今は映像でいろいろなものを見ることができますが、やっぱり目の前で行われるパフォーマンスには第六感的なもので受け取るパワーがあると思っています。

 ニッキー SNSでもスタンダップコメディーのコンテンツが増えてきています。見ていただいたら分かると思うんですが、スタイリッシュで知的でカッコいいところがあるんですよ。遊びやデートで気軽にお越しいただいて、スタンダップの面白さを先取りしてもらえたらと思います。

イベント名:STAND UP COMEDY SHOW IN MIHAMA
日時:2024年6月1日(土) 17時半開場 18時半開演
場所:LIVEHOUSE MOD'S(北谷町美浜9-1 デポアイランドビルE-2F)
料金:3000円(1ドリンク別)
出演者(順不同):ニッキー、津波信一、玉代勢直(オリオンリーグ)、けいたりん(プロパン7)、瀬名波勇介(ゴリラコーポレーション)
チケットの予約は出演者のSNSまで。

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