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「応援することが、彼女の生きた証しに」 キングスが大好きだった友人のTシャツとともに 沖縄からバスケBリーグ決勝を観戦

沖縄タイムス+プラス / 2024年5月29日 8時40分

亡くなった友人が生前着ていたTシャツを持参して、琉球ゴールデンキングスを応援した知念未輪子さん=28日午後8時過ぎ、北中城村のイオンモール沖縄ライカム

 その女性は、人一倍食い入るようにモニター画面を眺めていた。膝元に、亡くなった友人が大切にしていたチームのTシャツをかけて。

 28日に行われた、プロバスケットボールBリーグ1部の年間王者を決めるチャンピオンシップ(CS)決勝の最終第3戦。昨年王者の琉球ゴールデンキングスの地元・沖縄県内であったパブリックビューイングには、約350人のブースターが足を運んでいた。

 中でも、特別な思いを胸に応援していたのは、八重瀬町の会社員知念未輪子さん(43)。3年前に亡くなった元同僚の友人女性は、キングスが大好きだったから。

 職場で知り合った、自分より10歳近く上の彼女。Bリーグの前身であるbjリーグ時代、初めてキングスが優勝した2009年に会場で試合を見て以来、キングスに魅了されたという。12、13年前に試合に誘われて、知念さん自身も気迫あふれるプレーに夢中になった。

 「どの選手も応援していた『ハコ推し』。キングスを愛してやまない人でした」

 そんな彼女は、Bリーグでキングスが初優勝した23年の試合を見ることなく、21年にがんで他界した。棺おけには、ユニホームやマスコットキャラクター「ゴーディー」のぬいぐるみなどが敷き詰められていた。

 「応援をすることで、彼女の生きた証しになる」。そう考えて、今までよりもさらに多く会場に足を運び、チームを応援するようになった。昨年初優勝した後には、彼女の実家に足を運び、優勝を報告した。

 28日の試合中も「彼女の分も応援している」と話していた知念さん。だが、試合は広島ドラゴンフライズに50―65で敗れて1勝2敗となり、2連覇は手中からすり抜けていった。

 それでも、知念さんの表情には曇り一つない。
 
 「よくぞここまで連れてきてくれた、という気持ちでいっぱい。友人も同じ気持ちだと思います」。胸を張ってチームには沖縄に帰ってきてほしい。そして、来季の日本一に向けて、また「二人」で応援したい。そう思っている。(社会部・豊島鉄博)

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