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[社説]キングス準優勝 健闘で地域活気づけた

沖縄タイムス+プラス / 2024年5月29日 4時0分

 プロバスケットボールBリーグの年間王者を決めるチャンピオンシップ(CS)は28日、横浜アリーナでファイナルが行われ、琉球ゴールデンキングスは広島ドラゴンフライズに敗れ、準優勝となった。史上2チーム目となる連覇はかなわなかったが、3季連続の決勝進出である。健闘をたたえたい。

 今季のキングスは、昨季の覇者として徹底的にマークされる中、けがで選手の離脱が相次ぎ、終盤は約5年ぶりに4連敗を喫した。レギュラーシーズンは1試合を残して自力での優勝が消滅。最終戦を制したが、7連覇を逃し、西地区2位にとどまった。

 CSもいばらの道だった。初戦となる準々決勝の対戦相手は、唯一連覇の実績があるアルバルク東京。勝負は第3戦にもつれ込み、2勝1敗で競り勝った。準決勝で迎え撃ったのは、3月の天皇杯決勝で大敗を喫した千葉ジェッツ。第1戦を33点差で落とし、後がない中、持ち前の粘り強さで第2戦と第3戦を取り返した。

 チームをけん引したのは、キングス12年目の県勢、岸本隆一選手。今季レギュラーシーズンは自己最多の654得点を挙げ、3点シュートの成功率も自己最高の38.9%を記録した。勝負を分ける重要な局面で得点を決める「クラッチシューター」として、リーグ随一の活躍を見せた。

 4年目の今村佳太選手も得点は自己最多の776点で、1試合平均は13.4得点をマークした。チームの日本人でトップの成績を誇り、守備面でもチームに貢献した。

■    ■

 琉球ゴールデンキングスは、2007年の創設から、その成長を多くのファンに支えられてきた。

 今年5月にホームの沖縄アリーナで開催されたCS準決勝は、第2戦の観客数が8643人、続く第3戦では8712人となり、いずれも過去最多を更新した。Bリーグ各チームの1試合当たりの平均入場者数も、キングスは今季7746人で、アルバルク東京の6012人を引き離して堂々の1位だった。

 琉球ゴールデンキングスの昨季のグループの売上高は過去最高の28億9400万円で、入場料収入だけでもBリーグで唯一、10億円を超えたという。

 沖縄アリーナの開業はコロナ禍の21年4月だったが、来場者数は昨年12月に3年足らずで100万人を突破している。キングスの活躍が、地元の沖縄市をはじめとした地域を活気づけている。

■    ■

 県はスポーツ関連産業の振興と地域活性化を目指し「スポーツアイランド」構想を掲げ、推進計画は22年度から第2期に入った。昨年はFIBAバスケットボールワールドカップが沖縄でも開催され、今年6月には豊見城市で聴覚障がい者のデフバレーボール世界大会が開かれる。スポーツを通じた地域振興や交流拡大に関心が高まっている。

 琉球ゴールデンキングスは名実ともに日本のバスケ界をけん引するチームになった。県民そして地域と共に歩み続けるチームとして、さらなる飛躍に期待したい。

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