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[社説]南城市長セクハラ告発9件 市民へ説明責任果たせ

沖縄タイムス+プラス / 2024年6月22日 4時0分

 古謝景春南城市長のセクハラ疑惑を受け、市議会特別委員会が実施したハラスメント調査結果が公表された。

 調査に回答したのは301人。古謝市長からのセクハラ被害を具体的に告発した記述も9件あり、その内容は衝撃的だった。

 「服の上から胸を触られたり腰に手を回されてキスされた。驚きのあまり固まってしまい、何とか手を振りほどきその場から離れることで精いっぱいだった」

 「飲み会の席では市長の両隣は女性が座るとのルールがある。他の男性職員がいるのに市長の隣だけが空いていた。そこで手を握られたり太ももをなでられたりした」

 「他の職員もいる前で、ふざけて体を触ってきた。過去にも酒の場所でテーブルの下で太ももをさすってきた」

 詳細な記述は行政トップによるセクハラ被害の深刻さを訴えるものだった。周囲が黙認していた様子も伝わる。

 調査の回収率が5割に満たないことを考えれば、報復や周囲の目を恐れて回答できなかった人がまだいるのではないか。

 調査結果に対し古謝市長は「女性とは飲み会をしていない」などと答えるだけだった。女性たちの訴えた内容に直接答えていない。

 市長から「キスされた」との記述も少なくとも3件あった。事実であれば、刑法の不同意わいせつ罪に該当する可能性もある。

 人権侵害や不法行為の疑念が自身に向けられているのである。そんなつもりじゃなかったでは済まされない。古謝市長は市民の前で説明責任を果たすべきだ。

■    ■

 今回の調査では、47人が市役所内でハラスメントを「受けたことがある」と答えた。ほか「見聞きした」「相談を受けた」との回答も計57人(複数回答)に上った。

 加害者については「上司」と答えた人が最多の48人。市長や副市長などの「特別職」が30人と続く。

 立場が上の人からの被害が多い。ハラスメントが人権侵害という認識が市役所全体に薄いのではないか。

 被害に遭った時期や見聞きした時期については「過去1年以内」が22人で、「現在」と答えた人も11人いた。「その他」も50人おり、継続してハラスメントが起きている恐れがある。

 影響も深刻だ。ハラスメントで「辞めたくなった」が33人。「眠れなくなった」「体調不良になった」との回答も計28人に上った。事態を放置してきた市の責任は重い。

■    ■

 古謝市長のセクハラ疑惑を巡っては、今回の調査のきっかけとなった元運転手の女性の件についての第三者委員会もいまだに実現していない。

 今回の調査ではこの女性への誹(ひ)謗(ぼう)中傷が庁舎内で横行しているとして「名前を出して被害を訴えるのが怖い」との声もあった。市は「完全な」第三者による委員会を直ちに設置し全容を解明すべきだ。

 向けられた疑惑に対し有権者に説明を尽くすのは政治家の責務だ。市議会も百条委を設置し、疑惑解明の一端を担うべきだ。

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