旧南洋群島の戦闘で犠牲になった沖縄出身者を悼む 「慰霊と交流の旅」の一行、那覇空港を出発
沖縄タイムス+プラス / 2024年5月30日 18時2分
太平洋戦争時の1944年、日本の委任統治領だった旧南洋群島で、日米の激しい戦闘の犠牲になった県出身者を悼む「慰霊と交流の旅」の一行が30日午前、那覇空港を出発した。23~93歳の戦争体験者やその家族ら25人が沖縄から参加。1日にテニアン島の「沖縄の塔」、2日にサイパン島の「おきなわの塔」をそれぞれ参拝するほか、現地の人と交流する。
那覇市の多和田眞久さん(87)=那覇市=は約40年ぶり、2度目の旅。共にサイパンの戦争を体験し、3年前に亡くなった弟の眞清さんの写真を持参して参加する。
眞久さんは7歳の時にサイパンで戦火に巻き込まれ、父や姉が犠牲に。胸のあたりに弾を受けて重傷を負った母も病院に運ばれたまま、戻ってこなかった。収容所で一番下のきょうだいも亡くなった。戦後、眞清さんと沖縄に引き揚げ、祖母らに育てられた。「またサイパンに行きたいけど、今回の旅で最後になるかね」とつぶやいた。
眞清さんの娘で、眞久さんのめいに当たる山内幸代さん(53)=宜野湾市=は「みんな幸せに頑張っています。見守って下さい」との思いで、現地で手を合わせる。
旅は国際旅行社(那覇市、與座嘉博社長)が主催。那覇空港での出発式で、旧南洋群島から引き揚げた人らでつくる「南洋群島帰還者会」の上運天賢盛会長(92)は「兵隊は国を守ることは義務でも、住民を守ることは義務としていなかった」と戦時中を振り返った。「亡くなった人の御霊を慰め、住民との親睦を深めてくれることを期待しています」とあいさつした。(社会部・當銘悠)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
[社説]「鉄の暴風」を読む 今も変わらぬ住民犠牲
沖縄タイムス+プラス / 2024年7月11日 4時0分
-
フィリピン・ダバオへ5年ぶりの慰霊の旅 20~95歳の遺族ら65人参加 7月11日「沖縄の塔」で追悼式
沖縄タイムス+プラス / 2024年7月9日 12時39分
-
花岡事件から79年、犠牲者悼む 秋田・大館、遺族ら黙とう
共同通信 / 2024年6月30日 15時0分
-
「子供たちは生きたまま焼かれて死んだ。二度と事故が起こらない沖縄を」 石川・宮森小学校へ米軍機墜落から65年 被災者や遺族ら慰霊祭
沖縄タイムス+プラス / 2024年6月30日 11時28分
-
沖縄メディアの痛切な反省「報道管制がなかったらどんな新聞を作るべきだったか」琉球新報の『沖縄戦新聞』
RKB毎日放送 / 2024年6月25日 18時28分
ランキング
-
1「家族の誰ひとり、事実がわからなかった」息子まで攻撃の対象に…“いじめ告白”記事炎上の日々、小山田圭吾の家族が体験した試練
文春オンライン / 2024年7月24日 6時10分
-
2県人口90万人を割り込む 80万人台となるのは104年ぶり
ABS秋田放送 / 2024年7月24日 11時56分
-
3【SNSで人気沸騰】女性総理候補“影の本命”に躍り出た小野田紀美・参院議員の実像 公明の推薦受けずに当選し保守系の自民支持者から喝采
NEWSポストセブン / 2024年7月24日 11時15分
-
4“議会中にスマホゲーム”大河原町議会の佐藤貴久氏(73)が議員辞職「家族や知人の生命を脅かす」
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年7月24日 13時59分
-
5日本人、過去最大86万人減=東京のみ3年ぶり微増―外国人初の300万人超・総務省
時事通信 / 2024年7月24日 17時3分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)