花粉症や糖尿病も…こんなにあった「ダイビングは要注意」の病気 相次ぐ中高年の死亡事故 どう防ぐ?専門医が解説
沖縄タイムス+プラス / 2024年7月11日 7時38分
酷暑が続き、本格的なマリンレジャーのシーズンを迎えた沖縄。中でもダイビングは人気だが、潜水中や直後に体調を崩して死亡する事故が後を絶たない。ダイビングを避けるべき病気があるのか-。減圧症の専門医である南部徳洲会病院(八重瀬町)の清水徹郎医師は、心疾患に加え花粉症や糖尿病も要注意で「中高年ダイバーが病歴を正直に申告しないことが体調悪化の一因」と指摘する。(デジタル編集部・新里健)
第11管区海上保安本部によると、県内のダイビング中の死者数は2022年と23年が各6人、今年は6月23日までに3人となっている。
世界最大の安全教育機関「PADI」がダイバーに提出を求める病歴書には、40項目ものチェックリストが並ぶ。清水医師はこの中で絶対にダイビングをしてはいけない病気として、先天性心疾患やてんかん、気胸などを挙げる。
重い花粉症が要注意とされる理由は、上気道炎やアレルギー性鼻炎によって鼻腔(びくう)に障害があると、潜水時の耳抜きがうまくいかず、鼓膜を損傷する恐れがあるためだ。糖尿病の人も、水圧がかかるとインスリンの効果が増大して低血糖を起こしやすくなる。
チェックリストは04年以降、改訂を重ねているが、多くのダイバーは正直に記入しないという。日本でダイビング人気が高まって30年。現在、愛好者約80万人の多くは中高年で、健康上の不安を抱えがちな年代だけに問題は深刻だ。
沖縄はダイビングの人気地だが、適性を判断できる専門医は5人だけ。北海道や内陸の長野県の各13人と比べても少ない。そんな中、一般の内科医にもできるのは生活習慣病のチェックだ。清水医師は「潜水中に体調を崩す人の大半は生活習慣病を抱えている。その検査なら誰でも簡単に受けられる」と勧める。
体調悪化の要因として喫煙や肥満に加え、観光客の過密な旅程も挙げる。「ホテルに着いて荷物を解く間もなく船に乗り込み、潜ってからチェックインする人もいる。疲労を防ぐため、余裕を持って日程を組んでほしい」と警鐘を鳴らす。
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