平和への願いを託した千羽鶴を再生紙に 沖縄・ひめゆり資料館から寄贈受け 50キロ分が贈答箱に 愛知のパッケージ会社
沖縄タイムス+プラス / 2024年6月23日 4時21分
平和の願いが託された折り鶴(千羽鶴)を原料に再生紙「カラフルウイッシュ」を製造するクラウン・パッケージ(愛知県)は、2023年11月から沖縄県糸満市のひめゆり平和祈念資料館に寄贈された折り鶴を展示後に引き取っている。再生紙で商品を入れる贈答箱などを作ることで、多くの人が手に取ったり、目にしたりする機会になる。平和の願いを広げる取り組みだ。カラフルウイッシュを化粧箱に用いる県内企業は「贈る方も贈られた方も平和へ思いを寄せるきっかけになれば」と期待する。(政経部・村井規儀)
クラウン・パッケージは見た目のきれいな「美粧段ボール」など幅広くパッケージ製品を手がける。カラフルウイッシュに使う折り鶴の回収は、16年の広島平和記念公園から始まり、21年に長崎原爆資料館が加わった。木材パルプに折り鶴を混ぜ合わせて再生紙を製造する。色はグリーンとブルー、ピンク、イエローの4色。細かくちりばめられた折り紙はアクセントの役割を果たしている。
「全国へ活動を広げるには沖縄の折り鶴も欠かせない」とクラウン・パッケージが、ひめゆり平和祈念資料館に相談。同館は趣旨に賛同し、ひめゆりの塔前や同館の正面玄関に半年間ほど展示した後に折り鶴を譲り渡すことになった。
今年は、ひめゆり資料館からまず重さにして50キロ分の折り鶴を引き取る予定。那覇市の就労支援センター「あいこ」で、千羽鶴をつなぐひもや糸などを取り外し、金と銀、黒色の折り鶴を取り除く。分別した折り鶴を県外へ送り、再生紙「カラフルウイッシュ」を製造する。県内では数社が使用している。そのうち、沖縄アロエ(名護市)はギフト用の化粧箱に使う。箱の側面に趣旨を記載。「平和の願いを発信し、資源の循環でSDGsにもつながる」と共感している。
カラフルウイッシュの問い合わせはクラウン・パッケージ沖縄営業所、電話098(995)9429。
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