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世界5大長寿地域「ブルーゾーン」と呼ばれた沖縄 ミックスカルチャーな新時代の健康食を

沖縄タイムス+プラス / 2024年6月26日 18時0分

[命ぐすい耳ぐすい 県医師会編](1336)

 沖縄はかつて「ブルーゾーン」と呼ばれる世界5大長寿地域の一つで、2000年代には世界中の研究者から注目を集めていました。ブルーゾーンには他に地中海に浮かぶ、イタリアのサルデーニャ島とギリシャのイカリア島が含まれます。

 地中海食の健康効果については数多く研究がされており、一般的な食事と比較して、心筋梗塞や脳卒中、アルツハイマー型認知症、がんのリスクを減らすという大きな効果が示され、科学的根拠に基づく健康食として世界に知れ渡りました。地中海食を取り入れているスペインは、40年までに世界一の長寿国になると、英医学雑誌「ランセット」が発表しています。

 地中海食は野菜や果物、魚、オリーブ、ナッツ、豆類が豊富に取り入れられ、赤身肉がほとんど含まれていないことが特徴です。これに対し私たちが一般的に思い浮かべる沖縄食は「揚げる」「炒める」が多く、肉中心で、地中海食とはまるで異なるように思われます。

 しかしこれらのブルーゾーンの食事には共通点があります。それは、植物性食品を豊富に取ること。すなわち穀類や野菜、豆類、海藻、芋、きのこをよく食べます。かつての沖縄料理でもサツマイモ(唐芋)や豆腐、島野菜、海藻が頻繁に使用されていました。豊富なビタミンCが含まれている芋を主食とし、野菜はニンジン、ゴーヤー、パパイアをはじめ、野草まで食べていました。

 昆布は全国でも圧倒的な消費量を誇っており、食べるだけでなく、だしの素材としても広く利用されていました。

 現代は、欧米の食文化の流入により食生活が大きく変化し、豆腐離れや昆布料理が敬遠され、沖縄の伝統的な食文化が衰退しつつあります。しかし、逆に言えば沖縄は外からの文化も受け入れやすい、多様性にあふれた文化的側面があります。

 これまでの伝統食を伝承しつつ、今あるミックスカルチャーな食文化を発展させ、バランスが取れた、新時代の沖縄の健康食を文化としてつくっていく必要があります。(真喜志依里佳、沖縄県立八重山病院 総合診療科=石垣市)

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